バットマン アーカムアサイラム


対応機種プレイステーション3/Xbox360
発売日2010/01/14
価格7980円
発売元スクウェアエニックス

(c)2010 SQUARE ENIX / Eidos / rocksteady / Warner Bros. / DC
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1990年前半には日本でもブームになった、闇に紛れて悪を討つ「バットマン」を題材にゲーム化したものである。
ジャンルは3Dアクションアドベンチャーで、最新鋭のマシンを駆使した臨場感溢れるグラフィックと独特のワイヤーアクションが気持ちいい。

ゲームとしては、サード・パーソンのアクションアドベンチャーで、オートでジャンプしてくれたり、操作方法がその都度親切に表示されるなど、インターフェイスデザインなど含めて、任天堂「ゼルダの伝説」にかなり影響を受けている。
フィールドマップが非常に鮮明で綺麗に描かれていて、記号的な側面からのゲームを考えた場合、プレイアビリティが悪いことを考慮してか、捜査モードという、オブジェクトを目立たせて表示させる機能が付いている。この辺も、同じく任天堂「メトロイドプライム」のバイザー機能に似ている。
ゲーム進行に応じて、新しいアイテムが手に入り、さらに行ける場所が広がっていく部分なんかも、この辺のアクションアドベンチャーの要素を継承しているといえる。

カメラがプレイヤーの背後に付き、ダッシュボタンでダッシュをする辺りカプコン「バイオハザード4」に似たプレイ感覚である。ただし銃撃戦は無く、近接の格闘戦がメインだが、敵に気づかれないように背後から忍び寄り暗殺するステルスアクションもある。

ワイヤーを天井に発射させて高いところに瞬時に飛び乗ったり、高い足場からワイヤーを対岸にある建造物に発射し移動するなどのアクションが楽しい。映画のバットマンを操作しているかのような感覚に浸れる。
ステルスアクションも、一歩間違えればテンポを著しく阻害し、ゲーム難易度を上げかねない危険な要素にもかかわらず、適度にゆるくバランスが調整されているので気にならない。
全体的にゲームバランスは低めで、爽快感を重視しているのもいい。主人公がヒーローという設定なのだから、変に小難しくしてイメージを損なわれるのも嫌である。

しかし裏を返せば、それは大味な作りを意味しており、適当にボタンを連打していても勝ててしまううえ、そこをカバーするためのギミック等のバリエーションに乏しく、マンネリで退屈な印象を与えてしまう。
特にボス戦に関しては、そのほとんどが倒し方に捻りが無く一貫したもので、ザコキャラクターの数やトラップでバランス調整をしているだけである。これは物足りない。

どちらかといえば、アクション要素よりも、アドベンチャー要素の方が強い。目的地にはどうやっていけばいいのか、順路を探し当てるような、“探す”作業が非常に多い。
そんなこともあって、気持ちよく進んでいるのにいきなり理不尽に詰まってしまうことが目立つ。もうちょっとこの辺の誘導が上手だと良い印象を持てたのだが。

要所要所に配置されたインタビューテープやトロフィーなど集め物をコレクションしていく要素もかなり多い。集めていくとバットマンに関する資料を見ることが出来るのも、版権ゲームをとてもうまく理解して制作していると言える。

ローカライズは割と良く出来ている(この辺はスクウェアエニックス販売だから心配したが、本作に限ってはエイドスが全部仕切っているようだ)。インターフェイスデザインが若干こなれてない部分が見えたが、良くできている。

ストーリーモードだけでなく、課せられた目的を達成していくチャレンジモードも搭載されており、ゲームとしても長持ち出来るような工夫もされており、好感が持てた。
グラフィックはプレイステーション3/Xbox360の中では特別綺麗な方ではないが十分一定水準をクリアしていると言える。ただし人物の無表情さがやや気になった。

シナリオライターに割と有名な人を起用しているが、元々海外のメーカーはストーリーの見せ方が上手でない。というか国内メーカーが力入れすぎてた部分とも言えるが。そんなこともあって、あまり売りにはなっていない。

ゲームとしての作り込みは非常に薄く物足りなさが先行し、洋ゲーらしい見た目ばかり派手で大雑把な作りが目に付くが、版権ゲームとして考えれば優秀な部類に入るゲームなのだろう。
ていうかそれ以前に、海外では人気は健在かもしれないが、日本では「今更バットマン?」という感じなので、売れ線ははずれたゲームだろう(一応映画なども上映してはいるのだが)。そこで結論。

良くできた版権ゲーム。ゲームとしてはそれなり。





[2010/01/23]
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