ダージュオブケルベロス ファイナルファンタジー7


対応機種プレイステーション2(HDD対応)
発売日2006/01/26
価格7800円
発売元スクウェアエニックス

(c)2006 SQUARE ENIX
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FPSをベースにしたガンアクション、プレイオンライン対応と新しい挑戦に意欲的なFF7外伝作が遂に登場。
特にオンライン対応の発表は衝撃的で、一気にネット上での注目度が高まるという影響も及ぼしたほどだ。

基本はFPSの撃ち合いの駆け引きをやらせたかったようであるが、任天堂「メトロイドプライム」ほどFPSになりきれてないし、
かといって、コナミ「メタルギアソリッド」ほどリアリティや作り込みのこだわり、精密さには程遠いどっちつかずな出来である。

そもそも、トンデモファンタジーのゲームで、敢えてわざわざ重火器で撃ち合いをさせるということ自体、必然性に乏しい。
リミットブレイクで変身すると、接近戦で超強力な攻撃を放てたり(しかもこっちの方が単純に面白いという始末)、敵によっては剣で斬り付けてきたりと、何でもアリである。
加えて、ボス戦はどちらかというと、3Dアクションの要素が強く、どうも、無理矢理差別化を図ろうとした歪みが異様に目に付く。

また、レベルアップや銃の改造の要素などRPG要素も入っているが、正直あまり意味がない。それを駆使することで劇的にゲームが楽になるなんてこともないし、
結局は想定された倒し方のプロセスをこなさなくてはならないわけで、いまいち意味が無い。

重火器関係のこだわりに欠けるのもなんだかねぇ。銃撃の音は軽いし、突撃銃なのに、連射もあの程度しか出来ないんじゃ、気分が盛り立たない。
モーションや演出も安っぽく、倒した死体が消えてしまうのもなんだかねぇ。撃った反動で照準がずれたりもするが、あまりにわざとらしく不自然。
結局、ただのゲームオタクが、FPSものを遊んで気に入ったから自分たちでも作ろうって言う程度の浅はかな考えでやったようないい加減さが、ゲームの印象を非常に悪くしている。

操作性も独特過ぎて受け入れられにくいのもどうかねぇ。この会社のアクションゲームはいつも頭でっかちで、RPG感覚で作ってくるので、さっぱり馴染めない。
相変わらず手持ちのアイテムで回復したりするってのも不愉快。そういう駆け引きはアクションではうざったいだけだ。
ゲームバランスも大味で、回復アイテムを持ち込んだ消耗戦になりがち。というのも操作の融通がきかないので、思った通りに動けないし、
相変わらず反則級な攻撃を繰り返してくるボスに対して対処法は限りなく少ない。
2つのスティックを使って、左スティックで移動、右スティックで照準を合わせるってのも、どれだけのプレイヤーが使いこなせるか疑問。
開発者側としては、利便性を追求したつもりだろうが、どちらかというとボタンで移動をロックして、照準を合わせる一つのスティックで操作させるほうがよほど直感的かと思うのだが。

RPGプレイヤーに対する配慮もあるのか、照準合わせなどの操作も大味な作りで、真面目にやるのが馬鹿らしくなってくる感じ。これは致命的な問題。
難易度設定も出来るが、どうもクリアしてもらうのが前提の救済策があるせいで、実質的には難易度の高いモードでも、ただその分手間がかかるだけである。
それならばどっぷりぬるま湯なゲームとさして変わらない。もう割り切って、徹底的に簡単なゲームで良かったんじゃないか。
引っ掛かるだけストレスが溜まるだけなのだから。ボスも露骨に何度もほとんど同じものの使い回しが多いのも、どうにかして欲しい。

