ディシディア デュオデシム ファイナルファンタジー


対応機種プレイステーションポータブル
発売日2011/03/03
価格5800円(UMD)/4980円(PlayStation Store)
発売元スクウェアエニックス

(c)2008 2011 SQUARE ENIX
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「ディシディア ファイナルファンタジー」に、新キャラ、新シナリオ、新モード、新システムなど多数の新要素を追加した新作。

本当は一発屋で売り出すつもりだったのだろうが、下手に売れてしまったので、じゃあなんか適当にファンの声拾って色々付け足した作品でも出そうってノリで作っていたが、
その割に金かかってるし、営業部としてはそんな緩いゲームじゃたまったモンじゃないってことで、続編っぽく大々的に売りだしてしまったのが本作の悲劇じゃないだろうか。
実際のところ、前作の内容を改良&プラスアルファした程度で、続編というには結構焼き増し感が強い。

開発者インタビューでは「これは続編ではありません」と妙なところを強調していた。
ついでに、わざわざ「今回はインターナショナル版は出しません」とも言っていたが、この会社が出さないと明言することは出すと言っているようなものだ(恐らくDLC全部入りとか銘打って出すだろう)。
有料体験版(300円)を先行配信して、その中に本編で使えるダウンロードコンテンツを抱き合わせで売ったり、他タイトルにもプロダクトコードを付けて手広くDLC商法を行っているが、やり込み要素をコンプリートするような完璧主義者な熱心なファンは今回ばかりは冷静になって少し待ったほうがいい。
他のゲームに、限定の衣装を付けて販売する抱き合わせ商法は、いくらなんでも悪質すぎだ。こういうのに釣られてプロダクトコード目的で購入するのは、業界にとっても良くない流れを植えつけてしまう(たまたま買うつもりのゲームがおまけで付いていてラッキーぐらいの立ち位置に置かせるべき)。
今回はそれ以外にも、プレイステーションストアを使って、ダウンロードコンテンツを大量に配信する予定(衣装とBGM)でいるようだ。バンダイナムコが大儲けしたから、なんとしてでもウチも楽に儲けたいと思っているのだろう。

新キャラが活躍する新シナリオは、尺が短いってことで、前作の物語もおまけで入っている。が、最初に指摘したとおり、前作のストーリーのほうが圧倒的なボリュームで、おまけというよりも、新シナリオの方がおまけって感じだ(最初に遊ぶことになるのは新作シナリオの方だが)。
確かに、システムが一新されて、例えばフィールドマップが追加されたり、ダンジョンマップの構造がまるで違ったり、別のゲームのように遊べるのだが、ちんたら長い割に面白味のないストーリーをまた遊ばされるのは、経験者であればやる気のでない作業になるのは想像に難くない。

前作のデーターを引き継いで遊ぶことも出来る。勿論レベルまで引き継げるが、各ダンジョンには適正レベルが設定されていて、それを上回って攻略しようとすると、KP(お金のような物)が減らされるというペナルティが与えられる。
そのため、メニュー画面でレベルを下げたりすることが出来る。作った側としては、ほどよい強さで挑んで欲しいのだろうが、このがんじがらめのルールがどうにも好きにはなれない。それならば最初からレベルを引き継げないようにすればいい。
というか、そもそもタイマンの対戦アクションをメインに据えたゲームで、レベル制ってどーよ?って感じだ。FFだからRPGっぽくなきゃイカン!レベル上げの面白さをなくしてはナラン!という理由だけで貫き通してる感じさえする。
とまぁ、このゲームはもともと続編を出すほど担ぎ上げるような出来たゲームではなかったのだ。そこを無理してシステムエンジンを使い回して続編を作っちゃうから、色々とマズイところが目立ってくるわけで。

一発ネタとしてなら楽しめたゲームだったのだけれども、続編(っぽいもの)を出しても、ほとんど変わってなくて、不満点はそのまんま。これは駄目だろう。色々とハードルが上がってしまうのがシリーズ物の宿命だ。

