高橋名人の冒険島


対応機種ファミリーコンピュータ
発売日1986/09/12
価格4900円
発売元ハドソン

(c)1986 HUDSON SOFT
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ゲーム名人として有名になり、当時一秒間に16連射という離れ業によって、一世を風靡した、ヒーロー「高橋名人」が主人公となった、横スクロールアクションが登場。
内容的にはなんの変哲もないアクションゲームだったが、当時の名人ブームによって、爆発的ヒットを記録した。

このゲームは、元々アーケードゲームだったセガ(ウエストン制作)「ワンダーボーイ」の移植版として制作されていたそうである。
ところが、土壇場で当時、時の人となりつつあった高橋名人を急遽主人公として抜擢することで、売り上げアップを狙ったことが、結果的に大成功を収めたのである。

しかし体裁上、オリジナル作品として発売してしまったのが良くなかった。「ワンダーボーイ」はマイナーな作品ではあるが、ゲーム構成がそっくりであることが、一部のユーザーから指摘され批判の対象になった。
勿論、そういった人たちは少数派であって、影響力に関してはあってないようなものではあるが、ゲーム会社のモラルが問われる制作経緯だったと言えよう。

ゲームシステムは、任天堂「スーパーマリオブラザーズ」の影響を受けた、オーソドックスなジャンプアクションだが、細部にわたって、独特なシステムを採用している。
制限時間の変わりにバイタリティという要素を導入し、ステージ上に出現するフルーツをとっていかなければ、バイタリティはどんどん減少していき、空っぽになるとミスになるという設定である。
普通にプレイしていれば0になることはないが、その代わり一定の進行速度を要求される。
あまりにじっくり進めようとすると、バイタリティが足りなくなりワンミスにつながってしまう。
要所要所の難所でも、とっさの判断力やきびきびとした動作で、切り抜けなければならない。

その代わり、全般的にテンポの良いステージ構成で、疾走感や爽快感が心地よい。とぎれることなく先へ進み、ゲームの展開が早い。そのため、飽きにくい。

しかしこのゲームは、難易度の非常に高いゲームとしても有名となった。理由はいくつかある。
まず、プレイヤーの操作性が良くなく、慣性がかかった感じの操縦性について良く書かれるが、これについては「スーパーマリオブラザーズ」でも、そういう操作性だったので、慣れの問題だと思う。実際はそれ以外の要素の方が大きいと思われる。

プレイヤーが他のゲームと比べても、不利な状況でゲームをプレイさせられる点が大きい。
基本的に、一回でも敵に触れてしまうとミスになってしまう。スケボーを取ることで、一回触れても大丈夫にはなるが、その代わり立ち止まることが出来ず、強制的に前へ進めさせられるうえに、標準速度が通常時よりグッと上がってしまう為、より素早い反射神経を求められるようになる。
結果的に、お助けアイテムにはなっていないのである。

武器であるオノの射程が短く、しかも画面上に同時に2発しか出せず、当たり判定も小さい事や、最初からこの武器を使えるわけではなく、ステージ上においてあるタマゴから、オノのアイテムを入手しなければいけない点。
序盤こそ復活ポイントのすぐそばにオノがおいてあるが、ゲーム後半になるにつれ、ミス後は、丸腰で進めさせられるシーンが増え、熾烈になる敵の配置をかわすしか先へ進むすべがなくなってしまい、復活の敷居が高くなってしまっている点である。

基本的には、敵の配置とステージ構成を覚え、対処法を定石通りに実践すれば攻略出来る覚えゲーではあるのだが、終盤のステージが、桁外れの難しさを誇り、並の腕では攻略出来ないゲームバランスになってしまっていること。
(無限コンテニュー出来る裏技が存在するが、それを持ってしても難攻不落なゲームである)

これらの複合的な要素がからみあって、難易度が高く攻略不可能なゲームという烙印を押されてしまっているのだろう。

冷静に見れば、エリア8の一部のバランス調整のおかしさをのぞけば、ジャンプアクションとしては、シビアではあるものの、非常に完成度は高い部類に入る。
それゆえに、その常軌を逸する部分をもう少しマイルドにしてくれれば、何度でも楽しめるゲームとして生まれ変わっただろうに残念に思う。

制限時間のシステムを逆手に取ったバイタリティのシステムは非常に目の付け所が良いし、ギミックや個性的で面白い敵キャラクターの配置も良くできている。
音楽の良さも特筆出来る。何度聞いていても飽きない。

一見すると、ブームに便乗した粗悪商品に見られがちだが、ゲーム自体はしっかり出来ている。そこで結論。

ゲーマー向けの良作アクション。めげずにやり込んでみて欲しい。





[2009/04/23]
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