FF7との世界設定、キャラクターにつながりがあるが、どーも、新たに作るのが面倒だったから流用したっちゅう感じで、手抜きっぽさが否めない。
これ単体でのシナリオプロットなんかは、ほとんどFF7本体とは別物のテイストで、かといって、今作のイベント関連が魅力的な出来映えとはお世辞にも言えない。
音楽は地味で、本編との関連性も無い、演出周りも一昔前(それこそ同社のバウンサーの頃と目立った違いが無いんだが)から目立った進歩が無くつまらない。
ファイナルファンタジー7アドベントチルドレンのついでに作ったようなムービーも流れるが、基本はリアルタイムデモで見せていく格好なので、シナリオ関係を期待している人にはチト辛いものがある。
グラフィックをだいぶ工夫して60フレームで動かしているのは、なかなか評価したいところであるが、イベント映像ではこれが逆効果となっていて、キャラモデリングとオブジェが浮いたような昔風の映像は今となっては見苦しい。

通常のFPSのように、物陰に隠れて、敵をじっくり殲滅していくのを基本としたプレイスタイルは、日本のゲームユーザーに受けるかというと少々厳しい。
前述の通り、ストーリー性の強さに引っ張られる形で、一部のシーンでは、3Dアクションのような立ち回りを求められるという作りが、どこに楽しみどころを置けばいいのか困惑してしまうのである。
ましてや、超人的、漫画的な世界設定がベースの作品である。派手さを求められる作品に置いて、このアプローチは失敗といってもいい。

ここまでは、オフラインモードでの話である。
どーも、この作品は、どちらかというとオンラインモードがメインであるような気がする。
わざわざFPSものにしたってのも、合点がいくし、ただ対戦するだけでないモードの充実や手間のかけっぷりを見るとそのような印象を強く受ける。
しかし、アクション性の強いゲームなのに、ボイスチャットに対応してないのは感心出来ない。
同社「フロントミッションオンライン」では対応させていたのに、これはちょっと理解出来ない。

まず確信を持ったのが、どうもHDDにインストールして遊ぶのを前提としたようなシステム設計である。
イベント中でもおかまいなくディスクアクセスのマークが右上に頻繁に表示するという理解不能な処理や、プレイオンライン内から起動しないとHDD対応なのにHDDのキャッシュ機能すら使わせてくれない始末。
ただ問題なのは、プレイオンラインに入会するだけでなく、サーバー利用料を課金しないとプレイオンラインから遊べないという仕様で、インストールによってゲーム内容すべてをどうやらHDDに入れてしまうようなので中古対策なんかも意図してるのだろうけど、
それにしたって、もうちょっとネット環境の無い人、興味の無い人にも配慮して欲しいものと思う。
まぁ実際、HDDがなくても不便することは少ないが、一部の箇所でディスクアクセスが異様に長い部分があったので、何とかして欲しかった。

また、このゲームのセーブは中断セーブをのぞいてオートセーブなのだが、セーブしている時に表示されるのが右上に小さくメモリーカードのアイコンだけってのも頂けない。いつセーブされるかわかりにくいのもどうか?
せめて、ロード&セーブ時は、もっと目立つように「ロード中」「セーブ中」程度の表示は欲しい。
この辺の仕様がいまひとつわかりにくいので、起動時のロードに気付かずに電源を切ってしまいかねないおそれがある。

結局は、オフラインモードは、オンラインを遊んでもらうための客寄せパンダでしか無いのだろう。
しかしこれは、今後の家庭用でのオンラインゲームでの商売方法としては、間違いなくスタンダードとなろう。
こういった二面性を持ったゲームは、ドリームキャストの頃からあったことはあったが、オンラインモードとオフラインモードが丁度天秤で釣り合うような作り方はしてなかったはずだ。
セガ「ファンタシースターユニバース」でも同様の作りをしているように、時代の一手先を見越した新たな切り口に関しては好感を持てた。

ただし、やっぱり出来の悪いゲームには代わりはない。そこで結論。

FFキャラを使った粗悪なキャラゲー。





[2006/01/28]
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