アークザラッド モンスターゲームwithカジノゲーム


対応機種プレイステーション
発売日1997/07/31
価格4800円
発売元ソニーコンピュータエンタテインメント

(c)1996 1997 Sony Computer Entertainment
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「アークザラッド2」のデータを共有して遊ぶ「モンスターゲーム」に、単体で遊べる「カジノゲーム」をセットにしたもの。
それぞれ1枚のディスクに収められており、本作は2枚組となっている。

まずは、「モンスターゲーム」について触れる。

「アークザラッド2」には、モンスターを仲間に出来るというシステムが搭載されており、そのシステムにフォーカスを当てたのが、このゲームの見どころとなる。
仲間にしたモンスターを闘技場で4匹1組(パーティ)となって、エントリーされている敵パーティを倒していく。

そのため、このゲームを遊ぶためには“必ず”「アークザラッド2」のセーブデータが必要になる。
それも、特定条件下でセーブされたものでは不具合が出るのかダメで、その条件下に当てはまらないセーブポイントでセーブしたデータが必要になる。

また、いくらセーブデータがあっても、一定数のモンスターを仲間にしたデータでなければ、当然ながら闘技場で戦うことが出来ない。

闘技場以外にも、便利な施設や機能があり、モンスターがいなくても、それらを使うことは可能。

闘技場では3種類のモードがあり、通常のエントリー形式のものと、対人戦を行うためのモード。それから、「どこまで勝てるか?」という何連勝できるかを競う3つ。

このうち、対人戦と「どこまで勝てるか?」は、自分で操作できるが、このゲームの本編と言えるだろう通常のエントリー形式のものは、予め幾つか用意された作戦から選んでAIに戦ってもらうルールになっている。
このAIが、「どうしてこんな動きをするのか!!」と言いたくなるほど、頭が悪く、敵側も同様のルーチンで動くので、間抜けな戦いを延々と観戦するハメになる。

モンスター同士の戦いだから、自分では動かせない、具体的な指示出しは出来ないという意図なのだろうが、それならばもう少し良い動きをして欲しい。
特に気になったのが、どの作戦でも、補助魔法を使うことをしてくれないので、せっかくいい補助魔法を持っていても、全く使わない。これはさすがに辛いものがあった。

それに加えて、出現する敵はこちらのパーティのレベルに合わせて、強さが変動する。なので、単純に育てて力押しで勝ち抜くといったことが出来ないのだ。

で。
このモンスター闘技場、及び、対人戦が面白いかというと、正直微妙。

言い換えると、アーク2本編の1人用のいわゆるオーソドックスなストーリー主導型RPGだから面白いのであって、バトル自体が対人向けに作られたとはとてもじゃないが言い難い。

先に述べたとおり、AIはとても動きが悪いし、対人戦を想定したシステムとは思えないので、駆け引きの楽しさも薄い。
魔力が高く、かつ、強力な範囲魔法を唱えられる、麻痺と石化させられる特技が使えるキャラが極端に強い。バトルフィールドによっては飛行系じゃないとお話にならない箇所もある。
ゲーム後半になると、人間キャラも使えるようになり、「モンスターゲーム」の意義が薄れるのも気になる。

ゲーム自体、勝ち進めるためには、アーク2本編とは違う強さを持ったモンスターが要求されるのも、敷居を高めている。
ゲーム進めてる片手間にプレイするのか、クリア後さらに色々試したい人が遊ぶものなのか、立ち位置がはっきりしない。
クリアまでプレイするような人だと、報酬でレアアイテムを手に入れてもアーク2本編じゃ使う機会が無いだろう。
かといって、アーク2本編での進行度が途中の人が、気軽にクリアできるバランスじゃない。うーむ、チト誰が遊ぶべきゲームなのか悩んでしまう。

クリアすると、アーク2本編でも使えるレアなアイテムとモンスターが賞品として得られる。

ただ、モンスターは最大所持数がたったの12体(そのうち1体はイベントモンスターで埋まっている)で持ちきれないし、アイテムも所持枠がきつくて持ちきれない。これは辛い。

他にも、他のデータとアイテム、モンスターを交換できる機能が備わっている。
これは、メモリーカードが2枚以上必要になるが、中々の便利機能で、メモリーカードと空き容量さえあれば、複数のデータにモンスターとアイテムを預けて保存させることが出来る。

しかしこれにも問題があって。
アイテムやモンスターを交換時にセーブしに行かないので、勘の良い人はすぐ気づくと思うが、交換できるアイテムやモンスターを無限に増殖できるのだ。

これは、わかっていて、あえて残したのだろう。

全体的に新機能は、本編であるアークザラッド2から強引に後付けしたような物が多い。
と言うか、元々は、アーク2本編に、このゲームでやっているモンスター闘技場のような遊びを入れるつもりだったのではないだろうか?
それが、とてもじゃないが間に合わないってことで、製作途中のものにプラスアルファを付けて独立させたんじゃないかと思う。
そう考えると、サブイベントとしてなら「まあ、こんなものだよね」と納得できる水準である。

続いて、「カジノゲーム」について触れる。

これは、「モンスターゲーム」だけじゃ商品にならないから、入れたのだろう。
こちらはアーク2のデータは不要で、単体で遊ぶことが出来る(当然だが)。

5つのカジノゲームが収録されており、コインを賭けて遊ぶタイプのものだが、どれも中々丁寧な作りで、良く出来ている。
(ただ、ルールが複雑なゲームが目立つ気がする。もうちょっとシンプルに作って欲しい)

「モンスターゲーム」では「アークザラッド2」のプログラムを使っていたが、それとは異なり、プログラムも殆ど1から起こしている(音楽は使いまわしてるけど)。

一応、エンディングがあるっぽいが、クリア条件がわからない。説明書にも記述がない。
単純にコインを稼げばいいのかと思っていたが、そうではなく、5つのサブゲームをやりこまなければならないようだが、何をすれば制覇したことになるのかがわからない。

コインはいくら稼いでも、何かに交換したり出来ないので、稼ぐことにあまり意味がない。カジノゲームでこれはまずいだろう。コイン自体に価値がなく、ただのスコアに成り下がってしまっているのだから。

結局自分は、高レートのスロットで荒稼ぎした段階で、飽きて辞めてしまった。クリア条件もはっきりしないし、なんだかもやもやしたまま終わってしまい、なんとも煮えきらなかった。

十分高い水準のゲームではあるが、もう一つ作り込みが欲しかった。これでは、オマケでくっついてきたミニゲームの範疇を出ない。
このゲームは、さすがに後から企画されたものだと思うが(構想ぐらいはあったかもしれないが)、もしアーク2本編にカジノゲームが入っていたら、物凄い豪華なミニゲームと言った感じになっただろう。そこで結論。

「アーク2」好き向けの商品だと思うが、イマイチ誰向けのゲームか?誰に売りたいのか?がわからなかった。





[2018/01/02]
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