ドラゴンクエスト7 エデンの戦士たち


対応機種ニンテンドー3DS
発売日2013/02/07
価格5800円
発売元スクウェアエニックス

(c)2013 SQUARE ENIX / ARMOR PROJECT / BIRD STUDIO / KOICHI SUGIYAMA / ARTEPIAZZA
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2000年夏にプレイステーションで発売された「ドラゴンクエスト7 エデンの戦士たち」をフルリメイク!!
ニンテンドー3DSの衣をまとって、どのような進化を遂げたのか気になる所だ!

規模的に非常に巨大なゲームだったので、リメイクの実現は難しいと思っていただけに、驚いたものだ。

概ね、PS2「ドラゴンクエスト5 天空の花嫁」のような路線に近いリメイク内容となっている。

元々、フィールドはポリゴン、キャラクタはスプライトだったが、キャラクタもポリゴンで描かれ、一体感が出た。
キャラクターもポリゴン化したため、台詞に合わせてモーションしたり、細かなディテールまできちんと表現されており、完成度は高い。
町の住民などキャラクタデザイン(モデリング)全般は、さすがに13年も経っているせいか、全体的に今風の画風に変更されている。が、ドラクエにしては妙に小綺麗で違和感を感じた所だ(この絵柄のほうが受けはいいだろう)。

ちなみに、失笑を買った時代遅れのムービーシーンの部分は、今回はすべてリアルタイム処理で描いている。

パーティキャラにいたっては、就いている職業ごとに、衣装が変わるようになったのも、雰囲気が出てていい。
戦闘時には、装備している武器と盾までちゃんと反映される。
ドラクエ7の転職システムは、能力値が変わるだけで、雰囲気がまるでなかったので、こういう地味な演出はかなり嬉しい。
見た目が変わることで、「そうび」コマンドを選ぶと、専用の画面に移動するようになってしまったが、画面の切り替わりがうっとうしく、「どうぐ」コマンドから装備の付け替えができるので、「そうび」コマンドは全く使わなかった。

フィールドのカメラは、かなりプレイヤーに寄せており、細かい部分までしっかり表示され臨場感もあるのだが、その分視界が狭くなり不便さを感じた。視野は大体オリジナル版の2/3から半分といった程度だ。
代わりに、下画面に周辺のエリアマップを表示することでフォローしている。ほとんど下画面のマップを見ながらプレイしている状態だ。これがなかったら、相当なストレスを受けたことだろう。

マップによっては(手前に障害物がある場合など)カメラが引くところもあるのだが、その状態だと処理落ちが発生しやすかったので、3DSの性能を考慮に入れると最適な視点は現状のものが一番だと考えたのだろう。

戦闘画面も大幅にリニューアルされ豪華になっている。
対面式だが、味方パーティメンバーも手前に表示され、FFのように敵に攻撃しに行ったりといった動きがちゃんと表現されている。
それによってテンポを阻害されるということもなく、流麗で流れるような速度を維持しながらダイナミックな戦闘シーンを演出している。
モンスターのモーションも力が入っており、バリエーション豊富に、かつ、大胆に動く。見覚えのある動きをする敵もいたりして、どうやら「ドラクエ10」のデータ資産を活かしているようだ。素晴らしい。

音楽は、全曲フルオーケストラで流れる。なんともいい時代になったものだ。

他、いくつか気になった点を述べる。

マップの種類が多すぎて統一感がない。
視点を回転できる町、城と、視点操作が出来ないダンジョン、ここまでは従来通り。

ワールドマップ(町の外)が、ドラクエ8のような等身大なフィールドに変わったため、スケール感が出て見栄えは良くなったのだが、徒歩移動に時間がかかる。
エリアごとにマップを区切るほどの大きさなのだが、デカイ割に、同じような風景ばかりで、バリエーションに乏しい。
視点の操作性も他と違っているのも気になった。もっと言うと、TPS風のフィールドマップなら、L,R同時押しで視点が北側に向くのではなく、プレイヤーの背面に回りこむようにして欲しかったように思う。

そして乗り物に乗ると、さらに縮尺の違うワールドマップに差し替わる。つまりワールドマップだけで2枚。ちょっと種類が多すぎる印象だ。

ランダムエンカウントからシンボルエンカウントに変更された。
フィールドはともかく、ダンジョンマップでは、敵の出現場所が嫌らしい位置だったり、敏感に反応し、追跡も素早くしつこいため、避けづらいものとなっている。
そのため、運が悪いと頻繁にエンカウントして、イライラする時もあるのだが、やはり、それでも、シンボルエンカウントのほうが時代に沿ったものになっていて良い。
職業熟練度が上がらない敵シンボルは、逃げていくからわかりやすいし、メタルスライムやはぐれメタルと狙って戦えるというのは単純に楽しい。

