ドラえもん 迷宮大作戦


PCエンジンではお初となるドラえもんのゲーム。
ファミコンでも先陣を切ってゲーム化したあのハドソン開発である。

ドラえもんのゲームは、FCからPS2まで様々なハードで、様々なジャンルで発売されているが、
その中でもゲームとしての出来映えは上位に入る。

まず、ドラえもんは少年漫画誌の目玉とも言えるバトル漫画とは違い
(劇場版を除き)比較的ほのぼのしたタイプの漫画なので、
それをゲームに落とし込むというのはかなり難しいと言える。
そのために、多くは、そのゲームだけの無理矢理な設定を組み込んだり
原作を知っている人にとって首をかしげたくなるような内容になっている。

本作では、上手く映画版の緊張感を持ってきて、
ゲームとしてのドラえもんとしても違和感を感じさせないことを第一に作っている印象を受けた。

ゲームの目的も無理が無く、ドラえもんがギガゾンビにさらわれた
お馴染みの登場人物(のび太、スネ夫、ジャイアン、しずかちゃん)を助けるために
とらわれている様々な時代を探し回っていくという物。

ゲームのタイプとしては、ボンバーマンに非常に近い。
流石に碁盤の目な地形ではないが、1ステージ2〜4画面で構成されていて、
そこに徘徊する全ての敵を倒すことで、どこでもドアが開き次のステージへ進むという流れ。
ただ、攻撃手段が良く無い。
目一杯原作に配慮したのだろうが、
穴を掘ってそこに敵を落として埋めるというものなのだが、
敵を倒した時の爽快感が決定的に足りない。
穴はボタンを押すことで瞬時に掘って埋めることが可能で、
パワーアップアイテムを取ることによって、一度に穴の掘れるマス目が増えていく。
この穴にはプレイヤーが誤って落ちてしまってもアウトになってしまう。
ボンバーマンで言う自分で置いた爆弾に当たってしまうのと同じ原理である。

また、ステージ上には秘密道具も置いてあって、敵の動きを一定時間止めるアイテムや
空気砲で敵を画面外に押しやる(倒してしまう)アイテムなども豊富に用意されている。

とにかくステージ数が尋常じゃ無い多さで、確か120ステージはあったと思う。
バッテリーバックアップにも対応していて、タイトル画面でクリアしたステージまでならば
自由に選んで好きなところからスタート出来る。
要所要所でボス戦が挿入されることを加味しても(ラスボス以外は同じボスだったと思うのだが)
明らかに仕掛けの数がステージ数に追い付いていない印象で、
すっかり間延びしてしまっている。

原始、江戸、現代、近未来とそれぞれに特徴的なギミックが仕込まれているのは良いが
それも中盤辺りでマンネリを起こし、敵を倒すだけに終始する退屈な内容になってしまっている。
地形の違いなどでなんとか持ちこたえさせようとした努力は伺えるのだが
根本的な問題としてステージが多すぎるのである。

それに輪をかけて、意地悪な仕掛けが無く、難易度が低めなことも相まって
かなりダラダラしてしまっている。

しかし、元々のアクションゲームとしての出来は悪くないので、手厳しい批判意見の方が多いが
それなりに遊べるゲームではある。
音楽のノリも良く、明るく、気持ちよく遊べる。




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