ブラーレーサーズ


対応機種プレイステーション3/Xbox360
発売日2010/07/22
価格7980円
発売元スクウェアエニックス

(c)2010 SQUARE ENIX / ACTIVISION / BIZARRE CREATIONS
戻る

プロジェクトゴッサムレーシングシリーズを制作してきた英国ゲームメーカーが開発した、同シリーズの流れを汲む新作タイトル。
プロジェクトゴッサムと比べると、よりゲーム性を押し出していて、レースゲー好き以外にも手をとってもらおうという意図が汲み取れる。

一言で言えば、外人がマリオカートを作ったらこんな感じになるだろうというゲーム。
敵車を妨害するアイテムがコース上に置いてあって、弾をぶつけたり、地雷を設置したり、はたまたニトロで一気にスピードアップなど、登場するアイテムは、まるっきりマリオカートと置き換えることが出来る。
また、車はすべて実在するものを収録し、コースも現実に存在するものを舞台としている。

シングルプレイは、9人のライバルと戦うため、設定された条件とレースをクリアしていき、徐々に新しい車や挑戦できるレースを出現(アンロック)させていく。
ライバルから要求された4つの条件を特定のレースでこなして、全てクリアーすると、そのライバルと1対1でバトルすることが出来る。車を破壊するか1位でゴールして勝つことで、ライバルの乗っていた車と特殊スキルが手に入る。

シングルプレイに限っては、どちらかというとあの何でもありなN64「ディディーコングレーシング」に近い。順位を競い合う以外の目的が設定されていたり、ライバルとの最後の勝負は、まるでボスキャラとの戦いを彷彿とさせる緊張感にまみれている。

レースの種類は3種あって、単純に上位3位以内に入るオーソドックスなものと、1人でコースを走り制限時間内にゴールを目指すもの、アイテムを使ってひたすら敵車を破壊してハイスコアを目指すものがある。
他にもサブミッションとして、敵を攻撃する、ドリフトを決めるといった特定行動で増えていくスコア(ゲーム上ではファンの数と言われている)を設定された点数以上の獲得を目指すファン・ターゲットと、
コース上に設置されたシンボルに触れることで始まる、ファン・ランだ。ファン・ランは、表示されたゲートを時間内にくぐり抜けていき、全てのゲートをくぐり抜けるとクリアとなる。

このようにやれることが沢山用意されているにも関わらず、シングルプレイの敵車が速く、難易度が高い。
ふつう、一人用のモードだと、CPUの車は、実際の性能より遅く設定されていたり、わざと遅く走るように作られていたりするものだ(ゲームにもよるが、上位の数車を除いて手加減をしていることが多い)。
しかしこのゲームは、そういったバランス調整がなされていないのか、上位を走るだけでもかなり難しい。難易度を普通から下げることで、一応解決する問題ではあるのだが、このゲームはそもそも順位を競い合う以外の要素がてんこ盛りである。
それらをこなしていく余裕ぐらいは欲しい。色んな遊びが提示されているにも関わらず、それを楽しむための暇が無い。しかしゲームを進めるにはそういったサブミッションもこなさなければ先へは進めない。困ったものだ。

ガチンコ勝負のレースゲームなら、まだ公平感はあるのだが、本作は、アイテムで妨害されたりする運の要素が強く、パターンやコツが掴みづらい。何度も挑戦して、運良く勝てても自分の実力で勝ったという実感が薄い。
車の種類がたくさんあるのに、一人で制限なく走りの練習をできるプラクティス(練習)モードのようなものも無い。タイムアタックモードも無い。ぶっつけ本番で何度も負け試合をプレイさせられるのは苦行に近い。
一応スコアが蓄積されて、貯めることで新しい車が手に入ることで、何らかの見返りがあるように作っているが、そんな小手先の餌でごまかさず、ゲーム自体を面白く作って欲しいものだ。

