007 慰めの報酬


対応機種プレイステーション3/Xbox360
発売日2009/03/26
価格7800円
発売元スクウェアエニックス

(c)1962-2008 SQUARE ENIX / ACTIVISION / treyarch / Danjaq
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007は、海外でさかんにゲーム化されているが、ゲームとして成功しているのは任天堂「007 ゴールデンアイ」ぐらいだと思う。
しかし、今作は、「コールオブデューティ4」のシステムエンジンを活用し、ネットワークモードを搭載するなど、ゲーム的にも当てに行っている印象がある。凄く力が入っている。

ゲーム内容としては、これまでの007のように、ファーストパーソンシューティングのスタイルを取っている。
なにせ、人気FPS「コールオブデューティ4」と同じシステムで開発されたことを売りにしているほどである。

操作性やシステム周りなどは、人気作品に準じた面があり、完成度は高いというよりも、これだけやってやっと普通に遊べるレベルのゲームという感じだ。
FPSとしても、特別突き抜けた出来映えというわけではなく、どの要素も順当に出来上がっているという感じで、可もなく不可もなくという言葉が非常にしっくり来る。

グラフィックなんかも、そんなに綺麗ってほどでもない。

海外産のゲームでどうしてもつきまとう問題点として、インターフェイスの詰めの甘さと、ローカライズの出来の悪さが挙げられる。
今作も、元々海外のゲームを、日本語訳にして出しただけなので、和製ゲームを多くプレイしていると、インターフェイスをはじめ、プログラム周りの作りの粗っぽさが気になる。
翻訳も、まあなんとか意味が通る感じではあるが、日本人向けにわかりやすい大胆な翻訳が施されているわけでもないので、文章のレベルとしては、読めた物ではない。

日本版は、それにプラスして、音声を全て日本語吹き替えにしているようだ。これには好き嫌いが出る対応かもしれない。人によってはお節介と感じるかもしれない。
そのせいか、販売価格が高く設定されているのが、なんとも納得いかない。

インターフェイスに関しては、ムービーの右下にスキップの表示を入れていることや、メニュー周りの構成が雑で、洗練されてない点。

シングルプレイでは、「慰めの報酬」「カジノロワイヤル」と、2つの映画を題材としたステージ構成になっていることもあって、ボリューム感はなかなかある。
映像やエフェクトの特殊処理も積極的に使っていて、グラフィックのレベルはまあまあ高い。

操縦性もそれほどクセが無く、遊びやすい。難易度も適度で、敷居がそれほど高くない点も評価出来る。
ただ、ステージごとにコンセプトを豊富に付けることで、マンネリをなくそうという工夫は理解出来るが、やはり全体的に作業的な印象が否めない。
めまぐるしくステージ状況が変化して目的も変わっていくが、たまに何をしたらいいかわからなくなる誘導の下手さも気になる。重火器の発砲音が安っぽいのも残念。

でも、敵のAIはわりと良くできてるし、武器も沢山あって、この手の版権ゲームにしてはクオリティは高いと思う。
近接攻撃のテイクダウンアクションも、ドンパチゲーム独特のイメージを壊して、うまく派手さを出すための要素としては良いものと思う。

ネットワーク通信を使った対戦プレイにも対応しており、対戦でポイントを貯めて、装備品を集めていく収集する要素を付けている。
最大12人まで対戦出来て、機種ごとに対戦サーバーが分かれており、互換性は無い。
今時のFPSでは、このモードが無いと、商品価値としては出来たものではない。ゲームとしての価値を出すという意味では、成功している。

ゲーム自体は、このゲームから007に興味を持ってもらえるというレベルにはほど遠く、シリーズファン向けの範疇を超えないものなのは惜しい限りである。
007が長い間、愛される作品だという魅力ぐらいは伝わってくるのだけど。
ネットワーク対戦があったとしても、わざわざこのゲームを選ぶメリットに乏しいわけだし。

ちなみに、プレイステーション3、Xbox360以外に、プレイステーション2、Wiiでも同名タイトルがさも同じ内容のように宣伝され、同時発売されているが、これらはそれぞれ内容が若干異なっているようである。
あくまで本流はこの2機種で出されたゲーム内容を基準としている。そこで結論。

豪華に作られたファン向けソフト。





[2009/03/31]
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