ドラゴンクエスト10 眠れる勇者と導きの盟友 オンライン


対応機種Wii/Wii U
発売日2013/12/05
価格3800円
発売元スクウェアエニックス

(c)2012 2013 SQUARE ENIX / ARMOR PROJECT / BIRD STUDIO / SUGIYAMA KOBO
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「ドラゴンクエスト10」では初めてとなる拡張データディスク。
世界の真ん中に存在し、これまで黒い霧に包まれていたレンダーシア大陸を舞台に、新たなる冒険が幕を開ける。

この項目のレビューのやり方としては、Ver2.0時点での内容と、前回レビューしたVer1.0との差異について書いていく形を取る。

Ver1.0時代は、とにかくコンテンツがなさすぎる上に、不便な部分も沢山あって、今から考えると未完成と言われてもしょうがない状態だった。
1年以上かけてバージョンアップを重ねることで、かなり遊べる空間になってきたと思う。

また、最初に断っておかなければならない点として、筆者のドラクエ10のプレイ状況について。
ネットゲームを専門にプレイしているわけではないので、ドラクエ10に関しても、Ver1.0時点でのラスボス(言い換えると発売時に実装されている部分)までプレイしたら、きっぱり辞めるつもりだった。
MMORPGは、FF11で凝りて飽きていたし、ゲーム上のデータ、資産には一切興味が無い。また、一つのゲームに入れ込んでずっとやり込むということがそもそも好きじゃない。
ところが、Ver2.0が出ることは明白だったし、やめると決めていたところまで進めた時点で、スローペースでもいいから続けたいと思わせる状態にあったため、がっつりというわけではないがその後もダラダラやっていた。
プレイ時間としては1340時間で、1年4ヶ月の間で、課金せずプレイしていない期間も、数ヶ月間存在している(合算で7ヶ月程度)。

1340時間が、ゲーム上ではどのような価値かを形容すると、おそらく、ライトユーザでもヘビーユーザでもない中間辺り(厳密にはややヘビー寄り)、といったところだと思う。

この立場から、現状のドラクエ10について書く。
マルチプラットフォーム化とか、間接的なアイテム課金の追加など、色々書きたいことが山ほどあるのだが、全部を書いていくとキリがないので、本質的な部分のみを切り取って取り上げる。

運営の質は、正直言ってかなり高いところにあると思う。もちろん完璧とはいえないが、とにかく対応が早くて、細かいインターフェイスの改良にいたるまで、非常に気を使っている印象だ。
例えば、確率でMPを消費しない装備品が流行りだした頃に、「MPを消費しなかった」効果が出た場合、ポップアップするようになったり、戦闘中に武器の切り替えをワンボタンで出来るようにしたり等(メタルスライム系モンスターに対応しやすくするためだと思う)
これだけ対応が早いと、人件費もそれだけかかっていると言えるし、その辺の台所事情がどのようになっているのか嫌でも気になってしまう所だ。

今のドラクエ10というゲームが、どのようなものになっているのか、どういう方向性で作られているのか、そして今なお抱える問題点ということを簡潔に、そして重点的に触れていきたい。

ドラクエ10は、毎日ログインして、日課と言われているコンテンツをプレイすることで有利になるような構造をとっている。提示された目的を達成することで、1日1回限りで経験値やお金などの報酬が手に入るためだ。
日替わりクエストと言われているもので、毎日朝6時のタイミングで更新され自動生成されるコンテンツだ。

職人ギルドの納品、モンスター討伐隊というNPCから毎日自動生成されるモンスター討伐のクエスト、魔法の迷宮(インスタンスダンジョン)、畑の管理(水やり)、福引券がもらえる簡単なクエスト群、そしてチームクエスト。

個人的には、ほぼ決まった敵でレベル上げしかすることのなかった初期の頃と比べれば、メリハリの効いた作りになったと思う。
やらなければ損をするから、やらなければならないという強迫観念に支配されることで、このやり方に不満の声もあるのだが、強制されているわけでもないから、都合に合わせて自分なりのプレイスタイルを確立すれば良いと思う。
少なくとも、これらの制度がなかった頃より、あった頃のほうが、面白くなったと思うし、自動生成とはいえノルマを用意されることで、それを達成した時点で、ゲームの止め時を見出すことが出来る。

前回のレビューでもこの辺り軽く指摘したのだが、職業スキルを持っていることが半ば前提のゲームバランス。
ドラクエ10はドラクエ9と同様の育成システムを採用しており、レベルを上げることで手に入るスキルポイントを使ってキャラクターを強化していく。

