アークザラッド


対応機種プレイステーション
発売日1995/06/30
価格5800円
発売元ソニーコンピュータエンタテインメント

(c)1995 Sony Computer Entertainment / G-CRAFT
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SCEブランドが送る初の大作ロールプレイングゲーム、アークザラッドが発売された。
PSが発売されて半年、待望のジャンルだけに期待も大きいところだ。

本作は次世代RPGなのに、ポリゴンはほとんど用いられておらず、2Dでドットという
旧来通りのスタイルで作られている。
そもそも、ハードウェアに技術力が追い付いていない状況で、
未成熟のポリゴングラフィックをやられるよりかは、ユーザーにとっても
既存のものとの見比べがしやすいし、かなり良い判断を下していると言える。
元々、PSはこういう処理は得意ではないが、ハードを上手く使いこなして
凄く豪華なものに仕上がっている。
戦闘シーンはSFCでは無理だろうというほどド派手な演出で魅せまくり、
攻撃時には画面がズームする、クリアーな音質でキャラが喋りまくるといった具合。
アニメパターンもマップチップも豊富で、まさに次世代を感じる
頭一つ抜け出た水準でできあがっている。

それに合わせるようにT-SQUAREに依頼した音楽も派手派手ノリノリで
最初、トラック再生の音楽と勘違いしてしまったほど。
オープニングムービーではオーケストラ演奏したものを
そのまま再生させるというたまらん豪華さ。

だが、悲しいことに素晴らしいのはここまで。
二部作という構想を理由に、ゲームはひどく中途半端なところで幕を閉じ、
プレイ時間自体も単純にクリアまでで換算すると10時間前後というお粗末さ。
次作にデータを引き継げるというのだけが救い。

ゲームは量ではなく質だと散々言ってはいるのだが、しかしこれはあんまりである。
パッケージには「怒濤の勢いで進むイベント」と記載されているのだが、
あまりに早すぎてあっと言う間に終わってしまう感じ。

また、RPGとはいったものの、実際はS.RPGであり、
自由に動ける場所は少なく、あとは地図上で行き先を指定するだけで、
イベント、戦闘、全て勝手に展開してしまう。
プレイヤーがやることは、基本的に戦闘だけである。
大作RPGと意気込んでこれでは肩すかしを食らう。

S.RPGというのは、本作の戦闘システムがシミュレーション方式になっているからで、
構想としては「フィールド上がそのままバトルフィールドになる」と述べている。
しかし、本作ではフィールド全てがバトルフィールドであり、
バトル以外で用いるマップの方が少ない、というか実質無いと言っていい。
S.RPGといえば、「ファイアーエムブレム」や「シャイニングフォース」のようなものを
連想されるかもしれないが、これはもっとRPG的で、通常のバトルに移動の概念をくっつけたような程度で
深い戦略性などは無い。
攻撃する向きによって命中率が変わったりガードしたりという意外性のハッタリが巧みにきいているのは
付け焼き刃ながら「上手い!」と褒めたくなるところではあるが。

ボリュームの致命的な薄さなどを指摘したが、逆を言えばこの分量だからこそ
全体として高いクオリティをたたき出せたとも言える。
確かに、いわゆる「見た目だけ」なゲームなのだが、時期を考えると
このクオリティはそれだけでアドバンテージにはなるのではないだろうか?
先にも述べたが、この質を維持するために多少の量を犠牲にしなければならなかったのなら
しょうがなかったとも取れる。
幸い、データ量の少なさが手伝ってかローディングも早く軽快で、ゲームを寸断されることなく
テンポよく遊ぶことが出来た。
そう、このゲーム、テンポだけは異常にいいのだ。最初ちょっとレベル上げさせられるのを除けば。
ただ、各国間を移動する際の、飛空挺離発着の演出は余計物だったが。

実験的に挿入された感がありありと分かるムービーシーンも結構綺麗で、なかなか見応えがある。
細かいところまで丁寧に作ろうという意気込みが節々に感じる部分はあったので、
制作期間さえあればもっと満足出来るゲームになったように思う。
細かなことだが、戦闘時のメニューでキャラの周りに表示されるリングコマンドは、利便性で言えば今ひとつだが
目新しさで言えば良い効果を与えていた。
実のところ、致命的な問題点として挙げられるのはゲームのボリュームぐらいで
そんなに悪いゲームでは無い。
(ジャンルを誤魔化しているのも気にはなるが)

見た目だけのハッタリゲームだが、つまらなくは無い。





[2004/03/13-2005/02/22]
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