ドラゴンクエスト10 目覚めし五つの種族 オンライン


対応機種Wii
発売日2012/08/02
価格6980円
発売元スクウェアエニックス

(c)2012 SQUARE ENIX / ARMOR PROJECT / BIRD STUDIO / KOICHI SUGIYAMA
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MMORPG(オンラインゲーム)として発表されたことで物議をかもした「ドラゴンクエスト10 目覚めし五つの種族 オンライン」。
10作目にして、未だに無謀とも言えるほどの挑戦を続けるドラクエ。完成度を探る。

本題に入る前に、どうしてMMORPGになったことで賛否両論出たのかというと、ネットゲームとこれまでのオフラインゲームとは、ジャンルというか畑が全く違うからだ。
パッケージ代を払って、月額課金制で収益を得る構造になっているので、おのずと、長時間、長期間かけて遊ぶものになっている。
莫大なプレイ時間の大半はレベル上げになり、人とパーティを組んで遊ぶので、人間関係で厄介なトラブルが起こったり、時間を合わせてプレイするのでまとまった時間が必要になったりする。
勿論、このようなジャンルを選んだ、MMORPGならではの楽しさも沢山ある。が、どうしても拒絶反応や敷居の高さが同時につきまとって来る。

なぜオンラインゲームにしたのかというと、堀井氏が以前から作りたかったからである。ぶっちゃけ、わがままといってもいい。
2000年に「ドラゴンクエスト7」を発売した時から、この発言が有名になりだしたと思う。「はなす」システムで仲間と会話できるのが、オンラインゲームを意識したものだったからだ。
そして同時期に、エニックスから「ディプスファンタジア」というMMORPGが発売され、当時では非常に珍しかったエンカウント方式、かつ、ストーリー重視の作風が、ドラクエに近くて、
もしドラクエがオンラインになったらこんな感じになるだろうなんて言われていた(のが今では懐かしく思う)。

そしてそのための土台となったのがDS「ドラゴンクエスト9」だ。本作のシステムは「ドラクエ9」をベースに作られている。
「ドラクエ9」も初期は、アクション要素の強いバトルで、Wi-Fi通信を使った協力プレイをする予定であった。
が、おそらくハードスペック的に断念せざるを得なかったのか、完成品はターンベースの従来式の戦闘シーンに戻っていた。Wi-Fi通信も、クエストのダウンロード(アンロック)にとどまり、
協力プレイはワイヤレス通信のみになり、代わりに、「すれちがい通信」が流行した(これは思わぬ収穫だったんだと思う)。

また、発表から発売まで延期がなくスムースに行われたのもドラクエにしては珍しい。
たぶん9と10を並行して開発していたんだと思う。10は発売までのスケジュールも余裕があって非常に手堅くて、かなり念入りに下準備を重ねたと推測できる。
発売ハードにWiiを選んだことに関しても、企画当初は勢いがあったのと、コアユーザーよりも幅広いファミリー層に売りたいという意向が感じられる。
ぶっちゃけると、モノ知ってるうるさい客よりも、幅広い客層でライトユーザーに遊ばせたいという考えも強くあったと思われる。

内製で、FF11のノウハウやリソースをなるべく流用したかった、活用したかったというのも感じられる。
PS2ベースで一本本格的なのを作っていたので、HDマシンで余計な労力を割かれるより、中身を作りこむという慎重さである。
プログラム的にはほとんど基礎はFF11で、それを改良したり作り替えていってるというのが触っていて感じた印象だ。

堀井氏は以前からMMORPGを作りたかった、内製でちょうど良い開発ラインがあった、などなど諸々条件が整って10の開発が始まった。
思わぬところで、スクウェアとエニックスの合併効果が出たんじゃないだろうか。

レビューに入る前に、MMORPGなのでプレイ環境を記しておく必要があると思う。
8月2日から9月8日までプレイ(Ver.1.0.0からVer.1.0.4b)。
ゲームの進行度は、メインストーリーは全てクリア。プレイ時間321時間。武闘家、僧侶のレベルを最大まで上げた。オフラインモードもクリア。

