対応機種 | スーパーファミコン |
発売日 | 1993/12/18 |
価格 | 9600円 |
発売元 | エニックス |
ファミコン「ドラゴンクエスト」「ドラゴンクエスト2」をセットにしてリメイク移植したものである。
SFC「ドラゴンクエスト5 天空の花嫁」のシステムをベースに作られている。
ファミコン版の時は経験値稼ぎをしなければならないバランスだったが、サクサク遊べるようにゲームバランスが再調整されている。
ゲーム上のヒントメッセージなどもわかりにくかった部分ではヒントを増やしたりしてテコ入れをして、細部まで丁寧に作られている。
グラフィックはSFCの色数を生かしてグラデーションバリバリに描き直されていて悪くはないのだが、SFCのゲームにしては色合いがのっぺりしすぎていてチープな印象がある。
音楽も豪華になり、イベント演出や戦闘シーンも背景がついたり攻撃エフェクトが付くなどグレードアップしているが、なんかどことなく安っぽい。
本作は、チュンソフトが開発から抜けて初めてのドラゴンクエストである。プログラムを書いてた山名学が開発に参加しているものの、独立して会社を立ち上げて人材育成などに手を取られて十分にゲーム開発に専念できなかった感じだ。
ドラクエという冠がついていなければ、ここまで気にならなかったのだが、手触り感が違うし、ドラクエにしてはなんかイマイチだな…と言う印象は拭えない。
内容は決して悪いものではないのだが、有名シリーズのリメイク作品なのだから、やっぱりSFCのスペックをもっと引き出したゲームであって欲しかった。
平凡な出来で、特にこれといった気になるところはないのだが、しいて言えば、ドラクエ2の鍵の扉の違いがわかりにくくなっているのが気になった。良く見ればきちっと描き分けされてはいるのだが、理想的なのはひと目で違いが分かるようにして欲しい。
コマンド周りのちょっとした不親切さやレスポンスの間の悪さも目に付くところである。
普通に遊べる水準ではあるのだが、ドラクエという名前のせいでどうしても高いレベルの作品を期待してしまう。その点では非常に惜しいゲームと言える。そこで結論。
ファミコンで挫折した人、まだやったことがない人に。