コズミックファンタジー2 冒険少年バン


対応機種PCエンジン(CD-ROM2)
発売日1991/04/05
価格6780円
発売元日本テレネット

(c)1991 TELENET JAPAN / LASER SOFT / KAZUHIRO OCHI
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越智一裕による企画原作で、見せ場はお得意のビジュアルシーンでバリバリという、PCエンジン初期において牽引タイトルとなった
「コズミックファンタジー」の2作目。

相変わらず、ビジュアルシーンのクオリティは安定して高い。ここらへんは越智一裕が直々に製作しているだけあって、さすがというほかない。
ただ、ゲーム全体のボリュームが前作より大きくなった分、ビジュアルシーンが分散してしまって、ここは見せ場のシーンなのに!!というところでビジュアルシーンに入らない。
頻度としては密度が大幅に落ちてしまったと言わざるをえない。
忘れた頃に、「やっとか!!」という感じでようやくビジュアルシーンが入る。
制作体制として難しかったのだろうが、このゲームのウリはここなのだから、人を増やしてでも力を入れるべきだった。

ゲームパートは、前作と比較すると、だいぶ進化したのだが、やはり質の悪さが気になる。

まず、BGMはすべて生音になり、CD-ROMの性能を上手く活用している。
さらに、デメリットのディスクアクセスの問題も解決している。あらゆる場面の切り替わりが一瞬で、待たされることがほぼ無い。
特に、戦闘シーンが、画面を切り替えず、その場のフィールド上を背景として使っているのは中々小技が効いていて唸ってしまった部分だ。

戦闘のバランスやシステムの出来が悪い。
敵は通常攻撃しか行ってこず、しかし、店屋には属性耐性の装備品や、毒消しなどの状態異常を治すアイテムが売られている。
が、どの敵も通常攻撃しかしてこないので、活用するべき機会がない。

ダメージ計算式も単純で、おそらく、攻撃力-防御力で算出しているのだろう。乱数すら加えていない。(ただし0>ダメージの場合のみ乱数が入る。0の時はおそらく0として出力してるっぽい)
敵は通常攻撃しかしてこないうえに、ダメージの算出がこれだけ単純だと、緊張感がなく作業的になるのは明らかだろう。
エンカウント率が高いため、レベルも上がりやすくヌルい。ボタン連打で単調な戦闘をひたすら繰り返さなければならないのが、どれだけ苦痛かは想像するまでもなくわかるだろう。

ドットの塗りが全体的に古臭いのもなんとかして欲しい。

歩行速度が上がり、斜め移動も可能となっており、快適になっているのは良い。(が、エンカウント率の高さがその快適さを帳消しにしてしまっているのだが)

仲間の入れ替わりが激しい、同じキャラが入れ替わりで戻ってきたとき、LVや装備品がリセットされている、なぜか装備品を他の人と交換できない、
設定上は装備できる武器防具がキャラごとに決められているっぽいのに、全員全ての装備品を装備できる等。

戦闘システムも含めて、どうにも作り途中のゲームを強引に完成品として売り出してしまったように見受けられる点が非常に多くある。

ビジュアルシーンのクオリティの高さや、ストーリーも前作と比べればだいぶ良くなってきただけに、ゲームパートの質の悪さだけが異様に目につく。
ここさえしっかり作り込めば、文句なしの大作RPGとなるだろうに、非常にもったいない(制作体制が整ってないのだろう)。
そこで結論。

ビジュアルシーンだけのRPG。





[2017/03/08]
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