このゲームをプレイするために、USBフラッシュメモリー16GBとUSBキーボードを新たに購入。
Wiiを有線接続でつないでいたが、USBポートが足りなくなるので、無線接続環境を整える。
無線ルーターがなく有線ルーターのみなので、このゲームをプレイする時は、PCのUSBに無線LANカードをぶっさしてアクセスポイントにして無線接続していた。
なのでゲームをプレイするときは、そのPCをつけっぱなしにしておかなければいけないことが不便だった。

こんな無茶な環境でも、ラグなど不備を感じること無く遊ぶことができたので、結構劣悪な環境でも支障なく遊べるのではないかと思っている。

それから、このゲームは、USBメモリにデータをインストールして遊ぶ力業のプレイ環境を求められている(そのためにUSBメモリが必要になる)。
実は稼働時の耐久性に一番疑問を感じていた。
MMORPGは長時間プレイしがちなので、当然長時間、USBメモリとデータをやり取りする。しょっちゅうエラーなど吐かれちゃたまったもんではない。
この辺も、前例のないプレイ環境なので不安だったのだが、結論から言えば、エラーは何回か発生した(エラー文章からおそらく本体とUSBメモリとのアクセス不良が原因でのエラー)が、プレイに支障が出るほど頻繁ではなかった。
約1ヶ月プレイして、5,6回という程度のもの。

自分のようにプレイすると決めている人間からすれば、ソフト以外に必要なものがそれほど高額なものではないので、さして気にならないのだが、
遊ぶためにWii本体だけではダメで、いくつか周辺機器を買わなければならないというのは大きなマイナス要因である。
また、月額利用料金の他にゲーム1本分のパッケージ代が必要なのも、今の時代からするとなかなか厳しいものだ。
ここまでしなければならないために、Wiiで本格的なオンラインゲームは不向きと言われていて、HDD標準搭載で性能もあるPS3やXBOX360、あるいはPC版の発売を望まれていたが、この辺後発になるがWii U版でのプレイ環境の改善を期待したいところだ。

かなり前置きが長くなってしまった。具体的なゲーム内容について触れる。

グラフィック。正直、グラフィックのスクウェアと言われていた会社とは思えないほど、厳しい。
オンラインゲームであることやWiiの性能を考えると、高いクオリティを出しているのだが、この水準で今後数年サービスを続けるのだとしたら、つらいと言わざるをえない。
しかし、10年たってもサービスが継続してる「ファイナルファンタジー11」という前例もあるので、一概にグラフィックが全てというわけではない。
ただ、現段階でも既に一世代前の映像水準というのは否定出来ない。FF14作ってるところと同じ会社と言うのが信じられないほど乖離している。

今回は重視しないが、サービスの運営水準。はっきりいって、かなり力が入っている。
発売当初はメンテナンスが多かったが、これだけの規模のゲームで、発売時からこんなにまともに遊べるMMORPGというのも実は凄いことだ。
最初の一ヶ月は、ゲームバランスや不備の修正の嵐で、遊べたものではないと覚悟をしていただけに、あまりの手際の良さに驚いてしまった。
サーバー増設の対応の速さ、不備発生時の対応の速さは相当なもので、快適に遊べるよう努力をしている。

ゲームバランス全般。大雑把に語ると、従来のMMORPGと比べると、恐ろしくヌルい。ネットゲーム初心者を対象にしているのもあるからなのだろうが。
お金はよほど浪費しなければ勝手に溜まっていくし、レベルアップの必要経験値もネットゲームにしては少なめで、かなりあっさり最高レベルに到達できてしまう。
いわゆる、職人合成も素材が店売りしているので、簡単に揃う。金さえあればこちらもあっけなくレベルアップできる。
戦闘はシンボルエンカウント方式で、自分よりレベルの高い敵は見つけると近づいて襲いかかってくるが、逃げるのも非常に簡単で緊張感がない。1人でもサポートなかまを連れておけば死んでしまうことはまずない。
ゆえに、高レベル向けエリアも簡単に通り抜けてしまえる。
死んでも経験値が減ったりしない。手持ちの所持金が減るだけ。しかもドラクエお決まりの半額取られるのではなく、レベルに応じて10%以上50%以下というふうになっている。
預かり所にお金は預けられるので、実質デスペナルティはほぼないといってもいい。

1人でもなんでもできるから、パーティ必須じゃないから、歯ごたえがなくてヌルくてダメという話をしているのではない。
だが、その弊害がプレイ時間の大半を占めるレベル上げに表れているように感じた。

