ドラゴンフォース


対応機種セガサターン
発売日1996/03/29
価格5800円
発売元セガ

(c)1996 SEGA
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「三國志」「信長の野望」の中世西洋ファンタジーRPG版といったゲーム。

ゲームシステムは良い意味でシェイプアップされて簡略化され、S.RPGを遊ぶような感覚で手軽に遊ぶことが出来る。

例えば、金の要素が無く、国土(領地)を維持するためしなければいけないことが一切無いため、プレイヤーは「戦闘すること」ひいては「各国の主君を説得して仲間に引き入れる」ことだけに専念すればよく、
これは、天下統一が主目的である多くの陣取りシミュレーションゲームとは異なるプレイ感覚である。

一応、武将の謀反(裏切ること)はあるが、事前に不満をいだいていることがわかるし、適当にアイテムでも与えれば簡単に引き止められる。また、普通にやっていればまず謀反は起こらない。
あって無い要素と言える。

大陸統一が主目的ではないため、領土を広げる(城を自軍に置く)メリットは、探索できる箇所が増える(アイテムや武将が手に入る)ぐらいで、デメリットはあまり無い。無理して城を維持する必要性はない。
そのため、領土を広げすぎて城を維持するのがきつくなってきたら、思い切って「捨てる」という選択肢も取れる。

このように、ゲームのコンセプトが従来のシミュレーションゲームと比べると、単純化されRPG好きのプレイヤー向きに作り変えられているので、間口が広くとっつきが良い。
その上、CPUがそれほどいやらしい動きをしない。そのため、全体的に難易度が低めで誰でも遊べるようになっており、苦手意識を持った人でも十分に楽しめるだろう。

そして、特に戦闘シーンの出来が良い。

最大約200体のスプライトキャラがフィールド上に展開し、敵味方に分かれてぶつかり合う通称「ゴチャキャラ戦闘」は、サターンの性能を最大限に発揮していて素晴らしい。
処理落ちは一切起こさず、実に軽い動作で大勢のスプライトキャラが動き回る。コレは凄い!!

この戦闘が、単に作戦を指示して見ているだけではなく、どちらかと言うとアクションゲーム的な向きもあり、戦闘中も作戦コマンドを駆使して兵士の動きを適切にコントロールしたりといったテクニックも要求される。
武将のもつ武将技と組み合わせることで、実に面白いゲームバランスを生んでいる。
兵種の数もかなり多く、最初は相性が分かり辛いという面もあるが、慣れてくると自然とうまく使いこなせるようになって来るところも上手い。

ただ、ゲーム終盤になってくると挿入される強制イベントが分かり辛いのと、終盤に向けての戦闘のバランス調整が(それまでと比べると)荒いのが、気になった。

後、これだけ単純化されているので、内政パートがいらないとまでは言わないが、やることが殆ど無いので退屈である。育て損ねた武将を鍛える訓練施設とか、そういうのが欲しかった。
他にも、アイテムの管理とか装備の付替えとか、細かい所の作りが甘く不便なのが気になったところだ。

国は全部で8つあり、ゲーム開始時は、このうちの6つからプレイする国(主人公)を選ぶ。選べない2つの国は一度ゲームをクリアすると選べるようになる。
選んだ国によって、初期領土が異なるから攻略法がガラリと変わる上、ストーリーもキャラごとに変わるようになっているため、何度でも楽しめるように作られている。
国(主人公)の数、フィールドの大きさも狭すぎず広すぎずの絶妙な作りで、非常にバランスが良い。

また、ここまで全く書いてこなかったが、音楽も凄くいい。ファンタジーの雰囲気を十二分に演出している。しかし、ED等に入ってくるアニメムービーは、思い切ってゲーム上のテキストで描いて欲しかった(せっかくスチル演出も多いわけだし)。

「三国志」や「信長の野望」をファンタジーRPGに落とし込んだ企画力は大成功と言える出来だ。ホントに素晴らしい。そこで結論。

間口が広くRPG好きにこそ楽しめるシミュレーションゲーム。





[2017/10/29]
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