ボンバーマンGB3


対応機種ゲームボーイ(13色対応)
発売日1996/12/20
価格3980円
発売元ハドソン

(c)1996 HUDSON SOFT
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前2作は、いかにゲームボーイで、従来のボンバーマンを再現しようか苦心している節があったのだが、3作目となる本作では、そこを逆手にとって、
ゲームボーイという性能の制限の中で、何とか工夫して面白いものを作ろう!!という開き直った方向性で作っている感じになり、一皮むけた内容になっている。

まず操作性が格段に良くなった。なんか、前作までは据え置き機のボンバーマンの挙動のまま動かしている感じで変な違和感があったが、今作は動かしているだけでも気持ちいい。ストレスを感じない。
相変わらずこのGB版シリーズではおなじみのモトクロスに乗って、ブロックを飛び越えたりするが、このアクションの操作性も調整されていて、最初はやっぱり慣れるまでは辛いが、だいぶ動かしやすくなった。

無理矢理感のあったバトルモードをバッサリ削除している。すっかりボンバーマンといえば対戦と言えるぐらいシリーズの顔になってしまったので、寂しいっちゃ寂しいが、ゲームボーイというハードでは強引さがあったのだから、無理を通してまで入れる必要はない。
代わりのモードとして、制限時間内にどれだけ得点を稼げるかというスコアアタックモードが用意された。

今回は一人用に特化しているので、ストーリーモードのステージはより一層凝った作りとなり、とても中身の濃いものとなった。
段差があったり、岩が転がっていたり、ステージクリアの条件も、敵の全滅だけでなく、ジェネレーターの破壊、穴をブロックを動かして塞ぐ、宝箱に隠されたキーアイテムを探して全部集めるなど。
ステージの仕掛けや、クリア条件の中には、これまでのボンバーマンではやられてこなかった、多分ボンバーマンらしくないとかそれはやってはいけないというような、タブーとされてきた領域にまで足を踏み込み、つまりは、かなり冒険している作品と言える。
例えば、画面が強制スクロールするステージや、前述のように宝箱を開けたり、ステージ上に散らばった星を集めてボス戦を楽にするアイテムを出現させるなど、ルールは複雑化したが、こういった挑戦的な作り方は評価できる。

トリッキーな仕掛けが増えたので、全体的に難易度が上がっている。同年発売された「サターンボンバーマン」もそうなのだが、最近このシリーズは難易度が上昇傾向にある気がする。
しかし、本作に限ってはボス戦に関しては、従前よりもわりかし倒しやすく作っているので、全体的なバランスは保たれていると思う。

もはやGB版シリーズ恒例となった、スペシャルアイテムは今回も健在で、ボスを倒したときに手に入るカプセルをアイテムを売っている店で消費して、自分で好きなアイテムを選ぶというシステムになった。
なかでもモトクロスは最大4台まで所有することが出来て、これらのスペシャルアイテムの強力さが、ステージの難しさをうまく緩和していると言える。

ステージ構成は面白いのだが、やはりゲームボーイの画面の小ささのせいもあって、全体的に窮屈な地形になっている。
狭い通路に進路を妨害するブロックが沢山敷き詰められており、それを破壊して道を作らないと先に進めないことが多い。このことが、テンポを崩していると感じた。

ステージ数は前作までとほぼかわらないが、敵の種類が少なく、音楽も使い回しが多い。これらに関しては残念と言える。
また、前作では極力カラフルな色合いを出してスーパーゲームボーイの機能を引き出していたが、今作は余裕がなかったのか、パレットの切り替えを多用していて、他のゲームと大差ないものになってしまった。
あと、細かなことではあるが、爆風の音が安っぽくなってしまったのが残念。

買い物システムを導入したことから、パスワードが数字4桁から英字を使ったものに変更になり、パスワードが長くなってしまったのが欠点に感じた。

やってみて強く感じたのは、開発規模が縮小されてしまった印象を受けた。2本出してみて、思ったほど売れなかったのだろう。ましてや3作目は、非常に時期が悪い。
ポケットモンスターが売れ出してブームになりだした頃だが、まだまだゲームボーイ自体は注目度が落ちる一方で、この発売時期といったら、据え置きゲーム機の絶頂期とも言える時期だ。
せめて、前2作のように、夏に出していれば、まだなんとか注目されたかもしれないが、これはタイミングが悪すぎたと言わざるをえない。

余談だが、今作や同年出たスーパーボンバーマン4辺りから、露骨に低年齢層に媚びた作りになっていった感じがする。特に今作は、ガキ向けであることを強調するような要素が多く見られた。
個人的にはあまり媚びないでほしいと思う。ただ、ゲームボーイで出す以上はある程度仕方のないことなのだろう。そこで結論。

色々と惜しい!ゲーム。





[2010/11/03]
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