アイテムは、マリオカートのようにランダムにアイテム入手するのではなく、予めどこにどのアイテムが配置されているかが決まっている。
そのため、配置を覚えればより有利にゲームが進められる。
基本的に、この手のマリオカート系のゲームと違って、このゲームは、アイテムを初心者救済要素としてではなく、より自分が優位に立てるように作られていると感じた。
つまり、一見ライト向けの間口の広いレースゲームに見せかけて、実際はかなりのエグさを見せるやり込みゲーである。アイテムの配置とその上手な使い方をマスターしなければ、相手に勝つのは難しい。

不満点は結構多く、例えばマリオカートでもそうなのだが、敵車がアイテムを取ってしまってアイテムゾーンでアイテムを取り逃がしてしまう点。このゲームは、アイテムを駆使することでスコアを稼ぐという要素もあるので、より一層この仕様が鼻につく。
使えるアイテムと使えないアイテムの差が激しい。マイン(地雷)は本来後ろに置くものだが、前にも投げることが出来るのだが、かなり遠くまで勢い良く飛んでいくので、前方の敵車に確実にスピンさせられるアイテムとして非常に重宝する。
逆に、一発逆転要素として設定したっぽい雷は、ただ触れると減速する雷のシンボルが配置されるだけで、回避することも難しくないし、発動した自分自身も食らってしまう始末。周りの敵を風圧で押しやるブラストなんて、敵車すらほとんど使わず、その場で捨てる(手に入れてすぐ邪魔になるからと使ってしまう)。

一目見て、この絵柄は何の効果をしめしているのかというのもわかりにくく(覚えにくく)、いかにマリオカートが優秀なゲームソフトなのかが実感できる。
また、翻訳が間違っているってことではないと思うが、アイテムのことをアイテムではなく敢えてパワーアップと称しているのも気になる。固有名詞も多く覚えづらい。ファン・ターゲット、ファン・ランといった似たような呼称が多い。

ロード時間が長い。同じコースでリトライするのにも長いロード時間が入る。何とかして欲しい。

ライバルと戦う条件が、とてもじゃないが一回でクリアできるものではなく、何度もプレイして条件を満たす蓄積型の物が多いのも好きになれなかった。100車の車を破壊せよなど。
敵車が速くて難しいという指摘もしたが、それ以外のメインやサブ要素のクリア条件も全体的に厳しめで難しい。

実在する道路を舞台に選んだせいか、無意味に広くコースが分岐していたり、覚えづらいコースが多い。走行を妨害するストッパーが多いのも気になる。

車の挙動は、スピード感がなくもっさりとしていて、爽快感が足りない。音楽もおとなしめで退屈である。車種も無駄に多い。シミュレーターゲームじゃないならリッジレーサーのように車の台数=性能差にはっきり結びつくぐらい割りきって欲しい。

ゲームを進めるには作業的なやり込み要素をこなさなければならないが、プレイが安定しないので、退屈になってしまう。じゃあ、テレビを見ながら、映画(DVD)でも見ながらのながら作業になる。実につまらない。

全般的に難易度が高いせいもあるが、複合的な要素が重なって、4人目のライバルを出したあたりで挫折。出来ればシングルプレイのひとところのエンディングといえるライバルキャラ9人に勝つあたりまでは最低限プレイしたかったのだが、とてもじゃないがこれ以上このゲームを続ける気になれなかった。

グラフィックも大した綺麗でない。時期を考えると、このレベルなら60フレームで動いていないと駄目なレベルである。

オンラインではマルチプレイで最大20人同時に対戦が出来る。ツイッターやフェイスブックと連動しており、ゲームをやりながら更新ができる。しかし、日本語には非対応。それじゃ意味ないでしょーが!!これはなかなか面白い仕掛けだと思うので、他のゲームでも採用してみると面白いかもしれない。
メニュー周りのインターフェイスや、チュートリアルムービーにはセンスを感じられたが、肝心のゲーム部分が、敷居の高い内容になっているのが非常に残念でならない。そこで結論。

色々と惜しい!ゲーム。プロジェクトゴッサムの名前は捨てない方が良かった気が?





[2010/08/21]
戻る

inserted by FC2 system