ドラゴンクエスト5 天空の花嫁


対応機種プレイステーション2
発売日2004/03/25
価格7800円
発売元スクウェアエニックス

(c)2004 SQUARE ENIX / ARMOR PROJECT / BIRD STUDIO / KOICHI SUGIYAMA / ARTEPIAZZA / MATRIX
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1992年にスーパーファミコン用ソフトとして発売され、たちまち社会現象を巻き起こした「ドラゴンクエスト5 天空の花嫁」。
それをプレイステーション2の最新鋭のテクノロジーを使って、豪華にフルリメイクした作品だ。
今回、ハートビートの山名学がいなくなり、代わりにアルテピアッツァ(眞島真太郎)が主導となって開発している。

ドラクエはここのところ(丁度ドラクエ5辺りから)、毎回、新作を出すと、そのシステムエンジンを使って過去作のリメイクを出すという流れを繰り返していた。
今回は、なんとリメイク用に新たにシステムエンジンを組んで作るという非常にリッチな企画となっている。

とはいえ、基本は2001年に出したリメイク版ドラゴンクエスト4に近い作りであり、そうでありながら、プレイステーション2用に(主にグラフィック面が)ブラッシュアップされたものとなっており、ほぼほぼ新作と言って良い。

今回はこれまでスプライトだった、フィールドのキャラクタ、戦闘時の敵モンスターも全てポリゴン化されていて、文字通りのフルポリゴン化を実現している。
勿論、敵モンスターはこれまで同様、賑やかにアニメーションをし、戦闘シーンを華麗に盛り上げる。

フィールドマップは、3Dであることを活かし、かなり大胆にアレンジを加えられており、場所によってはダイナミックにカメラワークを取る。
少々視界が狭く見づらくなってしまう向きはあるものの、それも含めて演出と受け取れる作りとなっており、素直に素晴らしい進化と言っていい。

PS2になって演出力やディテールが向上したことで、まるで、飛び出す絵本やパノラマでも見ているかのような立体感に満ちあふれており、未経験者は勿論、SFCでプレイ済みの人でも、その新鮮さに「ここはこのようにリメイクしてきたか!」と胸踊ることと思う。
プレイステーションで開発されていた、リメイク版ドラゴンクエスト4並びにドラゴンクエスト7では3Dマップと言ってもマシンパワーの関係で基本見下ろし型だったせいで、ここまでの感動は感じられなかったことと思う。

いっぽう、戦闘は、パーティメンバーが最大3人から最大4人までとなり、戦略性が増したとともに、バランス調整も行われ、かなり面白くなっている。
SFC版では、家族4人全員で戦うことが出来ず、どうしても一人を馬車に乗せなければならず、かなり悔しかった。今回は4人になったので、そのような悲劇がなくなった。
また、戦闘参加人数が増えたことで、モンスターを活躍させやすくなったのも良い。ただ、バランス自体は、SFC版同様、一部を除けば簡単にし過ぎかな、と言う程度。
この辺はリメイク作品なのだから、オリジナルを大きく変えるわけにも行かず、このようなものだろう。

音楽は、オーケストラ音源を使用。遂にゲームも、そういった次元に突入してしまったかという驚きがある。

ここまで書いてこなかったが、パーティメンバーと「はなす」システムも勿論搭載。

リメイク版ならではの追加要素もあって、「すごろく場」「名産品博物館」が大きな追加要素だ。
が。ゲーム本編のリメイク自体が豪華すぎて、少々霞んで見えてしまうというのが、不満点ではないが、素直に感じた感想だ。
このような(書き方は悪いが)取ってつけたようなものではなく、何か面白い要素は用意できなかったものかなあと思う。
なんなら、追加要素自体、思い切って無くても丁度良かったぐらいだ。

気になった点を幾つか書く。

相変わらず、ディスクアクセスが無いに等しい早さなのだが、戦闘開始時と終了時に「今、読み込んでるな」と感じさせる些細な間がある。戦闘終了時は読み込みが終わってからボタンを押さないと画面暗転に行かない。
これが曲者で、いつ読み込みが終わったかプレイヤーはわからないので、ボタン連打することになる。戦闘開始時の間と合わせて、(読み込みは十分早いのではあるが)全体と比べて残念な印象がある。

それから、イベント時や街に入ったときなど、特定のタイミングで、勝手にパーティの並び替えが行われてしまう。
これはどういう意図でそういう仕様になっているのか本当に理解に苦しむ所だ。

ドラクエの凄い所は、さも新作かのように、リメイクしてくるところで、本当にこのドラクエ5は、予算も出ているだろうし、ゲーム自体ももうSFC版の面影はなく、完全新作のRPGと言って言い過ぎでない完成度の高さである。
そうでありながら、オリジナル版の雰囲気を大きく壊しているわけではない。これが本当に凄いというほかない。
当時のものをそのまま出すのではなく、色褪せない面白さを上手に、当たり前のように味付けしているというのが素晴らしい点と言って良い。本当に、リメイクのお手本的作品と言ってもよい、リメイク作品としての出来の良さも両立していると言えるだろう。

そこで結論。

色褪せない面白さを兼ね備えた豪華なリメイク。





[2018/02/27]
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