対応機種 | プレイステーション |
発売日 | 1997/03/14 |
価格 | 5800円 |
発売元 | スクウェア |
ありそうでなかった「体力ゲージの無いリアルな決闘」をテーマにした異色の3D格闘ゲーム。
当時スクウェアが力を入れていたデジキューブ流通のコンビニ専売タイトルにもなり、大きな話題を呼んだ作品である。
開発はライトウェイトが行い、音関係(BGM・SE)はアリカが担当している。果たしてゲームの出来映えは!?
なんだかノリで作ってしまったような一発ネタの雰囲気がする軽い作品に見えるかも知れないが、実際のところはかなり力を入れて作られていて、細部まで作りは実に丁寧である。
グラフィックは鮮やかでテクスチャーやモデリングも高いレベルでまとまっているし、モーションの出来も良い。キャラクタの影まで描写されているし、SEは別会社が手掛ける力の入れようで実に良い音が鳴る。
全体的にクオリティは非常に高い作品と言っていいだろう。
だが、このゲーム、格闘ゲームのセオリーを外して、あえて「体力ゲージの無いリアルな決闘」をテーマにゲームを作っていったこともあり、どことなく「バカゲー」の香りがするのだ(特にストーリーモード)。
このクオリティなら、普通に格闘ゲームを作ればそれなりに名作になりそうな勢いであるのに、リアリティを重視した意欲作を目指したことで、独特の世界観を持つ作風となってしまっている。
体力ゲージが無いということで、急所に攻撃が当たれば、なんと一撃で決着がつく。その他、足や手など特定の部位を攻撃されたら、例えば足なら、歩けなくなり膝付きの状態での戦いを余儀なくされる。
このように、このゲームは、ゲームとしての面白さよりも、リアルさをとことん重視してシステムが組まれているのが特徴的なゲームとなっている。
特に格闘ゲーマーなら、このゲームをちょっと触ると「なんでこうしなかったのか!!」と言いたくなることが山ほど出るだろうと思う。
しかし、このゲームは、そういった声も無視して、徹底的にリアルさを尊重してそれも大真面目にゲームが作られているので、まさに愛すべきバカゲーといった感想を持つことになるだろう。
操作性はちょいと洗練されておらずとっつきが悪いが、アクションは実に豊富で多彩な駆け引きのバリエーションを持っていることに気づくと、このゲームの懐の広さに驚く。
とても「バカゲー」の一言で片付けられない良作であることに気付かされることと思う。
冒頭でも書いたが、ゲームとしての作りは驚くほどしっかりしていて、デュアルショックへの対応や、100人切りを目指す「チャンバラモード」、プレイステーション本体の通信機能を使った「通信対戦モード」など
各種モードも凄く充実している。
何度かバカゲーと揶揄したが、題材が斬新なだけであって、ゲーム内容は実に足腰のしっかりした作品となっていて、一人でも対戦でもきっちり遊べるゲームに仕上がっている。
大真面目に作られたバカゲー。だが、これは目新しく面白いぞ。