ドラゴンクエストモンスターズ2 イルとルカの不思議なふしぎな鍵


対応機種ニンテンドー3DS
発売日2014/02/06
価格5490円
発売元スクウェアエニックス

(c)2014 SQUARE ENIX / ARMOR PROJECT / BIRD STUDIO / SUGIYAMA KOBO
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「ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド3D」に引き続き、同様の手法で「ドラゴンクエストモンスターズ2 マルタのふしぎな鍵」をリメイク移植したものである。

ゲーム的には「テリーのワンダーランド3D」をベースに、新システムや追加要素を加えた発展的内容になっており、大きな見どころはない。

主だった変更点や追加要素を軽く書く。

メニュー画面のレイアウトが見やすく改良されている。
パーティメンバーのステータス情報量が膨大で、毎回苦心していた印象だが、その情報を整理して、見やすく綺麗にまとめている。
例えば、全属性の相性を一画面でわかりやすく表示したり、スキル一覧表を1ページにまとめて見られるようにするなど(これまでは1つのカテゴリに対してページを切り替える必要があった)、
意識して見ていかないとわかりにくいことだが、前作と比べて洗練されたインターフェイスになっている。それでも全体的にごちゃっとした作りになっているのはゲームの性質上、仕方ないといったところか。

後、改善してほしいと感じた点は、特性やスキルのヘルプメッセージを、ステータス画面(配合時の結果画面も含む)やスキルポイント割り振りの画面で、直接確認できるようにして欲しかった。
ライブラリの項目で確認できるが、いちいち別メニューに飛ぶのが面倒だし、ライブラリで調べられることに気づかない人も多数出ると思われる。

戦闘では、テンションを溜めるコマンドが標準で搭載された。
これまで、テンションシステムがあるにも関わらず、自分でそれをコントロール出来ないところが細かい不満だった。
これによって、“戦ってもダメージを与えられないし、他に特にやれることがない”困った状態が解消された。

また、戦闘シーンの早送り機能が搭載されている。こういった機能はドラクエシリーズでは初めてだと思われる。個人的には取ってつけたような機能で好きではない。
バトルの演出そのものに対して、スピード感を出したり、高速化するといった方向での工夫をして欲しかった。

立体視非対応である。
3DSのゲームは、慣習的に立体視に対応したゲームが標準だったが、本作ではバッサリ切り捨てている。
物足りないという声も出るだろうが、元々臨場感が重要なゲームではないし、非対応にすることでパフォーマンスを上げるのが目的なのだと思われる。これは英断と取りたい。

他にも追加要素はあるのだが、これから述べるものは全体的にオンラインゲームになった「ドラゴンクエスト10」で受けている部分を、取り入れているといった印象を受けた。
「ドラクエ10」で受けている要素というのは、具体的にはアバターやSNS的なシステムである。

イルとルカ、男女2人から主人公を選べて、衣装を着替えることが出来る。ゲーム進行に必要な衣装もあるが、大半は様々な場所で手に入る服の型紙を集めることで着替えることができるようになるご褒美となっている。
服自体に、ゲームが有利になるような効果はなく、すれ違い通信などで個性をアピールするために存在している。
なお、男女2人から主人公を選べるのは、オリジナル(GB)版がポケモンのように2バージョン発売していて、主人公が2人存在していた名残りであって、厳密にはリメイク版で追加された要素ではない。

余談になるが、GB版では、ポケモン商法を踏襲していて、主人公の他にバージョンごとに出現モンスターが異なる作りだった。
しかし、その気になれば配合で出現しないモンスターも作れてしまうことや、ポケモンほどコレクション欲が強いゲームではないこと、同時発売ではなかったことなど、様々な理由で不評であった。
更に余談だが、当時のゲームボーイのゲームとしては法外な6400円という価格設定も、反感を買う原因の一つだった。

モントナーという魔物が序盤から仲間になる(パートナーと掛けていると思われる)。ゲーム開始時に容姿を自分で決めることが出来て、ゲーム中でもアイテムを消費して容姿を変更させることが出来る。
モントナーは、配合しても別の種族になることはない。このモントナーは、クリア後の追加シナリオにかかわってくるキャラクタで、それを遊ばせるために序盤に無理矢理差し込んだようにしか見えず、あまり好きになれなかった。

前作は、完全に自動生成式ダンジョンだったが、今回は、メインシナリオにかかわる5つの世界は固定式のマップを冒険する形になっている。
5つの世界の中には、村や町があり、情報を集めながら、未開の地へ行ったり、オーソドックスなRPGを遊んでいるような感覚でプレイできる。
但し、元の作品がゲームボーイということと、堀井雄二もあまり手をかけられなかったのか、ストーリーは薄味で、物足りなさを残す内容となっている。

フィールドマップが固定となったことで、厚みのある世界を演出している。
シンボルエンカウントだが、ただ敵が徘徊しているだけでなく、同じ種族のモンスターが寄り集まって談笑しているらしい場面や、軍隊アリが並んで行進していたり、キャットフライがホイミスライムをさらう、
大サソリがビッグサボテンを捕食するところなど、生活感あふれる演出が面白い。

これに対して、プレイヤーも敵をかわす、ぶつかって戦闘するだけではない干渉の仕方が可能となった。
十字キーに仕草が割り当てられており、「踊る」「おどかす」「しゃがむ」「くちぶえ」の4種類のアクション、また、これといった意味は無いがBボタンでジャンプすることが出来る。

