チョコボの不思議なダンジョン


対応機種プレイステーション
発売日1997/12/23
価格6800円
発売元スクウェア

(c)1997 SQUARE
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ファイナルファンタジーのマスコット的キャラクター、チョコボが主役の
ローグを題材にしたゲーム。

監修役として中村光一を起用していること、タイトルが「不思議なダンジョン」と
酷似していることから、チュンソフトの「不思議のダンジョン」を意識して購入した人も多かったようだ。
このように事前情報ではローグを期待してしまうような側面があるのだが、
その実、「入るたびに形が変わる」の部分と一部システムを借りてきた程度であって、
レベルにリセットはかからないし、ターン制ではなくFF独自のアクティブタイムバトル形式を模した
ターン形式を採用していることからまったくの別物である。
また、スクウェアらしからぬ低年齢層を意識した販売戦略など
多角的な面から非常に反感を買ったゲームでもある。

ゲーム自体がまだ面白ければ許せるのだが、これが困ったことに全然面白くない。
それどころかクリスマス商戦に強引に投入したのか、明らかに未完成な部分も感じられるのだ。

ローグというより、どちらかというと何度もダンジョンに潜り
経験値を溜め、落ちている武具を強い物に取り替え、お金を貯め合成の資金を集め、
というまるっきりディアブロ方式である。
ダンジョンの外に出ても、レベルも手持ちアイテムもそのまま、
おまけに次潜る時はさっきまで入った階層の好きなところからという親切さである。
ダンジョンの最奥にはボスが待ちかまえており、倒すことで新しいダンジョンに進める。
しかしダンジョンの数も3つと少なく、おまけに3つ目はエクストラダンジョンという位置づけなのか
100Fに隠しボスがいるが、その先は延々とそこをループし続けるというお間抜けな作り。

スクウェアらしくオープニング、エンディングとムービーの挿入も頻繁で
がっしりストーリーが設定されているほどだが、しかし結局はダンジョン探索がメインなので
その手の路線を期待した人にはがっくり来る程度だし、余計な物を無理矢理詰め込んだ感じで好感が持てない。

キャラ育成が楽しいかというと、この辺りの作りもいい加減で全く面白くない。
パラメータに対するダメージ計算がFFらしい適当さで強くなった実感が得られない。
合成も、後半になると強化数が倍になる物が手にはいるため、簡単に+99になってしまう。
これでは強くする楽しみが薄いという物だ。
魔法は落ちている魔法の書を使い込むことで強くなるのだが、
店にこれを上げることが出来るアイテムが売っており、入手も割と容易なので自力で上げるの馬鹿らしくなる。

ATBのシステムを組み込んだ独特のターン戦闘はというと、まさに煮詰め不足で出した感があり
納得の行かない作り。
敵に接近するとATBのバーが表示され、満タンになる前にも攻撃が出来るが
100%の威力は出ないという仕組みなのだが、
このバーの表示、すなわち戦闘態勢への移行が勝手に決められてしまうのと
敵側の方が、たいていの場合一定距離離れるとバーが消えてリセットがかかるが
こちらのバーは溜まったままなので、「一端近づいて離れ、溜まったら近づいて攻撃」
というシステムの穴を突いたヒット&アウェイ戦法が出来てしまう何ともお粗末な仕様である。
しかも敵は殆どゲージが満タンにならないと行動しないので予測も容易という馬鹿っぷり。
この戦法を使わないで遊んでも、バランスがしっかり取れていないので
それまで易しかったのが突然難しくなったりする。そのためやり甲斐が無い。
全然減らないあって無いような満腹度、ただただ時間の無駄でしかない程度の罠など
救えない酷さである。
当然ながらオリジナル版の「不思議のダンジョン」には程遠い出来。

アイテムがぼこぼこ落ちすぎており、その割に使いどころのあるものが少ないので
すぐに手持ちが一杯になってしまう。
このアイテムの過剰供給が、またぬるま湯感を増大させてしまっている。

低年齢層に向けて作られたため、キャラクター全てがかわいらしくデフォルメがかけられた
デザインで、従来のFFでは見られなかったなかなかいい雰囲気を出していると思う。
細かなディテールまで拘り、リアリティを重視した同社の路線とは一線を画した
逆に余計なところはバッサリと切り捨て特徴的な部分だけを描いたCG絵は
良い味を出しており、嫌味がない。

また、それに合わせた音楽もなかなか良く出来ており、どれも聴き応えがある。

本作では他にオマケディスクとして「不思議なデータディスク」が付属された。
これは、同社のそれまでPS向けに発売されてきたゲームソフトの
最強データや変わったデータなどを収録しており、それで楽しんで欲しいという物なのだろう。
たしかに面白い企画ではあるが、最強データなどは逆にゲームそのものの面白さを摘み取ってしまっている面もあり
どうにも好きになれない。
これによって隠しイベントなどが努力せずに見れてしまうので、まさに本末転倒である。

このような豪華さも見せつつも、やはり本編のゲームに関しては
見切り発車で出したとしか思えないひどい水準で、もはやそれ以前、
企画の時点からして駄目だった企画倒れ品ではないかと勘ぐってしまう出来の悪さである。

明らかに未完成な粗悪品。





[2004/03/09-2005/04/05]
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