武器スキル、職業スキルの2系統あり、武器スキルは剣、槍といった種類があり、武器を装備することで効力を発揮する。
一方、職業スキルは、職業専用の特技を覚えるものと、常時ステータスアップ系の2種類が存在する。
厄介なのが、常時ステータスアップ系のスキルで、このスキルを優先的に取得して能力値を底上げしておくことが必須となっている。

これの何が辛いのかというと、やりたくない職業のレベル上げも実質的に強制されていることだ。
個人的には、転職を繰り返してキャラクターを強くするというコンセプト自体は気に入っている。
ここまで影響力が強いと、さすがにいろんな職業をやってみようという気持ちになる。仕組み自体はそんなに悪くないと思う(長く遊ばせる必要のあるジャンルのゲームとしては)。

では何がいけないのかというと、低レベル帯のレベル上げが、絶望的につまらない。
高レベルのサポート仲間を借りて、一人でパワーレベリングしてもらうのが、最も効率がよく楽だし、低レベルだと特技も呪文も無くて、職業ごとの個性も薄いので、楽しみようがない。
大体LV50ぐらいまでは、戦力にならないので、こういったレベルの上げ方をする。

先程述べた、職業スキルを揃えるためには、各職業LV40過ぎまで上げる必要があるのだが、現状この作業のつまらなさに対する抜本的な対策が取られていない。
多少、効率が落ちてもいいから、低レベル帯のレベル上げを楽しく出来るようなコンテンツを用意してくれれば、苦痛感をなくして強くする楽しみをもっと味わえるようになると思う。

次に、高レベル帯の装備品が高騰している件について。
高レベルで装備できる装備品で、きちんとしたものを買おうと思った場合、目の玉が飛び出るような相場になってしまっている。
原因としては、装備を作成するときの素材が膨大になり、元手が極端に高く設定されるようになったためである。

ただ、断っておくと。
ドラクエ10は、レベル補正はないし、最先端を行こうとしなければ、それほどガチガチのゲームバランスにはなっていないので、無理に最高級の装備を買い集める必要はない。
しかし一部で、パラディンのように、盾役の職業では、そういうものが求められる場面もある。

せっかくLVは高くなったのに、いつまでも低いレベル帯の装備品を使わざるを得ない状態に不満を覚えるのはわかるのだが、ネットゲームの場合は、最強を追求するためには、どうしても努力が必要な部分がある。
ドラクエ10はレベル上げの苦痛が少ない代わりに、装備品にそのしわ寄せが向かっていっていると解釈すれば良い。
なんでも簡単に手に入ってしまうと、すぐにやることがなくなり飽きてしまう。別にドラクエ10の提灯持ちをするつもりではないのだが、費用対効果とゲームバランスを考えると、現状で妥当な位置にあるとは感じている。
(この極端ないびつさは、狙ってやったというよりは場当たり的だとは思っているが)

直接的なゲームの話からは脱線するが。
Wii、Wii U、PCと、マルチプラットフォームになってから、アップデートの度に、バグや不具合が目立つ印象だ。
複数機種の環境をサポートしなければならなくなって、検証や開発に負担がかかっているのだと思われる。
大変だとは思うが、なんとかこの辺のサポートも頑張って欲しい所だ。

初期時代から現状にいたるまでの追加点、改良点について書きだそうかとも思ったが、ここでわざわざ1から書くよりは、公式サイトのバージョンアップ履歴を参照すれば良いので、割愛する。

以下、拡張ディスクで追加される部分について、軽く紹介する。

レンダーシア大陸に行けるようになり、Ver1.0の物語の続きを楽しめる。当然ながら、新大陸へ行くためにはVer1.0でエンディングを見ていなければならない。
新エリアは、高レベル向けで、配置モンスターも比較的強い。LV70を超えていても、絡まれたりする敵が平然と配置されている(Ver2.0時点での最大レベルは80)。
マップの造形は、こなれてきたのか、Ver1.0と比べると中々凝った作りになっている。少なくとも、洞窟に入ってみたら使い回しでがっかりってことはなかった。

ストーリーは王道だが、ドラクエらしさがにじみ出た内容になっており、期待通りといった感じで良かった。Ver1.0の時は、初のオンラインということによる制約と、少々物量的な部分に頼っていた感があり、質的にはイマイチだったが、今回は余裕のある作りになっている。
但し、発売日の時点で最後までのシナリオが解禁されていたVer1.0と異なり、Ver2.0は、段階的にシナリオが開放されていく形をとっている。
Ver2.0の時点でも、それなりのボリュームが開放されていて、ほぼ全エリアを巡り、最後には一応ラストダンジョン的な場所やラスボス的な山場までは遊べるようにはなっている。しかし、ストーリーは途中までしか遊べない。

