007 ブラッドストーン


対応機種プレイステーション3/Xbox360
発売日2011/01/13
価格7980円
発売元スクウェアエニックス

(c)1962-2010 2011 SQUARE ENIX / ACTIVISION / BIZARRE CREATIONS / Danjaq
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「プロジェクトゴッサムレーシング」のビザーレクリエイションが「007」のゲーム制作を手がける。
シナリオは書き下ろしの完全オリジナルストーリーだ。

任天堂「ゴールデンアイ」以降、慣習的に007はFPSとして出されることが多いが、主人公のジェームスボンドは象徴的なヒーローなのだから、姿が見えて多彩なアクションが出来る、本作が採用しているサード・パーソン・シューティングの方がふさわしい。

撃ち合い、ステルスアクション、派手なカーチェイスなど、スパイにふさわしい舞台とシチュエーションが用意されており、かなりスケールが大きく出来上がっている。
しかし、TPSとして見た場合、全体的に一昔前の水準といった感じで、クオリティがあまり良く無い。

グラフィックは、テクスチャの貼り遅れが若干見られる。テクスチャ自体はマシンパワーを使ったごり押しでそれなりに綺麗さを見せるが、及第点を与えられるほど綺麗ってほどではない。画質がのっぺりしていて、安っぽい雰囲気を与える。
最たる原因は、モデリングの造形にこだわりがなく、レゴブロックのような画一的な地形な点。それに加えて、エフェクト効果もレベルが低く、重火器の撃ち合いも、音や動きが軽く、リアリティがない。総合的に見て、プレイステーション2時代のゲームでも遊んでいるかのような質の低さだ。

最大の不満点は、通常視点と主観視点の操作を別々に変更できないこと。このゲームに限ったことではないのだが、こういうゲームは良くある。
自分は、通常視点はリバース、主観視点をノーマルで行うので、リバースかノーマルに視点操作を統一されるとかなり困る。

携帯電話を起動すると、次の目的地や敵の位置、状態がアイコン表示されるシステムはなかなか情報の与え方が良く出来ていていい(演出から見て「バットマンアーカムアサイラム」から影響を受けたと思われる)。次の目的地ぐらいは一々携帯電話を起動しなくても表示できるようにして欲しいと感じた。

一方で、レースゲームを生業としているメーカーだけあって、カーチェイスへの力の入り方は半端ではない。ステージに一つ挿入されるカーレースシーンでは、走り切るだけでも3分を超えるロングコースが収録され、演出や構成も非常に手が込んでいる。こっちが本編かと錯覚してしまうほどだ。
車の造形にだけは異常な拘りを見せている点も、この会社ならではといったところだろう。

難易度はノーマルでプレイしてもかなり低い。このゲームは、いわゆるキャラゲーの一種だから、これぐらいが丁度良いだろう。
それよりも問題なのは、全体的に古臭い作りにある。レースパートを見る限り、版権ゲーだから適当なところで手を抜いたというより、この会社自体レースゲーム以外取り柄がないだけに見える。レースシーンだけ作らせて、メインのTPSはまた別の会社にやらせればもっと良い内容になったかもしれない。そこで結論。

レースパートだけ一級品。それ以外は型遅れなゲーム(開発会社の力量不足さが如実に現れた作品と言えるだろう)。





[2011/01/14]
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