ストーリーは前作と繋がっているのだが、この会社は下手にシナリオを凝っちゃ駄目だ。なんか綺麗にまとまっていた(大した中身のない内容だったけども)前作の話を妙にこじれさせてしまって、訳が分からなくなってしまっている(安上がりに追加シナリオを組み込む苦肉の策だったのだろうが)。
イベントムービー以外に、文章で物語を読ませる手法はすっかりこの会社の得意分野になってしまったが、要するに何が言いたいんだよ?と。全体を通して何を描きたいのかどーにもはっきりせず、断片的に明かされていくシナリオ群を見ても、特に真相が気になるほど魅力的な文章構成でもなかったし、蛇足だと感じた。
タイトル名の「デュオデシム」だの、体験版の「プロログス」だの、ちょっと正気の沙汰とは思えないネーミングセンスも、そこにまでケチを付けるきはないが、スクエニ大丈夫か!?と心配になってしまう。

色々ゲームシステムが変わっているのだが、本質的には前作とさほど変わらない。操作性とか、相変わらずもっさりアクションだし、カメラワークも悪いまま。マップの造形もバランスの悪さはそのまま。
他のキャラが一時的に加勢してくれる「アシストシステム」には期待を寄せていたが、これが実に肩透かしであった。
本当に一瞬出てくるだけ。どうせ演出で一瞬画面が止まるんだから、その時にキャラのカットインとか付けて欲しかった。なんといっても寂しい。
このシステムは、1キャラまるまる操作キャラとして作るのは大変だけど、ちょっとしたお助けキャラとして出すぐらいなら色んなキャラを出せるという開発者の都合で用意したのかと思っていた(スマブラXのアシストフィギュアのように)。
しかし、アシストキャラは既存の操作できるキャラから選択する使い回しで、そういう意図で付けたシステムではなかったことにがっかりしてしまった。

ストーリーモードでは、要望が大きかったのだろう、フィールドマップが用意され、自由に歩ける!が、本当にただ付けただけ、といった感じ。狭いし、似たような地形が多く、これならあってもなくても変わらない印象を受けた。
で、ダンジョンに入ると、相変わらずの盤上に区切った一画面固定マップ。前作よりもやらされ感は減って、テンポが良くなり、自由度も広がって色々改善されているものの、ああまた…という感じだ。

最大5人パーティを組んで冒険に出るエピソードもある。前作でいうと、個別エピソードが終わって終章の全員集結のエピソードに当たる。パーティ制が採用されたことで、攻略がだいぶ楽になっている。
まず、好きなキャラを5人まで連れていけて、その5人は直接戦闘しなくても経験値が入るので、育成の手間も省ける。また、1人の強敵相手に5人がかりで倒す(削ったHPを持ち越して戦闘できる)といったことも可能になった。
前作のラスボス戦は、ハズレキャラなんか引いてしまった日にゃ、本体をぶん投げたくなるほど理不尽でしんどいものだったが、今回は仕様変更されたおかげで、かなり楽にクリアできるようになっていて良い。

他に主だった追加点は、イベントシーンを自作できるエディットモードが付けられた。だが、キーボードを付けられないPSPでこの手の文字入力を多用するモードは正直辛いと言える。またバストアップの絵も無いので、あまり賑やかなシーンは作れない。
ここまで作ったのなら、いっそのこと割りきってしまってギャルゲーっぽい画面構成にしてしまったほうが良かったと思うが?

もう一つでかい追加要素で、モグネットWebという専用サーバを用意している。タイトル画面からPSPをインターネットに接続して入ることが出来る(Webブラウザベースではなくきちんと専用プログラムである)。
フレンドカードの交換をオンラインでやったり、前述の自作のクエストをアップロードしたり、他の人の作ったクエストをダウンロードして遊んだり出来る。
さすがにここで直接ゲームの対戦までは出来ない。もし入れてくれたら褒めていたところだ。ちなみに、これらサービスは勿論無料で使える。

ロード時間が長い。メディアインストールも長い割に、インストールしてもまだロード時間が長い。この辺はさすがに改善して欲しかった所だ。

前作はFF11、12の扱いが悪いと書いた。今回はさすがに、10以降の作品もある程度待遇良く扱っている。キャラ参戦は当然ながら、専用マップも追加された。14は…なかった事にされたか!?
しかしそれにしても、これから売り出したい作品だからだろうが、FF13の特にライトニングの押し売りが非常に鼻につく。このキャラは個人的にあんまり好きじゃないし、万人うけする魅力のあるキャラとは思わない。
FF13の派生作品で、このキャラが出演するのはFF13-2だけだったと記憶しているが、会社的にそんなにごり押しするほどのキャラなのか疑問の残るところだ。

結局は、一作目に色々継ぎ足しただけのゲームであって、それ以上のものはない。そこで結論。

さも新製品のように売らないように。





[2011/03/09]
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