古い考えではあるが、ネットゲームのレベル上げというのは、適正とされているちょっと緊張感のある敵と戦って、職業ごとにうまい立ち回りを繰り返してレベルアップしていくものだ。
しかし、このゲームでは、獲得経験値が固定で、それを人数で割る形式になっている。必ずパーティを組まなければ経験値がちゃんと稼げないわけじゃなくて、1人で強い敵を倒し続けてもそれなりに稼げるようになっている。
また、パワーレベリングも容認されていて、高レベルの人に手伝ってもらえば低レベル帯も楽に上げられる。
色んな経験値の稼ぎ方が用意されていて、ちょっと驚いてしまうのだが、結局高レベルになってくると、パーティ組んで特定の敵相手にしないとまともに稼げなくなってくる(1人でもサポートなかまを使ってパーティ作っても良いが)。

元々弱めの敵を沢山倒すことを推奨されているだけに、このレベル上げの戦闘が、本当に作業的で、1回短いと1分もかからず、長くても3分(仲間を呼ぶ敵の場合など)という短さで、王道的にプレイしようとするとかなりつまらないのだ。
つまりレベル=プレイヤーの腕に直結せず、レベル上げはごり押しに頼りがちの戦闘。テンポよく爽快感があって良い物の、奥深さはない。
結局うまくなるのは、いかに敵を見つけて触れるかというだけで、レベル上げという反復練習の中で得られるものがあまりになさすぎる。
ただダラダラプレイして、数値だけを上げてという繰り返しになる(なにもこれはこのゲームだけに限ったことではなく、今の時代間口を広げるためにネットゲーム全般レベル上げの難易度を下げているようなのでドラクエだけが悪いというわけではない)。

いわゆる狩場に関しても、一部の人気エリアだけ人が殺到していてまるで使い物にならないが、ちゃんとストレスなくレベル上げに使える場所があるので、そういう面でのストレスは少ない。

加えて、職業ごとの自由度。
現段階で選べる6つの職業ではそれぞれやれることが少なくて、基本的に上手い下手があまり出ないようになっている(ゲーム慣れしてなくて普通のことが出来ない人は別)。意図的にそうしていると言ったほうが良いかもしれない。
比較的大変と言われている僧侶も、やってみたら大したことがなく、数回ボス戦をやるだけで勝手がわかって動けるようになったぐらいだ。

ボス戦について。現状後半のボスだけは、1人でサポートなかまを連れてクリアというのは不可能になっている。
最初は現段階で最大レベルの50でも後半のボスは強くて難しいと思っていたが、編成とプレイヤーの腕さえしっかりしてれば、さほど難しいものではないと感じた。
実際はボス戦よりも、勝てる編成とちゃんとした人を探すほうが大変と言ってもいいぐらいだ。

ストーリー、世界観など。まず、シナリオのテキストの質がかなり落ちたように感じた。堀井氏は完全にゲームデザインにまわって、シナリオは他の人に任せたのかもしれない。
地名や固有名詞のネーミングセンスが悪く、長時間プレイしてもなかなか頭に入ってこない。驚くほど覚えられない。
世界観は、中世ヨーロッパ風の雰囲気が色濃く出ていたこれまでの作品と比べると、統一感がなくなって雑多になり、色使いやオブジェのセンスもどこか下品で魅力がない。
こういうものは、プレイヤーを引き止める大事な要素の一つだと思うので、もっと魅力的なものにするべきだったと思う。

基本的にやさしいゲームだと書いているが、たった1点だけエグい要素がある。
それはスキルポイントシステムだ。ドラクエ8から登場して、本作ではドラクエ9のものをベースにしている。
スキルポイントは特定のレベルに上がった時にてにはいり、武器スキルや職業スキルにポイントを割り振って、一定のポイントに到達したら固有スキルを手に入れることができる。
このポイントの割り振りが、一度割り振ってしまうと後戻りが出来ないので、後で欲しいスキルがあったとしても、現状どうやっても取ることが出来ない。
全職業レベルを最大にあげれば、すべてのスキルを手に入れることができるわけじゃなくて、ポイントが足りなくなる。だから、考えなしに適当に振り分けることができない。
「常時ちから+5」といった、職業変更しても効果が続くスキルなど、有用なスキル、不要なスキルが現状はっきり分かれているので、ここで判断を誤ると泣きをみる。

