ドラゴンクエスト6 幻の大地


対応機種ニンテンドーDS
発売日2010/01/28
価格5980円
発売元スクウェアエニックス

(c)2010 SQUARE ENIX / ARMOR PROJECT / BIRD STUDIO / KOICHI SUGIYAMA / ARTEPIAZZA
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「ドラゴンクエスト6」は、今回のニンテンドーDS版が初のリメイク作品となる。
実に15年越しでリメイクが実現した。
出来れば据え置き機の最新の技術力を使って、PS2「ドラゴンクエスト8」のようなフル3D世界で遊んでみたかった物だが、システムも違うし贅沢な注文だろう。

これまで、ニンテンドーDSに移植されてきた作品と同じく、プログラム周りは前作、前々作の物を流用している。
そのため、やはりこれといって書くことが無い。

内容的な変更点は多々あり、主に利便性を追求した物が多い。
2つの世界を行き来するゲームデザインだが、DS版では、直接ルーラでもう一つの世界に飛ぶことが出来るようになった。
オリジナル版だと、世界がつながっている井戸や階段で直接移動していた。
わざわざ変更するほど不便ではなかったのだが、細かい配慮に好感が持てる。

今作は、ダーマの神殿で、キャラクターを職業に就かせて戦闘を重ねることで、特技を習得させていくゲームシステムだ。
スーパーファミコン版では、各職業の大まかな特徴しかわからなかったが、今回は覚える特技や特性を具体的に見られるようになった。
そのため、パーティーメンバーの育成方針を決めやすくなっている。

1995のゲームは、割と洗練されてきて、今でも遜色なく遊べる物が多く、この「ドラゴンクエスト6」もその部類に入るのだが、
さすがに15年も経つと、色々と辛い部分が目に付いてくる。
アイテムの効果が明確に表示されたり、レスポンスが向上し、戦闘のテンポが軽快になっているなど、初リメイクの恩恵は非常に大きい。
作品単体で見ると、システムエンジンは使い回しであり、安っぽさは否めないが、良くできた器に“移植”したこと自体が意義のあることと言える。

仲間と会話出来るシステムも相変わらず面白い。「ドラゴンクエスト6」では初搭載である。
オリジナルではあまり掘り下げられなかった、仲間キャラクターの個性が十二分に発揮され、感情移入度が高まったように思う。

本来きつかった部分では、NPCが仲間としてはいるなど、ゲームバランスも結構調整されているようである。

一方で、不満点やちょっとした気になる点も勿論ある。

モンスターが仲間になるシステムが廃止されていること。
スーパーファミコン版では、「魔物使い」になることで、特定のモンスターを仲間にすることが出来た。
しかし、このシステムは、今作の色々な職業を極めていって、技を集めていく成長システムとは合ってないと思う。
そもそも、仲間に出来るモンスターもそんなに多くなかったはずだし。個人的には無くしても構わない。
だが、原作では出来ていたことが出来なくなっていることが問題なのだと思う。

「ドラクエ6」は、自由度が高く、自分で情報を集めて、目的地を探すような作りである。
情報収集が重要であるため、会話を記録出来る「思い出す」という機能が付いていたが、これも削除された。
これも上記の通り、原作で出来ていたことに対する不満として挙げられる。
この辺に関しては、仲間との会話システムで上手にフォローされている。
つまり、適切なタイミングで欲しい情報を、既に聞いたことがあった場合、仲間がその内容を喋ってくれる。
このことは、プレイヤーは大まかな情報だけをおさえておけば良く、結果的にメモを取らなくても良いようにはなっている。
が、熱心に「仲間と会話」しない人にはわかりづらいやり方じゃないかと思う。
これに気づいた時、何気ないシステムにもかかわらず、フラグ管理など相当に複雑なルーチンを組んでいると感心した物だ。
「ドラクエ6」はこれまでの作品と違って、攻略ルートががっちり定まっていないので、順序によっては、「それは既に終わったよ」と言うタイプの台詞までしっかり用意されていて、破綻している所が無い。

しかし、探すことがテーマとなっている本作で、ニンテンドーDSの画面の小ささがプレイしていてかなり気になってしまった。
「ドラゴンクエスト6」が出た頃になると、ゲームの表現力も上がってきて、元々のマップがスケールの大きい物になっていた。
確かに上下方向には広い視野を確保しているが、カメラを回転出来るのは(迷わないようにするため)町など一部のマップだけだし、
これまでのリメイク作品のように、目的地が明確に示されているゲームと異なり、そこら辺が曖昧な本作だと、結構なストレスとなった。

さすがに当時のバランスだと今は辛く感じるためか、ダイレクトなヒントが追加されていたりするが、なんだか露骨すぎる気がする。

DS版ならではの追加要素は今回も健在。
まず、タッチペンを使ったミニゲーム、スライムカーリングは、正直面白くない。
前作のヤツの方が単純で取っつきやすくて面白かったと思う。

もう一つの、すれ違い通信を使った夢告白は、なんだか無理矢理付けましたという感じで好きになれない。
これまでのDS版リメイク作品にも必ずすれ違い通信を使った要素はあったのだが、今回のはすれ違い通信を使わせることを前提とした物である。
「ドラクエ9」でいくら流行ったからとはいえ、今回のはなんだかやりすぎの気がしないでもない。気に入らなかったらやらなくても問題ない要素なので、やらなければ良いのだが、なんか、こじつけ感が強く、あまり必然性の感じない要素である。

オリジナル版は、スーパーファミコン末期ということもあり、ドット絵のゲームとしては、高いクオリティを誇る表現力を出していた。
しかし、ニンテンドーDSのリメイク版は、荒いポリゴンとスプライト処理なので、イベントの演出や戦闘のエフェクトなどが、やはり原作負けしている部分がある。
表現の仕方が違うので、一概に比べるのはナンセンスではあるのだが、ハード性能の関係で安っぽいと感じさせてしまうのはあまりに惜しい。

スーパーファミコン版より改善されているものの、本作は特技の種類が多く、使いたい特技を中々見つからないような不満点が直されていないことが気になった。
カテゴリーなどを作って分けるべきだった。

インターフェイスやプログラム処理といった部分は使い回しだし、さらりと書いて終わるつもりだったのだが、初リメイク作品ということもあり、色々書いてしまった。
個人的には、職業の熟練度一覧の表示が淡泊な物になってしまったのが残念。オリジナル版のように、極めた職業の星マークが黄色になるようにして欲しかった物だ。そこで結論。

抜群の安定感を持った出来。プレイ済みの人もそうでない人も遊べ。





[2010/02/07]
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