ボンバーマンぱにっくボンバー


ボンバーマンを題材にした落ち物パズルアクション。
元々はアーケードで稼働していた物をPCエンジンへ移植した。

このゲームは、PCエンジン、SFC、バーチャルボーイの順に移植された。
バーチャルボーイ版は未見なのでここでは省くとして
PC-E版とSFC版の違いなんかにも触れていきたいと思う。

PC-E版は1994.12のゲームということもあって、アクセス効率やプログラム周りも極めて優秀で
同時期に出ていたPSの「ツインビー対戦ぱずるだま」と比べても
見た目にはさほど大差無いと思う。
ロード時間を犠牲にした代わりに、全てトラック再生のBGMで
ゲーム中では、声優のTARAKOのボイスが演出として入り、なかなかコミカルである。
ぷよぷよで言う、なぞぷよのようなモードもあり、質も量もなかなかの物である。
勿論対戦モードも付いている。

代わって1995.3に発売されたSFC版は、アーケード準拠だったPC-Eとは違って
だいぶオリジナリティの高いゲームになっている。
パズルモードは無いが、ROMなので処理が早いし、
SA-1チップを使っていることで、処理落ちが一切無い。
そして、ゲーム時の演出がPC-Eなんか目じゃないほど派手で豪華な印象を受ける。
SA-1の恩恵はそれだけに留まらず、対戦モードでは最大4人までプレイ出来るはっちゃけぶり。
勿論、4人対戦でも処理落ちは一切無い。もう、羨ましすぎるぞ!SFC版!

さて、肝心のゲーム内容だが、もう稼働から10年以上経っていることもあって
存在自体知らなかったという人も多いのではないだろうか。
残念ながらゲームそのものはさほど褒められた物では無い。
つまらないほど出来が悪いわけではないが、ぷよぷよやぱずるだまに比べると
流行らなかったのは、やはりゲーム自体がその程度の物だったのである。

連鎖を決めて相手に邪魔なブロックを送り付けるといった基本的な要素は一緒だが
ルールがかなり独特で、しかも込み入っているために直感的に理解しづらい。
ブロックを消すたびに自分のフィールドに爆弾が増えていく。
一定周期でこれらを爆発させる赤い爆弾が出てくるので、上手く起爆させると、
相手に「こげ爆弾」を送ることが出来る。
また、一定数ブロックを消すとこの爆弾の火力が上がっていく。
一定のブロックを消化すると(消すのとは違って一定周期で出てくる)、でか爆弾が出てきて、
これは自フィールドのブロックの殆ど全てを消し去って、その分を相手に「こげ爆弾」として
送り付けることが出来る一発逆転的な要素である。

説明するだけでも大変だし、恐らくこれを読んだだけでは理解出来ないだろう。
そもそも、落ち物パズルでゲーム内容を把握しづらいのは致命的である。
自分自身も結構遊んでいるが、それでも全てを理解しきっていないぐらいだ。

ただ、このゲームの欠点として間違いなく挙げられるのは以下の点である。
まず、連鎖の利点が薄い上にカタルシスに浸れない。
連鎖を起こしても、沸いてくる爆弾の数が増えるだけで、それ自体苦労して連鎖しても
あまりメリットがないのである。
また、敵の攻撃以外にも、ブロックを消すだけで爆弾が下から沸いてくるので
連鎖の定石を作ってもそれを簡単に崩されてしまうため、なかなか思った通りに連鎖出来ない。
そして、縦横斜めに同色のボンバーマン3つを揃えれば消えるコラムスタイプなのだが
これがなかなか融通の利かないタイプで、連鎖を決めにくいことが敷居を上げている。

また、一定周期で必ず一発逆転の出来るでか爆弾が出てくるので、
あとは如何に手早くブロックをまわせるか(処理できるか)に勝ち負けがかかってくるので、
勝負としてはイマイチ公平さに欠けているのである。
このゲームの上手い下手というのは、ブロックを手早く処理するのと、
タイミングを見計らって畳み掛ける攻撃の2つだが、
複雑なゲームシステムのなかでこの2つを満たすのは容易では無い。
じっくりやっていると、CPU戦でも本当に1ステージ目でこてんぱんにやられたりする。
腕に差が無いと対戦は延々と続くし、逆に差があると、一方的な戦況になりやすい。
これでは流行らないのも無理は無い。

対戦ゲームを作るのが得意なハドソン制作ということもあって
パーティゲームとしてならば悪くない出来(ルール付けも下手では無い)だが、
真剣勝負の2人対戦が主流の落ち物パズルとして見た場合、ちょっと理不尽なゲームである。




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