ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー


対応機種ニンテンドーDS
発売日2006/12/28
価格4800円
発売元スクウェアエニックス

(c)2006 SQUARE ENIX / ARMOR PROJECT / BIRD STUDIO / KOICHI SUGIYAMA
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自らがモンスターマスターとなり、敵モンスターをスカウトし、そのモンスターを鍛え上げ、配合を重ね最強のモンスターパーティを作るのが目的の人気シリーズ最新作。
今回はWi-Fiコネクションにも対応し、全国のプレイヤーと戦える!

ドラゴンクエストモンスターズとは、1998年に発売され、当時ポケモンの模倣と言う批判はあったものの、口コミでロングセラーを記録し商業的には大成功を収めた作品である。
相変わらず、先日発売された任天堂「ポケットモンスター ダイヤモンド/パール」のブームに乗じた感じは否めないが、完成度がどれぐらいのものか探る。

戦闘シーン及びフィールドマップは3D化されており、同社「ドラゴンクエスト8」を踏襲している。ハードの性能差を考えると苦しい部分は否めないが、非常に頑張っていると言える。
テクスチャがギザギザしており汚い印象を与えるが、キャラクターのテクスチャには相当に気を遣っており、鳥山絵の雰囲気を崩さず表現出来ていると思う。

しかし今回の鳥山明のキャラデザは、ドラクエにしては随分と主張の強い絵である。
なんちゅーか、野村哲也(=スクエニっぽい)を連想させるデザインだ。よく見たらピアスなんかしてるし、ズボンのチェーンとか。
どうも、スクウェアエニックスのマーケティングだか、広報だか、そっち方面の人間が、口うるさく注文付けたかのような。ドラクエのキャラデザは、もっと無個性っぽさがあったと思うんだが。

フィールドマップでは、L、Rボタンでカメラを左回転、右回転出来て、立ち止まってBボタンで背後に回り込ませることが出来る(視点リセット)。十字キーでプレイヤーを操作する。タッチペンでの移動操作には一切対応してない。
アナログスティックの無いDSで、3Dマップを遊ばせるには、この操作が限界であり、いかんせん快適性という面では、イマイチと言わざるを得ない。
移動時は、L、Rボタンの位置に指を伸ばして置いておかなくてはならず、少々負担が大きい。

そもそも、個人的には、DSでこのようなフルポリゴンのゲームを作ることには良い印象を持っていない。据え置き型と同じ土俵でものを作ろうとしても、負けるのは様々な面で明らかだからである。
見た目が弱いだけならまだいい、操作面に関してもこういうゲームを作ることを想定してない気がする。

2画面の使い方は非常にいい。移動時は下画面に全体マップと現在位置が表示され、上画面で3Dマップを操作する格好だ。
任天堂「スーパーマリオ64DS」と同じスタイルである。
戦闘シーンでは、上画面にバトルフィールドが表示され、下画面に、コマンドとヒットポイントなどのステータスが表示されている。
上の画面をメイン、下の画面をサブという使い方を徹底しており、遊んでいて混乱することが少ない。

上画面をメインに使っている点も非常に高く評価したい部分だ。ニンテンドーDSLiteが出たせいなのか、液晶精度の悪い下画面をわざわざメインに据えて、タッチペンで画面を直接触らせようという安直なゲームがかなり多く、そういうゲームには、良い印象を持てない(任天堂製のゲームはまずこんな頭の悪い使い方はしない)。
しかも、下画面ばっかり使わせるゲームのデメリットはそれだけではない。
上画面は、最大180度まで画面の角度を動かせて、見やすい角度に固定して遊ぶことが出来るようにしているのにもかかわらず、下画面では、それが出来ないので、本体を直接動かして見やすい角度にしてやらなければならない。
正直言って、下画面を凝視させるゲームを遊んでいると、かなり間抜けな姿勢になってしまう。
せっかく、DSにはそういう機能を持たせているのだから、それを殺してしまってどうするよ、と言いたいのである。

このゲームも完璧というわけではないのだが、このレベルにまで到達してないゲームも多く見られるだけに、もっと良い使い方をしているゲームを参考にしてもらいたいものである。

世界観は、グランプール諸島という7つの小島を舞台に繰り広げられる。
これは、ニンテンドーDSというハードでは、大陸のような巨大世界を作り上げるのが困難というのも理由の一つだろう。
画面の狭いDSで陥りやすい、似たような地形が続いて迷ってしまうこともなく、さらにメリハリのついた展開を与えることが出来ている。

しかし、交通の便が悪い割に、ルーラがドラクエ2仕様なのは納得のいかないところだ。結構あちこち行き来することが多かったので、一度訪れた島に瞬時に戻れるぐらいが丁度良い。
それに、ある程度ゲームを進めると、主人公がルーラやリレミトといった便利呪文を使えるようになるのに、同じ効果の道具が残っているのも疑問。
あまりに不便だったので、あとから付け足した名残がそのまま残っている感じがする。確かに、主人公の特技が一切使えない状態を想像してみるとゾッとする。