実際、最初に僧侶を選んでプレイして、この割り振りに失敗して後悔しているのを何人も見ているので、かなりストイックなシステムになってしまっている。

それから、ステータスを底上げできるスキルを集めていくと、基本能力がかなり高くなるので、やりこんでいる人との差が生まれてくる。
1つの職業だけやってればいいのではなく、複数の職業を育てて、永続性のあるスキルを取ることでキャラが強化されるというシステムは、実にマニアックでエグいものだと感じた。
正直なところ、この辺はドラクエ9からあまり考えずにそのまま導入したんじゃないかと思うぐらいマニアックである。

メニューなどインターフェイスについて。マクロなどの機能が一切ないため、不便に感じられるかもしれないが、すっきり無駄がなくシンプルに作られていて快適ではある。
戦闘時、オートアタックが無く、コマンド入力を求められるのは面倒ではあるが、一般性を求めた結果だと思う。

チャット機能。サーバーが違ってもパーティを誘えたりチャットが出来たり、エリア移動中もチャットが届くのは地味ながらかなり凄いといえる。
だが、チャット周りの操作性がかなり悪い。
チャンネルがいくつかあって、「まわりに」「特定の相手」「パーティ」「チーム(ギルド)」を選択して発言するが、開いてるメニューによって、勝手にこのチャンネルが切り替えられたりする。
1回の発言の文字数制限も厳しく長文が書けないのも不便である。
FF11を作っている会社なのだから、この辺の操作性をもっときめ細やかに作って欲しかったものだ。
それから、コンシューマゲーム機だからしょうがないが、文字入力の変換で学習機能が無いのもつらい。ATOKを採用しているのだが、ゲーム上の固有名詞は一発変換だが、それ以外の日常会話の変換があまりに馬鹿過ぎる。何とかして欲しい。

パーティ集めが絶望的に不便。
レベル上げのパーティは、希望を出すだけでリストに載るので、探す方もそれを見て誘えば良い。個人的にはいちいち断りの挨拶を入れずワンボタンで誘える(相手もコマンド選択で入るか入らないか選ぶ)のが楽で良い。しかしこの仕様を嫌っている人も多い。
ボス戦やクエスト目当てのパーティ集めが本当に大変。一応希望欄で細かく選択できるようにはなっているのだが、細かすぎて探す方もいちいち見ないし、人も少ないので、使われない機能になっている。
エリア全域に発言できるシャウト機能もないので、町の入口付近に人が集まって、募集の発言を聞くためにたむろったり、募集する場合は人の集まってる場所で何度も発言しなければならない。
そして、チャットのログが流れるのが異常に早くなり、繰り返し発言しないと見てもらえないので、余計ログが早く流れることになるという、悪循環になってしまっている。

フィールドマップについて。
FF11みたいに馬鹿みたいに広いってわけじゃなくて、ほどほどの広さで悪くないと思う。場所によっては無駄に入り組んでいるところもあるが、地図がちゃんとしてるので、迷うことはまず無い(FF11の時は意図的に見づらい地図があったり、隠し通路があったりで意地悪だった)。
町のマップがごちゃごちゃしてたり広かったりする場所もあって、そういう場所は大抵使われてないが、差別化を図らなければならないので多少は独自性を出すために仕方ないと思う。
グラフィックの話と混ざるが、どのマップも若干似たり寄ったりで、どことなく安っぽく、観光の楽しさが薄いのが残念だった。

あと職人について。あまりやりこめてないので書けないのだが、基本的に1つの職人に早く決めて欲しいのか、一人前になるまでのお試し期間も短すぎて、決めるのに一番苦労してしまった。もうちょっと色々試させてくれてもいいと思う。
生産はミニゲーム形式で、ルーチン作業でありながら、油断できずなかなか楽しめる。
さっきも書いたように、素材は店で適正価格で手に入れることもできるので、やはり遊びやすいといえる。ただ、こういうのはどのゲームでもそうだが、利益については他とは違うことをやってないと儲けはでにくい。