ちなみに、メインシナリオで倒さなければならないボス戦は、サポート仲間を使って一人でもクリアできるようにはなっているが、人とパーティを組んでプレイすれば圧倒的に楽になるような調整が施されている。
業者対策なのか、所々で、ボスを倒さなければ自由に行き来できないエリアが存在していて、このエリア開放のボスも、若干きついように感じた。
一人でクリアするためには、当たり前だがキャラがそれなりに育っていたり、ゲームの腕前も熟達していなければならない。

新モンスターも追加されているが、思っていたほどの追加はなく、完全新規のモンスターも、色変えが多くてゲンナリ。
また、新エリアのモンスターも大半が既存の敵ばかりだったのも残念。

新職業のまものつかいは、拡張ディスクのウリの一つということで、この職業一つだけでも、今までではありえないほどかなり手の込んだ職業になっている。
モンスターを仲間にして、育てることが出来る。仲間になったモンスターは、装飾品でデコレーション出来たり、プレイヤーキャラと同じように装備品を付けることが出来たり、スキルポイントまで割り振ったり出来る。
サポート仲間の扱いだが、戦闘に一緒に出して戦うことができる。すると、なつき度が上がっていき、100まで上げると、別の職業でも連れていけるようになる。
最大LVは50だが、転生させることで、LV1から育て直すことが出来る。転生を繰り返すことで、転生させてないモンスターより強くなる。
将来的には、モンスター同士を戦わせる「モンスターバトルロード」を追加する予定らしく、そのコンテンツを見越した仕様になっているのだろう。

レベルキャップは、引き上げるペースがかなり早く、もう80まで開放されている。個人的には、レベル補正が無いわけだし、キャップ開放が早過ぎる気がするのだが。75で長い期間、止めてても良かったように思う。
ドラクエ的に、レベル99を超えさせるのは、ちょっとやりにくいし、職業スキルのシステムの関係でポンポン新職業を追加するわけにもいかない(このへんは習得スキルのラインナップでいくらでも調節できるが)。
となると、どうやって時間を稼ぐかというと、モンスターを仲間にして育成させるシステムが適切だと感じたのだろう。
Ver2.0ではもう一つ、職業を追加するようなのだが、やはりまものつかい並みに凝ったものになるのだろう。

ピラミッドの秘宝というエンドコンテンツが追加された。
これまでドラクエ10のエンドコンテンツは、強敵1体、多くて3体を倒すというものばかりだったが、ピラミッドでは、大量に出現するモンスターを全滅させるという趣向の変わった路線を取っている。
6つのバトルマップがあり、それぞれ難易度が異なっている。低い難易度のバトルマップはサポート仲間でもクリアできるが、高い難易度のバトルマップは、相当やりこんだプレイヤーでなければクリアが不可能といった難しさだ。
報酬として、低確率でレアアクセサリや、レア素材が手に入る(つまりハズレもある)。毎回手に入るのではなく、同じ部屋から手に入るのは1週間に1個だけとなっている。つまり1週間で最大6回レアアイテムを取れる権利が与えられる。
これまで範囲攻撃技の活躍する場が少なかったが、ピラミッドの秘宝の存在によって、陽の目を見ることがなかった武器、特技の存在価値が一気に出てきた。

娯楽島ラッカランに、遂にカジノがオープンした。
ここはVer1.0で行くことが出来るエリアだが、カジノフロアはVer2.0でなければ入ることが出来ない。つまりカジノは拡張ディスクを買わないと遊べない。
スロット、ポーカー、ルーレットの3種類のミニゲームを遊ぶことが出来るのだが、MMORPGのミニゲームとしては、かなり凝った作りになっている。
これまでのドラクエで当たり前に入っていたものだから、なんら凄いことではないように感じるが、拡張ディスクでよくこれだけ気合の入ったものを入れてきたものだと感心してしまう。
ここでしか手に入らない景品がたくさんあるのだが、個人的にカジノは興味が無いので、まものつかいのスカウトの書みたいなものは、別の手段でも手に入れられるような措置をとって欲しい(ルーラストーンは仕方がない)。

このゲームについては、プレイ時間が、おそらくこれまでプレイしたゲームの中で最高といえるほどの時間を費やしている。そのつもりはなかったのだが、気づけば、もうすぐFF11を超えるかどうかというレベルまで付き合ってしまった(FF11はかなりの放置時間も含め1524時間だった)
それゆえに、もっと色々書きたいことや書けること、思うことなどもたくさんあるのだが、あえて削り、端折って、このぐらいにまとめることにした。そこで結論。

王道で豪華な期待通りの追加ディスク。





[2014/01/06]
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