ドラゴンクエスト8 空と海と大地と呪われし姫君


対応機種ニンテンドー3DS
発売日2015/08/27
価格5980円
発売元スクウェアエニックス

(c)2004 2015 SQUARE ENIX / ARMOR PROJECT / BIRD STUDIO / SUGIYAMA KOBO
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プレイステーション2で発売され、記録的セールスとなり、大反響を呼んだ「ドラゴンクエスト8」のリメイク移植版。
今や妖怪ウォッチのレベルファイブが制作した、フルポリゴンの完全3Dで構築された箱庭フィールドの完成度の高さに、誰もが息を呑んだ名作。
3DS版は、「ドラゴンクエストモンスターズ」シリーズを制作し続けている実績があるトーセが担当している。

元々、PS2のゲームの中でも高いポテンシャルを発揮した作品ということもあり、3DSでそれを完全再現するのは、立体視非対応にしても厳しいようだ。
フィールドのグラフィックに関しては、若干見劣りする水準となっている。だが、概ね雰囲気は再現できているので問題はないだろう。

また、3DSの解像度に合わせたマップのサイズ調整をしているらしく、オリジナル版と比べると、せせこましく感じられる。
シンボルエンカウントを採用したことも関係しているのか、どうにも、フィールド上のキャラクターの操作性が、一言で表すと“気持ち良くない”。

動作がもっさりしているというか、壁際の当たり判定も広くて、良く障害物に引っかかる。

解像度の関係もあるのだろうが、カメラが近くて視界が狭く感じられるため、どうにもストレスを感じることが多い。
それから、スライドパッドが2本あるNew3DSでないと、移動しながら視点操作がやりにくいため、非常に不便である。
(拡張スライドパッドには未対応で、旧3DSではL,Rで左右回転、十字キーで視点操作が可能)

ただ、3DS版の不満点といえば、こういったビジュアルの部分と、フィールドでの操作性周りぐらい。
それ以外は、11年という時を経て、遊びやすく改良が加えられており、新要素もふんだんに盛り込まれ、いつものドラクエのリメイク版らしい出来映えになっている。

まず、イベントシーンのフルボイス化。
「ドラゴンクエストヒーローズ」に引き続いての対応となる。
しかし、キャスティングが無難過ぎて、そこまで無理してフルボイスにする必要はあったのかという気もする。
これぐらいなら、あっても無くても...という感じだ(ちなみに設定でオフに出来る)。

次に、フルオーケストラのBGM。たまにゲーム音楽としては豪華過ぎて噛み合ってないなあと感じる時もあるのだが、妥当な落とし所が他に思いつかないのでこんなものだろうと思う。

ユーザーインターフェイスが今風に進化。具体的には、分かる人にしかわからない例え方になるが、DQ10的というか、それをお手本にしたものとなっている。
錬金釜が便利な仕様になり、入れてすぐに結果が出る、入手したレシピの詳細がはっきりとしていて、素材を持っていたらすぐに合成できる等。
強さの欄に、次のレベルまで必要な経験値が見られるようになり、レベルアップするとHPとMPが全回復する。スキルポイントを好きなときに割り振れるようになっている。
フィールド上では、下画面で地図が表示されていて、一々画面を切り替えずに、マップを確認できる。
バトルでは、携帯機のDQではすっかりおなじみだが、味方パーティのステータス詳細が表示されている。
それ以外にも、台詞にフリガナが振られているのは、細かいことだが良い配慮だ。

シンボルエンカウントの採用。PS2版ではランダムエンカウントだったが、3Dで広い世界、景色を楽しむためには不釣り合いと感じたのかエンカウント率を落としていた。
それに加えて、自分より弱い敵を出現しなくするトヘロスの呪文や、エンカウント率を下げる「せいすい」のアイテムが頻繁に手に入る配慮があった。
個人的に感じたこととしては、メタル系のモンスターが捕まえやすくて、ちょっとそれ以外の敵と戦う意味が薄れたようにも感じるが、経験値稼ぎが楽になっているのは単純に嬉しい。

パーティに新メンバーとして、ゲルダ、モリーが加入。新イベント、ダンジョンも沢山追加されている。

そして最後になるが、写真撮影機能が入っていて、それを使った写真クエスト(決められた風景を写真に収めてくる)もあてがわれている。
それ以外に、撮影した写真をデコメしてそれをすれ違い通信で他のプレイヤーにシェアしたり出来る。
余計なやりこみ要素を絡めるよりかは、今回のやり方は、SNS的な面白さを重視していて、すれ違い通信を強要されないやり方で好感を持った。

なんだかんだで「ドラゴンクエスト8」も発売から11年。未プレイという人も増えてきているだろう。
PS2版を体験している人からすれば、ちょっとチープになったな...と感じる部分もあるのだが、それは3DSという環境下を考えると仕方の無いことといえる。
しかし、確実に遊びやすくなっているし、豪華な追加要素も多数用意されている。まるで新作を遊んでいるような感覚でリメイク版が遊べるのはドラクエシリーズならではと言えないだろうか。そこで結論。

いつものドラクエシリーズのリメイク版らしい、隙のないリメイク。





[2015/09/26]
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