アウェイ シャッフルダンジョン


対応機種ニンテンドーDS
発売日2008/10/16
価格4980円
発売元AQインタラクティブ

(c)2008 AQ INTERACTIVE / MISTWALKER / ARTOON
戻る
Amazonリンク:アウェイ シャッフルダンジョン

キャラクターデザインにソニックザヘッジホッグを生んだ大島直人、シナリオライターに坂口博信、コンポーザーに植松伸夫を迎え送る、巨匠達による、渾身の大作ゲーム。
ジャンルは、アクションRPG。DSの2画面ならではのゲームデザインに期待が高まる。

タイトルの「シャッフルダンジョン」というのは、いわゆるローグのような、ダンジョンが自動生成されるタイプのものを想像するかもしれないが、そうではない。
2画面にわたって、つながったダンジョンが表示され、一定時間でどちらかの画面のダンジョンが入れ替わってしまうというのが、このゲームのシステムの核となる要素だ。
こういったシステムを破綻無く成立させるために、ダンジョンの地形自体は、固定されている。
シャッフルに巻き込まれてしまうと、ダメージを受けるなどペナルティを食らうため、うまくどちらかの画面に逃げなければならない。

ゲームの目的は、消えてしまった村人を救うため、ダンジョンに入り、奥地にさらわれた村人を救出していくというものである。
村人が戻ってくると、村がどんどん本来の活気を取り戻していくというものだが、この一連の流れがエニックス「ソウルブレイダー」に酷似している。
このゲーム自体かなり昔のものなので、意図してまねをしたというより、たまたま似てしまったと言う方ががしっくりくるのだが、それにしたって似すぎである。

ゲーム自体の流れは、見た目が違うだけで、似たり寄ったりのダンジョンをひたすら攻略していくだけで、非常に淡々としており、作業的で面白味が感じられない。
奥地まで行ったら、来た道を戻らなくてはならなかったり、ぶっちゃけ、だるい。
肝心のアクション周りも、出来がよろしくなく、まったく面白さが感じられない。特に操作性や敵を倒す際の爽快感のなさが致命的な印象を受ける。メニュー周りのレスポンスも悪い。タッチペンに対応してるせいかと思いきや、そういうわけでもない。
もっとこの辺りの出来が良ければ、完成度は高まったような気がする。

ただ、ダンジョンの階層数やセーブポイントのタイミングが小気味よく取られている辺りは評価したい。

キャラクタデザインが、任天堂「どうぶつの森」のようなシュールなデザインである。あの、ソニックを生み出した人と同じ人間のものとは思えないだささである。
見た目で相当失敗しているイメージがある。DSのポリゴン数を意識した配慮は見られるのだが、それにしたってチープすぎる。

世界設定などは、ファイナルファンタジーの坂口博信が決めたのだろうが、相変わらずネーミングセンスがださい。見た目のイマイチさと相まって、魅力のなさが際だっている。
間違ってもジャケ買い出来るような雰囲気ではない。
ストーリーは良く言えば、意外性のある展開、悪く言えば唐突過ぎて、説得力に欠ける内容と言える。最近の坂口博信のシナリオはいつもそんな感じだが。

町の中やボス戦といったマップはポリゴンで描かれているのだが、視点を無理に奥行きを出そうとしているのか、低めの視点で、奥まで見えるようなカメラ位置なのだが、横方向の視認性が悪く、素直に見下ろし型でも良かった気がするのだが。
一方、ダンジョンマップはドットで見下ろし型で、キャラクタのみポリゴンである。

ゲームバランスは、ボス戦辺りは、なかなか良い塩梅ではあるが、ダンジョン周りが、特に後半がひどく、万人受けするような代物ではない。
悪質なダメージトラップが、いやらしく配置され、敵キャラも、壁をすり抜けて攻撃してきたり、ワープをするなど、理不尽さが目立つ。
画面の小ささからくる、窮屈さもさらに不快感を増大させてると思う。

アクションRPGであるが、プレイヤーのヒットポイントは、ゼルダの伝説のハートの器に近い仕様で、数値ではなく、クリスタル(ハート)の数がHPとなっている。
これもまた、ゲーム後半になると、敵から食らう一撃のダメージが大きく、難易度をいたずらに上げる要因となってしまっている。
逆に、こちらが敵に攻撃する際は、数値でダメージ値を与える格好になっている。

きついことを沢山書いたが、シャッフルダンジョンという着眼点だけは凄く良いと思う。
下の階に降りる階段にたどりつけなかったりするのは、もどかしいし批判が出そうな面ではあるが、エレベータに乗り損ねたような感覚で面白いものと思う。寧ろ、そのジレンマを楽しむ物だろう。
しかし、DS初期にこういったゲームが出てこなかったと言うことは、この題材をゲームとして面白く昇華するのが大変だったからとも言えないだろうか?そこで結論。

とりあえず、出すことには意義はあった。





[2008/10/20]
戻る

inserted by FC2 system