PCエンジンの後継機種として人知れずPS/SSと同時期に発売された32bitゲームマシンPC-FX。 その中でも49800円と一番高額で、その割に低スペックという謎なゲーム機だった。 タワー型PCのような奇を衒ったデザインが印象的で、 家の親父は、PSでもSSでもなく、このPC-FXを発売日に買った。 一緒に専用ソフト2本も買ったため、7万は吹っ飛んでいった。 PSやSSより勝っている点としてあげられるのが、アニメ再生機能。 PCエンジンはアニメ的なゲームが多かったため、その面の能力に特化したのだろう。 (とはいえ同時期に出たPSのクライムクラッカーズで殆ど画質に差が無いムービーが入っておりこれには落胆した) そしてそのアニメ描画能力を際限なく使ったのがこの本体同時発売の一本、バトルヒートである。 これは、要するにテレビアニメのバトルシーンでゲームしちゃいましょうという内容。 パンチボタンを押すと、即座にパンチを出すアニメが流れる。 それを受けてガードボタンを押せばガードされるアニメが流れるし、 反応できなければ殴られたアニメーションが流れる。 これら個々のシーンは違和感なく繋がっていく。 ロード時間など変な硬直時間は一切無い。 また、アニメの画質、作画などのクオリティも高水準を維持している。 ムービーをウリにしたインタラクティブ性に於いて1994年当時では見られなかった希な成功例だと思う。 但し、ゲームとしてはイマイチではある。 攻撃する際にサインマークが出るのだが、これの表示時間が長いので、 慣れてしまうと簡単にガードできてしまうし、先に攻撃ボタンを押したのにモーション中に敵に割り込まれることも多い。 ガードした場合、ダメージは一切受けないので、非常に長期戦になりがちである。 また、当然ながらバトルアニメで戦うので、位置取りといった駆け引きは無い。 ただ、発売日に買った身としては、そこしれぬ次世代機への未来を感じたものだ。 立ち上げた際に流れるアニメムービーの質の高さは現行機に迫る物がある。 一緒に流れる歌も良く(どうやら市販されてないらしい)、MDに録音して聴きまくったほど。