巨大なゲームなので、書くことはいっぱいあったのだが、軽い箇条書きにしてまとめて書いてしまった。

サービス開始初期なのもあって、クエストも少なく、ボリュームも(MMORPGにしては)短くて拍子抜けしてしまった。終わるまでに2ヶ月は覚悟していただけに、1ヶ月でやれることをほぼやり尽くしてしまうほどの程度のものしか入っていない(残っているのは手を付けてない職業のレベル上げぐらい)。
時間のある人だったら、パッケージに含まれている無料期間20日分で遊び尽くしてしまう分量かもしれない。
クエストに関しては、毎週ガンガン追加されているし、大型アップデートも控えていたりで、話題作りのためにあえてマスクしているのだと思う。
そして、ストーリーは未完結なので、ちょこっと話題になっていたが追加ディスクの制作も既に進んでいるはずで、毎週クエスト配信しながら、追加ディスクまでつなげていくつもりなのだろう。ちなみに追加ディスクは来年の春ぐらいには出ると予想。そんなに待たせないと思っている。

遊んでいて、「これ大丈夫なの?」と思ってしまうような要素が気になった。
元気玉のシステム(遊んでない時間分手に入って、使うと30分経験値ブーストするアイテム)、酒場で登録して遊べない間雇ってもらって育ててもらうサポートなかまシステム(ここでもらえる経験値はさすがに実際の半分以下に減らされている)。
既存のネットゲームで既に使われているシステムを上手に咀嚼して導入して、おまけに課金しなくても遊べるキッズタイムの時間帯(1日2時間だけ)もある。
元気玉は毎日ログインしないともらえないようになっているし、とりあえず毎日ログインしてもらってなんとか課金に結びつけようという考えのようだ。
堀井氏のわがままで作られた作品と書いたが、しっかり収益を取るための仕掛けもあざとく入っているのだから凄い。
それに、ヌルすぎてゲームにならないんじゃないかと思っていたのだが、意外とちゃんとゲームになっているのも凄い。

ただ、ドラクエのナンバリング作品として見ると、ドラクエのオンラインゲームとしては、優秀ではあるのだが、所詮外伝的なポジションを抜けきれてない感じがする。
過去作品の焼き直しが目立つというか、本作ならではの目新しさというものがいまいち足りない。
また堀井氏は、オフラインゲームのように遊べるということを売りとしてあげていて、実際ソロプレイでもかなりのところまでプレイできるが、
やっぱりボス戦などでパーティを組まなければならないようになってしまっている。

そして最終的にこのゲームをどの角度から評価すれば良いのか非常に迷ってしまったのだが、スタンドアローンのゲームと比べれば、レベル上げの時間が長すぎるのが致命的。
その割にストーリー、世界観に惹かれるところがない。イベントのフラグ立てもお手伝いプレイヤーのことを考えてないオフラインゲーム寄りなのもいただけない。
イベント見るためだけにあっちこっち移動させられて、肝心の手伝いが必要なボス戦まで1時間以上待たされるとか、そういう部分の配慮がなさすぎる(そしてボス戦のタイミングがわかりにくいのもダメだ)。

逆にオンラインゲームとして評価すると、ヌルすぎて歯ごたえが足りない。サービス直後だから仕方ないがやれることが少なすぎる。
マニア的要素を排除するために、ネームドモンスター(レアボス)のようなゲームおたくを満足させるようなコンテンツがない。
まだ大半のプレイヤーから飽きられてないからいいかもしれないが、2,3ヶ月もすれば一気に飽きられそうで恐いと思っている。この辺は今後の話題を途切れさせない小出しにしていく方向を選んだ運営方針の腕の見せ所といったところだ。

このレビューは、あくまでサービス初期の現状を元に書いただけであって、どの部分に関しても結論を決めつけているわけではない。

ただひとつ言えるのは、有名所の国産MMORPGといえば、ファイナルファンタジー11があるが、あれは(2002年時点の)MMORPGをFFっぽく味付けした感じのゲームだったが
こっちのドラクエ10は、まずドラクエらしさを重視した作りであるということだ。間口も広く、長時間パーティでレベル上げに拘束される厳しさもなく、現段階ではかなりゆるく遊べるゲームになっている。そこで結論。

初心者が安心して遊べるMMORPG(オンラインゲーム)。さすがドラクエといった所。





[2012/09/10]
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