対応機種 | スーパーファミコン |
発売日 | 1992/01/11 |
価格 | 8500円 |
発売元 | ハドソン |
「高橋名人の冒険島」シリーズのスーパーファミコン版。
同時にハドソンのプラットフォーム参入第一弾となる。老舗メーカーの中ではリリースが遅い方だ。
スーパーファミコンになっても、フルーツを取ってバイタリティを維持しつつステージクリアを目指す基本的なジャンプアクションのシステムはそのままだ。
下手にいじりまわしても別物だと言う話になるので、この方向性は妥当といえる。
ファミコン版「高橋名人の冒険島2」では関わってなかったが、このゲームではウエストンがスーパーバイザーとして参加している。
ウエストンというのは、「高橋名人の冒険島」の元となった「ワンダーボーイ」を開発した会社である。
グラフィックはグラデーションバリバリで綺麗になり、多重スクロールの使い方も心得ていて臨場感がある。
そしてなにより音楽が良い。音楽がというよりも、音質が非常に良い。ホントにハドソンスーパーファミコン一作目か!?と疑いたくなる技術力だ。
緻密な表現が可能になったことで、主役の高橋名人も細かい部分まで描かれることになったが、元々魅力的でない(一時的なブームにはなったものの)ただのおっさんの駄目さ加減がさらに引き立つ結果となってしまっている。
一応、イメージデザイナーとして松下進を使ってはいるのだが、フォロー仕切れていない印象がある。
でかいオブジェクトが扱えるからと、敵キャラクターなどファミコン版より遙かに大きくしているが、逆に視界が狭くなりアクションゲームとしては、凝ったギミックを作れなくして自らの首を絞めている。ちょっと行きすぎだ。
水中面や上に登っていくステージなど、バリエーションを付けようと言う努力はわかるのだが、基本的に横スクロールアクション向けに作られたシステムなので、イマイチつまらない。全編横スクロール式でも構わないぐらいだ。
オノの他に新しい武器でブーメランが登場。この武器はかなり使い勝手が良く、主力武器となる。
おそらくは、最初はオノだけで作っていたのだが、あまりに厳しいので、追加したのだろうと思う。相変わらずオノは射程が悪く扱いづらい。
もしオノだけだったら、ストレスの溜まるゲームになっていただろう。
デモ画面でスーパーファミコン特有の機能、拡大縮小をやたら使っているが、とってつけたような感じでいらなかった。対して、ゲーム内では一切使われていない。
全体的に難易度は低めで、バランスも悪くないが、最後のボスだけ妙に理不尽だ。これさえしっかりしてれば悪くないゲームなのだが。
ステージ数、ボリュームともに少ないが、繰り返し遊ぶに耐える水準は保てていると思う。
任天堂やコナミ、カプコンといった老舗ゲームメーカーが同ハードで出しているアクションゲームと比べると今ひとつ何か足りない完成度なのが惜しいばかり。そこで結論。
良くもない悪くもない特徴のないアクションゲーム。