3×3EYES 三只眼變成


対応機種PCエンジン(SUPER CD-ROM2&アーケードカード両対応)
発売日1994/07/08
価格8800円
発売元NECホームエレクトロニクス

(c)1994 NEC Home Electronics / NIHON CREATE / YUZO TAKADA / KODANSHA / YOUNG MAGAZINE
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高田裕三の代表作「3×3EYES」は数多くゲーム化されているが、これはパソコンで発売されていたアドベンチャーゲームをPCエンジンに移植した作品である。

PCエンジンへ移植するにあたって、CD-ROMの強みを活かして、OVA版と同じ声優が声を当てており、セリフを喋る!
グラフィックも描き直され、グレードアップしている。

更に特徴的な点として、見せ場のシーンでは、フルサイズではないものの、アニメのセルをそのまま取り込んだなめらかなアニメーションが流れる。
ただし、メモリの関係もあって、長くても数秒程度、おまけにアーケードカードを使った上でもアクセスしまくりの無茶苦茶っぷりだが...。

この手のゲームをPCエンジンに移植させたらお手の物といった感じで、一枚絵のクオリティは高いし枚数も多い、おまけに台詞は全部ボイスに起こしており、喋ってくれる豪華さは他では真似できない芸当だ。

しかし、ゲームとしての出来上がりは、今一歩といった感じで、どうにも練り込みが足りてない印象を受ける。

とりあえずPCエンジンでCD-ROMだから、喋らせればいい、容量を気にしなくていいから絵もたくさん入れられるという考えで思考が止まっていて、工夫がない。

例えば、台詞を全て喋ってくれるものの、オリジナルのパソコン版はテキストベースだから、それをそのままフルボイスにしても、雄弁すぎてテンポが悪くなってしまう。
フルボイスをやめて重要度の低い、あるいは喋らせる必要性のない台詞は敢えてテキストに置き換える、台詞自体を見直すなど、そういった細かい部分にまで手を入れられていない。

演出周りが、実に退屈で適当で非常に弱い。
元々テキストだった台詞を音声に置き換えただけのものを長々と喋らせるだけ、会話している間、画面の変化はほぼ全く無く、動きのあるシーンはすぐ取り込みアニメーションに頼る。
一枚絵が豊富だと言っても、動きのある演出が皆無なので、いくら豪華でも画面に変化がないのでつまらなく感じてしまう。

元々、ADVとしての出来もテンポの悪さやテキストの間の悪さなどが目立ちイマイチ面白くない。マルチシナリオの採用や、オリジナル主人公といった頑張りは評価したいのだが、どうにも実を結んでない。

全体的にPCエンジンのゲーム開発自体に慣れてないような節が見受けられる。
アニメシーンやボイス対応など、発売元のNECHEに言われるままに作っていったという印象で、見た目はPCエンジンに良くある移植ADVだが、開発は意外と試行錯誤していたのではないだろうか。そこで結論。

ただ豪華にすればいいってもんではない。





[2014/07/06]
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