クリスタルビーンズ フロム ダンジョンエクスプローラー


対応機種スーパーファミコン
発売日1995/10/27
価格9500円
発売元ハドソン

(c)1995 HUDSON SOFT
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PCエンジン黎明期に発売され、高い評価を得た「ダンジョンエクスプローラー」のスーパーファミコン版となる。
タイトル名は異なっており、ダンジョンエクスプローラーはサブタイトルになっているが、ゲームシステムは継承している。

PCエンジンでは2作出ているが、個人的にアトラスが制作した一作目がずば抜けて面白いと思う(最初は真面目にプレイして、後に掲載されたデバッグモードの裏技で2度楽しんだのは自分だけじゃないはず)。しかし、ハドソンが直接作るようになってからは駄目だ。
本作も、どちらかというとCD-ROMで出した2作目に近い仕上がりで、あまり面白くない。

最大5人同時プレイがウリだったが、スーパーファミコンは、沢山のスクリプト処理が苦手なので、最大3人に変更されている。

基本の移動速度が遅く、強化することである程度スピードを上げることができるが、それでも遅いため、アクションゲームの楽しさの一つである避ける面白さが無い。
また、その遅い速度に合わせてゲームを作っているので、トップビューアクションとしては窮屈な作りになっている。

キャラクターデザインがダサい。箱に書いてある絵柄は、スクウェア「ファイナルファンタジー5」のCG絵のような子供じみた画風で、まるでスーパーファミコン=子供向けというレッテル貼りでゲームを作っていそうで困る。
ハドソンはずっとPCエンジンをメインに開発してきたからか、スーパーファミコン市場に変な色眼鏡をかけて見ていると思う。

シナリオやテキストもセンスがない。こちらは単純に力不足だろう。
グラフィックも、先ほど書いたように、変に低年齢層を意識しており、ダークファンタジーの雰囲気がなく、どこにでもありそうなありきたりな色遣いで安っぽいファンタジー物になってしまっている。
ダンジョンはまだ良いが、新規に描き起こした町のマップがひどい。住民の台詞もつまらなく、何とかして欲しかった。

PCエンジン版とは、異なった世界を舞台にしているが、PCエンジン版のマップやボスキャラを使いまわしていたりする。
個人的には、1の最後のボスまで出してくるのにはがっかり。PCエンジンを知らない人向けに作ったのだろうが、知っている人からすれば興ざめである。なんか、一気に安っぽくなってしまった。
音楽も流用しており、これに関しては単純にアレンジが良いということもあるが、嬉しい演出だと感じた(CD-DAの2のBGMも頑張って再現している)。

最大の不満点といえば、システムの簡素化だ。今作も、戦士や魔法使いといった職業に就いたキャラクターが用意されているが、特殊能力(魔法)が廃止され、白魔法は回復、黒魔法は画面全体攻撃に全キャラ固定されてしまった。
違いといえば、初期能力値だけであって、それすらも育成で格差を埋めることが出来る。これではなんのための職業分けなのかわからない。

ゲームバランスも全体的に大雑把で、特に後半のボス戦は、攻撃が熾烈すぎて、真面目にやっているのが馬鹿馬鹿しくなるほどで、新たに追加された自分もダメージを受けるが、攻撃力の高い近接攻撃でごり押しするという実につまらない展開になりがちである。
こんな感じのゲームなので、余計攻撃力が重要になっていて、他のステータスの重要性が低い(ただでさえ、攻撃力が大きいウェイトをしめやすいというのに)。

「ダンジョンエクスプローラー2」では、大容量のCD-ROMで色々誤魔化しが効いたが、スーパーファミコンの本作は、そういった力業に逃げることも出来ず、グレードダウンしたゲーム内容にただただ落胆するばかり。
ダンジョンエクスプローラーという名前だけは知ってるが、スーパーファミコンで出たから初めてプレイしたという中途半端な知識を持ったプレイヤーが「PCエンジンのゲームなんてこの程度か」などと間違った認識を持たれそうで怖い。

そもそもなんで、タイトル名をこんなダサいものに変更して、ダンジョンエクスプローラーをサブタイトルに降格させたのかそれすらも疑問。おかげで発売されていることにすら気づかなかった。そこで結論。

本来はもっと面白いゲーム。なぜこうなった。





[2010/08/30]
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