敵を後ろから「おどかす」と敵は驚いて逃げていく。この時、驚いてアイテムを落とす場合がある。また、避けにくい場所に居座っている敵をどかすことが出来る。
また、先程述べた、魔物が別の魔物に襲われている時に、おどかして助けてやると、助けた魔物がお礼の品をくれるイベントが用意されている。

「くちぶえ」は、付近にいる魔物(シンボル)を呼び寄せる。空を飛んでいる敵など、近づけない敵を呼び寄せるために使う。
「しゃがむ」は、「くちぶえ」とは反対で、敵をやり過ごすアクションだ。

武器に特殊効果を付けて強化させることができるようになった。分かる人に向けて簡潔に例えると「ドラクエ10」の錬金システムがそのまま入っている。
武器に付いている星の数だけ強化できて、付けたい効果に応じて、指定された素材が必要になる。
素材は「ドラクエ9」「ドラクエ10」で登場した素材アイテムで、フィールドに落ちていたり、敵を倒したりおどかしたりすることで手に入る。

他に「ドラクエ10」から輸入した要素としては転生モンスターがある。いわゆるレアモンスターだ。
これも、アルミラージの転生にゴールデンコーン、スライムナイトの転生にハートナイトと、「ドラクエ10」を知っている人からすれば、思わず反応してしまうお馴染みの転生モンスターが収録されていて、もちろん仲間にすることも可能となっている。

他には、特定の条件を満たすと手に入る称号。「始まりの旅人」といった称号の内容や、称号獲得時の演出が「ドラクエ10」を意識したものとなっている。
また、モンスター図鑑が復活しており、一度仲間にした魔物は、スキルなどの性能の他に解説文、モンスターの動きを見るといった情報が加えられる。
モンスター図鑑の重要性について、何度か軽く訴えてきたが、これによって、図鑑を埋めようという気持ちにさせてくれるとてもいい仕組みになっている。ただ、仲間にしてないモンスターの名前を見せちゃうのは失敗だと感じた。
断っておくと、「ジョーカー」時代にもモンスター図鑑的なモードは存在していたが、図鑑にしてはちょっとそっけない情報量で、図鑑を完成させようという気持ちに持って行くには弱い作りだった。

「ドラクエ10」を意識した追加要素が多く、知っている身からすれば嫌でもテンションの上がるゲーム内容となっているのだが、ゲーム自体への評価はかなりシビアだ。

シリーズ物の宿命だが、丁寧な作り込みは伝わってくるのだが、ゲームの本質的な部分はマンネリで、新鮮味がない。
基本的に「ジョーカー2」以降、改良がメインで、出すごとにゲームシステムが洗練されていっているのだが、根本的にやっていることが変わらないので、いい加減飽きが来る。
これが初めての人なら、じゅうぶん楽しめるのだが、シリーズ通して見ると、同じことの繰り返しで、やってることが変わらない。

プログラム的にも、「テリー3D」を流用しており、多少改良されている面は見られるのだが、ベースとなっているのがDSの「ジョーカー2」なので、所々DS臭さが残っていて、3DS用のゲームとしてみると、貧弱さが漂っている。
例えば、SEや戦闘シーンの攻撃エフェクトのショボさである。さすがにこの辺は、3DSが出てもうすぐ3年が経とうとしている時に、この水準はひどいと言わざるをえない。もう少しテコ入れ出来なかったか?と思う。

ゲームバランスは、序盤と終盤が厳しい感じがした。
序盤は、配合が使えない段階で、結構キツめのボス戦を乗り越えなければ先に進めない場面があること。終盤については、ちとラスボスが強すぎるように思う。

最後に、このシリーズのゲーム内容について厳し目の指摘をして終わる。

配合を繰り返して育成を楽しむゲームだが、配合を繰り返せばとりあえず強くはなるのだが、この部分のヒントが少ないために偶然性が強い過程になり、狙った強さにするためには、相当ゲームシステムを熟知しなければならない。
そのため、普通にプレイしているぶんには、配合を繰り返してなんとなく強くなったという感触しか得られず、やっていてもピンと来ない。
(もちろん、これだけシリーズが長く続いていて、数も出ているので、配合理論などわかっている人には、的はずれな話になるのだろうが、やりこんでない人からすればこういうプレイ感覚になる)

経験値稼ぎ用(メタル狩り)パーティ、スカウト用パーティを作って、攻略していく流れにもそろそろ飽きてきた。何か変化が欲しい。

また、対戦に特化したゲームシステム・バランスを構築していったため、初期の「モンスターズ」のような、ドラクエをプレイしているという感覚から離れていって、ドラクエのモンスターが戦い合う別のゲームになってしまっているのも気になる。
ベホマラーの消費MPが本編ドラクエと比べて桁外れに高いとか、ブレス系特技の威力がイメージ通りじゃないなど、ドラクエの名前はついているが、モンスターズについては、それ自体がひとり歩きしていって、全く違うゲームへと独立していった感じだ。

そのため「テリー3D」の時にも書いたのだが、リメイクとはいえ、ゲーム内容は全くの別物といっていい代物になってしまっている。

ちょっと引いて見てみると、ドラクエにしてはシステムが複雑化してきており、ここらで一旦リセットが必要な気がしてきた。
今後このシリーズはどうあるべきか、過去どうだったかというのを書きだしたら、すでに「テリー3DS」の終わりに似たようなことを書いていたため、割愛。
そこで結論。

単体では悪いゲームじゃないが、そろそろ本質的な進化が必要。





[2014/02/13]
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