戦闘に関しては、ドラクエでは珍しくシンボルエンカウントを採用している。「ドラゴンクエスト8」では、エンカウントがうざったいという意見も多かったので、妥当な変更点だろう。
だが、育成を楽しむゲームなのに、経験値が溜まりづらく、配合を気軽に試せないのは最高の不満点となっている。
終盤になってやっと、はぐれメタルと戦えるエリアに入れるようになるが、時間限定な上に、入るために毎回時間内に一定数のスライムを倒せ!というだるいミニゲームをやらされる。
ひどいことに、このノルマ数は、入室するたびに一匹ずつ増えていく。まー、なんて理不尽なっ!

広いフィールドを用意出来なかったためか、難易度の上がり方が急勾配で、経験値稼ぎをしないとつらい局面が多い。特に後半のザコ敵の強さは異常。
パラメータ補正も強力で、数値が足りないと否応なくレベル上げしなければならないのも不毛にしか思えない。

たぶん、今回の開発者はマニアックなチューニングを好む気質の人間で、そういう飢餓感も、ねらい通りなんだろう(ボスにもちゃんと状態異常攻撃が当たるってのが、なんとなくそう感じさせる一例)。ただ、一般的な目で見ると、行き過ぎな気がする。

配合に関しての説明書の記述も全然足りなくて、配合すると何がどうなるのか、ただただ「有利になります」としか書かれてないのもいかがなものか。
体感的に、経験値が溜まりづらいこともあって、いったんレベルを1に戻してしまう(配合してしまう)と、なかなか元の強さに戻るまでに時間がかかり、まず経験値稼ぎのためのチームを3匹用意しておかなければならないほど面倒。
配合を重ねなくても、成長限界という概念が無いので、とりあえずレベル上げて力押しという方向に向かいやすい。
ちゅーか、あんまり今回配合するうまみが無い感じがする。結果的に配合を重ねたモンスターのほうが強くはなるが、その結果をわかるまでがかなり長い。
たとえば、回復係として育成させようとしていたモンスターが、その過程で、MPののびが悪いモンスターに運悪く転生してしまい、その欠点を補うために、手っ取り早いのがやっぱりレベル上げになってしまう。

ドラクエ8のスキルシステムも継承しており、特定のレベルになるとスキルポイントが与えられ、スキルに割り振ると、特技を覚えていく。
このスキルポイントは、今回パーティに入ってない魔物も成長していくので、気づかないうちにスキルポイントが手に入っていることがある。
しかし、ステータス画面からそれを確認出来ないし、パーティにいちいち入れないとスキル割り振りできないのは最大の手落ちだろう。スキルポイントがもらえるレベルもはっきりわからないのもどうか。 とにかく、管理関係が不便きわまりない。

このスキルを子供に持って行けるのは、3つまでで、いわゆる万能キャラは作れないようになっている。
しかし、子にどこまでスキル&特技が継承されているのかがわかりづらい。スキルそのものは確かに受け継がれているが、特技はリセットされて全て覚えていない状態で生まれるか、逆に覚えている状態で生まれるか。
このシステム設計自体は非常に面白いものだが、せっかくの仕掛けも説明不足のせいで、悪い印象を与えるものになってしまっている。ヒントがもっと多いと面白いものになるのに。

敵モンスターを仲間に引き入れるスカウトシステムは、目新しく面白いが、やはり本家のポケモンのモンスターボールに捕まえるというシチュエーションには勝てていないというのが第一印象。

インターフェイスも全体的に駄目で、特にレスポンスが最悪で、気持ちよくコマンド入力が出来ない。カーソル操作がもたついており、イライラ。レイアウトの悪さからくる見づらい画面構成も、直す余地が大いにある。
パーティを入れ替える時に、入れ替えるキャラ同士のパラメータを同時に参照出来ないのは最悪。せっかくの2画面で広く画面を使えるはずなんだが。

Wi-Fiなど通信関連について触れる。
直接対戦が出来るのは、ワイヤレス通信のみで、Wi-Fiでは、自分のモンスターを登録して自動戦闘してもらってランキングに載るだけ。これにはがっかり。
いかにポケモンが、凄いことをさも当たり前のようにやっているのかが実感出来る事例だ。モンスター交換やお見合いも出来たら面白くなっただろうに。

見栄えばかり重視したもっさりとだるい戦闘シーンといい、全体的に悪いところばかりが目に付き、いまいち楽しく遊べなかった。そこで結論。

やっつけ仕事で作ったような駄作。もっとがんばりましょう。





[2007/01/02]
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