ゲームバランスは、だいぶ直しを入れているようだ。
特に転職システムでは、基本職の特技はそのまま使えるが、上級職の特技は、その職業にならないと使えないという変更が加えられた。
これによってゲーム終盤になって、いろいろな職業を極めてしまって、どのキャラも似たり寄ったりの性能になってしまう問題を上手く解決している。

オリジナル版をやったのが大昔なので、曖昧な記憶であてにならないのだが、覚える特技や呪文の数などがだいぶ変わった(減った?)気がする。後、熟練度も全体的に上がりやすくなってるように感じた。
肉弾系の特技は大半がMP消費なしで出せたが、MPを必要とする特技が増えている。が、相変わらず、消費0でも使える特技や装備品の特殊効果で強力なものが揃っているので、厳しくなった印象はない。

DS版ドラクエ6からの反省なのか、戦闘時、膨大になってくる特技・呪文の選択を楽にするために、まず「じゅもん」「とくぎ」の2つにコマンドを分けて、さらに「ダメージ」「かいふく」「その他」の3つのカテゴリから選ぶように細分化された。
こういった地味な配慮には好感が持てる所だ。

パラメータアップさせる種系のアイテムや、世界樹の葉といった高級アイテムがちょっと手に入りすぎな気がする。元からこんなに手に入ってたっけ?って感じだ。
逆に、モンスター職になるために必要なアイテムがドカドカと手に入るようになったのは良い変更点だと感じた(前は確か敵が低確率で落とすのを狙うしか手に入れる手段がなかった気がする)。

以上を踏まえて、部分部分でキツイ箇所は残っているのだが、相対的には難易度が落ちたように思った。
ドラクエのリメイク版は全般、時代に合わせてか難易度を下げる傾向にあるので、この作品だけが例外というわけではない。

各地に散らばっている石版を揃えないと先に進めないシステムだが、この石版探しが大変という声が多かったのか、ヒント機能がやりすぎなぐらい追加されている。
石版のあるマップに入ったら光って知らせてくれる石版レーダーの他に、メニューの「せんれき」から「つぎのせきばん」コマンドを選択すると、どこで何をすれば手に入るかまで教えてくれる。
他にも、次何をすれば良いかヒントをくれるナビゲーターの追加など、かなり手を加えられている。
さすがにヒントを与えすぎだという気もしないでもないが、今作は携帯機で画面の視界が狭いこともあり、これぐらいのアシストをやってもおかしくないのかなとも思う。

このように、非常に丁寧で力の入ったリメイクで、かなりのクオリティをもった作品なのは間違いない。

しかし、そもそも原作の出来栄えに疑問点・問題点を残すものだった(ドラクエにしては)だけに、そこら辺まで完全に改善することは出来ておらず、致命的な欠点も多く残ってしまっている。

原作のオリジナル版が発売された当初は、何よりボリュームがありクリアまでのプレイ時間が長いゲームが良しとされる風潮で、ドラクエ7はまんまとその流れに乗ったRPGになってしまったこと。
実際は、2000年にもなると、ボリュームのあるゲームが評価される時代は終焉を迎えていたのだが、少なくとも開発時は、それがトレンドだった。
このゲームは、ボリュームがある(のは間違いない)が、無理にプレイ時間を引き伸ばしたり、長くしようという意図があり、全体的に冗長さが漂っている。
インタビューによれば、それでもだいぶ改善したとのことだが、全体の大きな流れまで変えてしまうわけには行かないのか、やっぱりダレ気味な感覚が残っている。

転職システムがウリだが、転職するためにはいちいちダーマ神殿に戻らなければならない。FFシリーズのように不便なことはどんどん変えていくフットワークの軽いゲームが増えていた中、これは当時から既に古臭いと言わざるをえなかった。

そのうえ、ルーラが使えない場面が多く、非常に不便を感じるところが多い。

石版集めの関係もあって、過去の世界、現代の世界、最低でも同じフロアを2回まわらなければならない。

強制イベントが多く発生し、ドラクエらしからぬ展開が目立っている点。

特に、ゲーム進行によって、パーティメンバーが勝手に入れ替わってしまうこと。4人パーティなのに、最終的なパーティメンバーは5人。
終盤になると入れ替えることができるが、1人余ってしまうというのは、なんともすっきりしない。

ドラクエじゃなかったら、こういう細かいところまで文句は付けなかったのだが、ドラクエのナンバリング作品にしては、粗が目立っている。
これは、無理に巨大なゲームを作ろうと意気込んだ犠牲だったと思う。隅々まで検証して見ることが出来なかったのだろう。

ちなみに、リメイク版では細かい部分での一貫性の無さや統一感の無さ、初めての3D化ということでこなれてなかったところなどが実はかなり直されている。

後半は色々と難癖も付けてしまったが、それでもクオリティの高いゲームであることに違いはない。そこで結論。

相変わらず丁寧で豪華なリメイク作品(やはり8もリメイクするのだろうか?)。






[2013/02/17]
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