洞窟物語


対応機種ニンテンドーDS(DSi Ware)
発売日2011/11/22
価格1000円
発売元アスタリズム

(c)2011 Asterizm / Nicalis / Daisuke Amaya
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2004年にフリーソフトとして登場したレトロ風味の2Dドットアクション「洞窟物語」。反響に応える形でDSで鮮烈デビュー!!

ゲーム内容は、いわゆる任天堂「メトロイド」タイプの、サイドビューの探索型アクション・アドベンチャー。
ゲームを先に進めるための鍵となるアイテムを見つけながら行動範囲を広げていく。そして各所にはライフアップやミサイル所持数アップなどのプレイヤーが強化されるアイテムが配置されている。

「メトロイド」と同様に、ゲームは、独特の空気感、雰囲気を醸し出している。そして、語りすぎない程度の謎をもたせたミステリアスなストーリーが同時に展開する。
台詞で物語を語るのではなく、任天堂「スーパーメトロイド」のように、マップ上に置かれたオブジェや絵だけで描いて、何が起きたのかを想像させるといったテクニックも駆使しており好感が持てる作りだ。

シュールだがどこか味のあるキャラクタ、絵作り。こういった作風は、経験を積んだ熟練のクリエイターだからといって簡単に出せるものではない。なかなかに味があって良い。
レトロ風味ということで、ファミコンで鳴らしているようなBGMも、これがまた出来がいい。
ドット、サウンド、シナリオ、マップデザイン、各所のギミックなど、これらすべてを一人で考案してプログラミングして作り上げたのだから、本当に凄い。

結構ゲームとしてのボリュームもあり、クリアするだけなら慣れたプレイヤーでも大体4時間か5時間。あるいはそれ以上、手こずってしまうかもしれない(アクションの難易度が高めなので)。
個人的には、ラストボスが非常に手強く、かなり苦戦してしまった。

ここまでで絶賛して締めたい所だが、プレイして少々気になったことをあえて書いて終わる。

ネット上でフリーソフトとして公開されて人気を獲得した作品ということもあるのだが、一般的なアクションゲームと比べると、結構ストイックで、シビアで敷居が高い。
幸い、DSi版では救済策として3段階の難易度選択機能が付けられていて、評判を聞いて買ってみたはいいものの自分には難しすぎて無理!!とがっかりされないような措置をとっている。

ただ、かなりのガチガチの覚えゲーで、何度も死んで覚えて上達して、というクリア出来て当たり前の商業ゲームのノリとは違うクラシックな作りなので、腕に自信のない人にはそれでも厳しいかもしれない。
反面、確かに、昔のファミコンゲームのような、クリアさせなくて当たり前、理不尽上等なところに惚れ込む魅力があるのもまた事実である。
(個人的には、それでもここちょっとやりすぎじゃね?みたいに感じることはいくつかあったが...)

それと、L,Rボタンで複数の武器を切り替えて使えるが、この操作がやりづらく、武器の瞬時の使い分けが面倒くさかった。外せない場面ではスタートボタンでメニューから一々切り替えていた。

最後に、些細な事ではあるが、ダメージを受けると武器のレベルがダウンしてしまう(武器ゲージが減少する)ために、慎重なプレイを求められるせいもあってか、テンポがやや冗長な感じがした。
テンポを良くすることと緊張感を常にもたせることはある意味表裏一体であるから、難しいことではあるのだが、行ったり来たりするゲームなので、もう少し気持ち緩めだと良かったかと思う。

そこで結論。

人を選ぶが、高い完成度でまとまった作品。





[2016/03/08]
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