対応機種 | プレイステーション3/Xbox360/Wii U |
発売日 | 2012/11/22(字幕版)/2012/12/20(吹き替え版) |
価格 | 7980円 |
発売元 | スクウェアエニックス |
冷戦時代のクラシカルな戦争をストイックに描いた「ブラックオプス」の続編。
硬直化しつつあったゲームシステムにメスを入れ、斬新な要素をどん欲に取り入れられている。
「ブラックオプス」同様、収録ゲームは「キャンペーン(ストーリー)モード」「マルチプレイヤーモード」「ゾンビモード」の3種類。
例によってここではシングル(キャンペーン)モードについて触れる。
ストーリーは、前作「ブラックオプス」とつながっているが、「モダンウォーフェア」シリーズほど関連性は強くなく、今作だけでも支障なく楽しめる。
ゲームの舞台は、主に2025年の近未来だが、前作からなにが起こったかを描くために、過去の時代に遡るステージも存在する。
つまり、レトロな戦闘と、近未来のSFチックな戦闘を1本で両方楽しめるという豪華な作りになっている。
反面、ステージ(年代)ごとに武器の種類やインターフェイスが変わってしまうため、ゲーム全体の統一感という点から見れば、散漫になっていると言わざるをえない。
個人的には「モダンウォーフェア」シリーズより、こっちのシリーズのほうが好きだった。
少々語りが多い気はするが、登場人物1人1人に存在感がちゃんとあって、ストーリー性の強いゲーム展開であったり、今作でもそうなのだが馬に乗りながら銃撃戦を行うといった良い意味で適当でケレン味をもたせた所だ。
フィクションの世界でかえって現実的過ぎても、面白くないので、「ありえないだろ」っていうぐらい型破りなことをしてくれたほうが良い。
しかし「ブラックオプス」の続編だが、結局ドローン(機械兵)やターレット(自動小銃)が登場し、いつもどおりのコールオブデューティになってしまっているというか(むしろ時代的には行き過ぎてるといっていい)、
SFテイストの強い世界観になってしまっていて、前作独特の持ち味が失われてしまった感があり、ちょっと残念であった。
さて、キャンペーンモードも従来から大幅にリニューアルされている。
ステージ開始前に、持っていく武器を選ぶことが出来るようになったり、武器の特性をカスタマイズできるようになった。
また、最も大きな変更点として、ゲーム中のいくつかのポイントで取った行動によって、シナリオに変化がもたらされる点だ。
これまでは、完全な一本道で、プレイヤーの意志は絶対にゲームに反映されない作りだったが、要人を殺すor見逃す、あるいは、ターゲットを捕まえるor取り逃がす、といった具合に、
要所要所で、ゲームの結果がストーリーに影響をおよぼすようになっている。
こういった仕様の関係からか、従来のステージセレクトが、単なる練習用になってしまって、シナリオの変化を楽しんだりやりこみ要素を攻略するためには、その都度「ニューゲーム」で周回プレイしなければならないのが
不便になってしまったと感じた。
また、ストライクフォースというリアルタイムストラテジー的なステージも用意されているのだが、なんだかごちゃごちゃした操作性で面倒くさいし、直感的でわかりやすく遊べるこのシリーズとは合わない相反するゲームルールで違和感バリバリだし、今ひとつ好きになれなかった。
結局やることは、普段の銃撃戦と一緒なのだが、自動で動いてくれるAIに逐一指示を出して、ミッションを遂行するという一手間が、一気にゲームへの没入感を冷めさせて、だるいものにしてしまっている。
「ブラックオプス2」というサブタイトルにマンネリ感を覚える人も多いかもしれないが、むしろシリーズとしても目新しいことを沢山やっていて、完全新規のタイトルとして売ってもいいぐらいだ。
逆に自分のように「ブラックオプス」の続編として期待すると、肩透かしを食らってしまうほど、想像する内容とかけ離れてしまっている。
あと、音楽も「モダンウォーフェア3」に引き続き地味だったのも退屈で残念。
キャンペーンモードに関しては、シナリオ分岐やプレイヤーレコードの煩雑さなど、一考の余地ありの部分は多いが、頑張りは評価したい。そこで結論。
良くも悪くもマンネリ打破を目指した作品。