悪魔城ドラキュラ ギャラリーオブラビリンス


対応機種ニンテンドーDS
発売日2006/11/16
価格4980円
発売元KONAMI

(c)1986 2006 KONAMI / Konami Digital Entertainment
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コナミの看板シリーズ、探索&RPG要素をプラスした横スクロールアクション、「悪魔城ドラキュラ」も20年を迎える長寿シリーズとなり、さすがにマンネリが懸念される頃だ。
本作は、そこを払拭するための工夫がふんだんに盛り込まれ、かつ、往年のゲームおたくやシリーズファンを満足させる努力を感じられる骨太な内容となっている。

前作「蒼月の十字架」から、セルアニメを使ったキャラクタデザインになり、雰囲気が刷新されたはいいが、従来の暗めの色合いを多用した、ホラーアクションであったため、あまり生かされていなかった。
今回は、セルアニメ向けに世界観を作り上げ、かなりセルアニメとマッチしたデザインになっている。

陰鬱とした暗いドラキュラ城から舞台を広げることで、砂漠や荒廃した町といったバリエーションに富んだステージ構成にしたことで、メリハリのついた展開になり、グッとゲームの面白味が増した。
「ドラキュラ」と言えば、「ゴシックホラー」という固定化した価値観をいい意味で崩した英断は大成功したと言える。
ストーリー設定もうまく作っており、ドラキュラ城に点在する魔力のこもった絵に入り込み、力の源となるボスキャラクタを倒すことで、悪の親玉の封印された部屋への道を切り開くというわかりやすい構図も非常に評価出来る。
絵の中に入り込むという発想は任天堂「スーパーマリオ64」でやっていたが、なかなか良い所からパクって来たのではないかと思う。

操作するキャラクターは2人で、それぞれ場に合わせて切り替えて使っていくことになる。これを「パートナーシステム」と名付けている。
一人は、男でムチは勿論、剣や槍といった多彩な武器を使い、豊富なアクションと攻撃力が特徴的な「悪魔城」シリーズおなじみの性能を持ったキャラと、もう一人は、魔法攻撃に長けた、女キャラクターだ。
どちらかが極端に強いというわけではなく、それぞれ気に入った方を使っても、ゲーム進行に差し支えないゲームバランスは秀逸といえる。
基本的にはFC「悪魔城伝説」のように、切り替えてやっていくが、2人同時に出してプレイすることも出来る。その場合、CPUが操作するキャラがダメージを受けた場合、MPにダメージを受ける格好となる。
わりとCPUは優秀だが、2人行動は、敵からの攻撃を受けやすいデメリットもある。うざったいと思えば、従来通り一人だけで動かすことも可能である。

逆に2人一緒にいないと、乗り越えられないギミックや攻撃も存在する。この辺りは少々わかりづらいのではあるが、オリジナリティが出ていて良いと思う。

Co-op(協力)モードが付いているが、いわゆる同社「がんばれゴエモン」のように、本編ステージを2人同時プレイは出来ないのが残念。協力プレイ用の専用ステージのみである。
このモードは、Wi-Fiコネクションにも対応しており、インターネットを通じて遊ぶことも出来るだけに残念ではある(技術的に厳しいのだろう)。

魔法攻撃を使う女キャラクター、シャーロットの魔法攻撃が少々強すぎるきらいがあり、「ドラキュラ」シリーズとしては、難易度は低い方である(勿論それなりの歯ごたえはあるが)。
「ドラキュラ」と言えば、高めの難易度で、敷居の高いゲームバランスが売りであったが(まぁ沢山出ているだけに例外もあるが…)、今作は簡単すぎず難しすぎずの絶妙の位置にあり、シリーズを食わず嫌いしていた人間にこそ是非ともやってもらいたい代物だ。
これまでの作品でまれにあった、「これは理不尽だ」と思わせる部分が極力排除され、かなり遊びやすくなっている。特にボス戦のバランスがかなり良くなっていると感じた。

ゲームバランスもさることながら、マップデザインもやっとこなれてきた印象で、いたずらに迷うことがほとんど無くなった。
目的を見失うことがなくなり、すんなり攻略することが出来る。特にマップ周りの作りはかなり好感を持てる構造になった。

仮に迷ったとしても、クエストというやり込み要素が追加されたことで、ただマップを右往左往するだけでないプレイの幅が広がって終始退屈せずに遊べるようになっている。
特定の場所に出現する敵を倒したり、キーオブジェクトを探してクエストアイテムをゲットするなど、クエスト内容に嫌らしさが無いのも良い。

前作では、まだDS一作目ということもあり、実験作品のような趣が見え隠れしていたが、本作ではWi-Fi機能を使ってみたり、ニンテンドーDSでの開発に慣れてきた感じだ。
タッチパネルを無理に使わせることもなくなり、格段に遊びやすくなった。しかし、コマンド選択などタッチ操作にもしっかり対応させているのもさすがである。

しかし、PS「月下の夜想曲」以来だと思うのだが、格闘ゲームのようなコマンド入力によって出せる必殺技が今作で復活していることが残念に感じた。
極端に強いわけではないが、出せない人にとってはハンデになるだけであり、本作は格闘ゲームではないのだから、そういった場違いの要素は入れるべきではなかった。

このゲームに対する不満点は全くといっていいほどないのだが、もったいないと思った点が一つ。
シリーズでは恒例だが、エンディング後のおまけ要素が、勿論今回も充実しているのだが、それについて一切触れられない点である。
実は、おまけキャラによる別モードが本作にも搭載されているが、これが一度本編クリアしただけではもったいないと思えるほど、今回は力が入っているのだ。
スペシャルキャラとしてPCエンジン版「血の輪廻」のキャラクタが使えたり、本編では全く使わなかった、タッチパネルにタッチすることで攻撃するキャラモードの追加など、かなり頑張っている。
ここまで読んでもらってわかって頂けると思うが、おまけにしておくには惜しいほどのクオリティなのである。

タッチペンを使うキャラモードは蛇足と思われるかもしれないが、これが予想に反して非常に良く出来ている(クリア後の特典だからこそ許されるノリだとは思うが)。

間口の広まった絶妙なゲームバランスに、質量ともに納得のゆくゲーム・ボリューム。
毎年にように発売してきた経験によって生み出された高いゲーム・クオリティは、高評価に値する作品といえる。
ここまでやってしまうと、次回作が逆に不安になるほどである。
いっときは花形ジャンルの一つとして降臨していた2Dサイドビューアクションだが、今となっては貴重なタイトルである。これからもなんとか続けていって欲しい物だ。そこで結論。

時代に翻弄されない職人スタッフの地道な努力により生み出された傑作!!黙って遊べ!





[2009/09/17]
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