ディディーコングレーシング


対応機種ニンテンドウ64
発売日1997/11/21
価格6800円
発売元任天堂

(c)1997 Nintendo / Rare
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Amazonリンク:ディディーコングレーシング

一言で言うとレア社版「マリオカート」と言った所。

こう聞くと、出来の悪いパチもんといった印象を持たれがちだが、驚くなかれ、このゲームは面白く、非常によく出来ているのである。

基本のゲームシステムは、確かに「マリオカート」であるのだが、コースによって3つの乗り物(カート、ホバー、飛行機)を使い分ける所、いわゆるアイテムボックスのアイテムが場所によって固定されている為運頼みのみで一発逆転を狙うのが難しい等、
細部に至るまで、“レア社風アレンジ”が加えられているため、「マリオカート」に近いようで遠いゲームとなっている。

全般的にややクセの強い印象はあるのだが、レースゲームとしてのクオリティがしっかりと高いため、遊んでいてさほど気にならない。

とにかくこのゲームの面白いところは、レースゲームに色々な要素を詰め込んだところだろう。
レースゲームとしても、通常の陸上だけにとどまらず、水上、そして空中を使ったコースがあり、まさに“なんでもあり”のノリの良さは、本家「マリオカート」でもここまではやっていないといっても過言ではない。

一人用モードである「アドベンチャーモード」では、ちょっとしたフィールドが用意されており、まさにマリオ64のようなアクションアドベンチャーの感覚でゲームが遊べる(プレイヤーは乗り物に乗っているが)。
そこで発生する様々なイベントを攻略することで、新しく遊べるコースが増えていき、中にはボスキャラクターとの一騎打ちレースが待っている凝りっぷりだ。

ただ、「アドベンチャーモード」はストーリー仕立てになっているようなのだが、始まりの部分がゲーム上で描かれていないために、明らかに描写不足なのを感じた。
ストーリーなんかなくたって全然ゲームとして支障なく楽しめるから、気にならないっちゃ気にならない部分なのではあるが、いきなり出てくるラスボスやエンディングの大団円に違和感を拭えない。
ファミコン時代のゲームでもないんだし、アドバタイズででもいいからストーリーをちゃんと描いて欲しかった。

また、それに伴ってというか、キャラクターの魅力が今ひとつ乏しい。ディディー以外はオリジナルキャラなのだが、これが一言で言うと実にレア社らしいというかなんというか、どうにも印象に残らないキャラばかり。
せっかくスーパードンキーコングのディディーを出すなら、ドンキーやディクシーがいても良かったと思うのだが...。
ちと、購買層をどの辺りに狙いたかったのか、これではわからないキャララインナップだ。

それから、対CPU戦の難易度が高め。どうやら、基本イカサマ抜きの手加減無しで走っているらしく、ちょっとでもミスすると挽回するのが難しい。
逆に、イカサマ抜きという作りであることから、CPUも人間臭いミスを起こしたりするのだが、上位のCPUはかなり賢く動くため、1位を取るのが大変である。
アドベンチャーモードの途中で挿入される、ボス戦もそうなのだが、とにかく勝つのが厳しくて、途中でコントローラを放り出しそうになってしまった。
簡単すぎるのも考えものではあるが、もう少し難易度を落としてくれると、ちょうど良かったぐらいだと思う。

途中苦言も呈してしまったが、コースレイアウトは面白いし、ギミックも豊富に詰め込まれており、かなり出来が良い。コース数も多くて、ボリュームのあるゲームとなっている点もポイントが高い。

ちなみに、このゲームと「マリオカート」を比べる人も多いかと思うが、劣っている点もあれば優れている点もある。そもそも、目指している方向性が(システムは一緒でも)異なるのだから、比べること自体が筋違いである。
そこで結論。

「マリオカート」を元に新しい風を取り込んだ作品。





[2018/05/21]
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