悪魔城ドラキュラ 奪われた刻印


対応機種ニンテンドーDS
発売日2008/10/23
価格5000円
発売元KONAMI

(c)1986 2008 KONAMI / Konami Digital Entertainment
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この「悪魔城ドラキュラ 奪われた刻印」は、これまで同じDSでリリースされてきたシリーズ2作と比べ、趣の異なる内容となっている。
完成されたゲームシステムに違いは無いが、変に低年齢層に媚びず、硬派な雰囲気に戻っている。ユーザーの求める物がわかってきたのだろうと思う。

セルアニメ化されたキャラクターデザインが、パッケージから勿論ゲーム上まで、原画を使って表現されている。これは、ゲームボーイアドバンス版以来のこととなる。
ちなみに、近年のドラキュラと言えば小島文美だったが、今作では異なる絵師に依頼して描いてもらっている。

要所要所に見られた、コメディーな路線は廃され、徹底したゴシックホラーを目指している。

主人公は、ドラキュラシリーズでは珍しく女性で、露出度も高めで、刻印を自身の肌に吸収する時に、髪をたくしあげたりして、なかなかエロい。これはさすがに狙いすぎだ。
しかし、個人的には、こういった暗くストイックな世界観こそ、女性主人公の方が映えると思うのだがどうだろう。関係ないが、「メトロイド」シリーズも女性が主人公である。
それだけに、ライバル役の男キャラクターの作りが弱い。当然ながらたまにしかでてこないし、設定や見た目にも圧倒的な存在感を誇るシャノア(主役)に比べ、存在負けしてしまっているのが惜しい限りだ。

これまでは、悪魔城というでかいメインフロアーがあり、そこが主な舞台となっていた。
今回は、小マップを目的地へ向けて転々と攻略していくタイプになり、探索要素よりも、ステージクリアー型の趣が強い。
しかし、真のエンディングまでたどり着くには、ただ進めるだけでは駄目で、探索をしてクリアー条件を満たさなければならない。
ここまで割り切ったのだから、探索要素はおまけにして、寄り道をしたらお得なことがある程度にとどめておくべきだったと思う。

押しつけがましさのあった最近のドラキュラシリーズの探索要素に対して、アクションの路線を強めようという方向性は高く評価出来る。
勿論、前作にもあった、クエストも健在で、やり込む楽しさもしっかり残されている。

アクションギミックやゲームシステムは、もうすっかり完成しており、本作においても大きな変更点は無く、安定した出来映えだ。
ただ一つ新しく付けられた要素として、グリフシステムが挙げられる。

本作では、武器ではなく、グリフという力を使って戦う。従来作のように、剣や槍で攻撃するのは変わらないが、両手と背中にそれぞれセットするようになっている。
背中にセットするものは、これまでの作品で言う補助的な物(移動範囲が広がるものetc)だ。
両手に装備した物は、それぞれY、Xボタンに割り振られる。ボタンを交互に押すことで、硬直なしに連続で攻撃を繰り出すことが可能である。
但し、MPを消費するため、MPが無くなってしまうと攻撃が出来なくなる。MPは、攻撃していない時に自然回復する。

このシステムを採用したことで、ヒットアンドアウェイの単調になりやすかった本シリーズのアクションの幅がグッと広がった。
うまく操作すれば、短い隙にも、圧倒的な手数で素早く連続攻撃を繰り出し、大ダメージを与えることが出来るので、テンポ良く、気持ちいい爽快感を得られることが出来る。

こういったマニア受けしそうなシステムに傾倒していることもあってか、「ドラキュラ」シリーズの中でも、難易度は高めである。
個人的には、前作「ギャラリーオブラビリンス」ぐらいの難しさが丁度良かった気はする。難しい=良いゲームでは無い。
これはこれで歯ごたえがあって面白いのだが、何度もプレイするには、少々こってりしすぎた感がある。

Wi-Fiコネクションにも前作同様対応しており、専用ステージでスコアーを競う「レース」モードと、陳列した商品を売買する「ショッピング」モードがある。
なお、タッチパネル操作は今作では対応していない。そもそも使う人がいるか疑問だったので、賢明な判断と言える。

ストーリーは今回、専門の会社に外注させているのだが、その頑張りも虚しく、相変わらず面白くない。
面白くないというか、必要ないのである。冒頭と最後にそれとなく、盛り上げる語りがあるぐらいで良いのだ。
外部のライターが関わったせいか、変に設定にこだわっていて、なんか良くわかんない台詞が目立った気がする。
知らなくてもなんら問題ないので、空回りしているだけである。
初期の頃の「ゼルダの伝説」なんかを見てると、やたら小難しいことを長々と並べ立てながらも、すんなり頭に入ってくるプロット作りをやってのける辺り、宮本茂は素晴らしいクリエイターなんだなあと、改めて偉大さに驚いてしまう。

唯一の不満点は、武器(グリフ)の切り替えがやりづらいこと。A+L,Rだが、3セットもいらないだろう。せいぜい2つ切り替えて使うのが精一杯。
しかし、武器の種類によって、敵によってダメージ量が変化するシステムがあり、2セットじゃ少々不便である。
確かDS版からだと思うのだが、剣ではダメージが通らず、槍で攻撃しないと倒せないという属性システムは、アクションゲームではいらんだろう。
この余計なシステムによって、耐性に合わせて武器を2セットに分けて、さらに飛び道具(魔法)に1セットの計3セットと必然的になってしまうのだが、先ほど書いた通り3セット使い分けるのは煩雑なのである。
それなら、2セットで済むようにシステムを作るべきだ。せっかくテンポの良いグリフというシステムを作ったのに、切り替えで阻害されては意味がない。

クリア後のおまけや、ゲーム・ボリュームは、前作「ギャラリーオブラビリンス」の方が、華やかさがあり、気持ちグレードダウンしたように見える。操作出来るキャラクターも少ないし(前作が多すぎたという話もある)。
だが、マンネリ気味になってきたとはいえ、試行錯誤して良く頑張っているシリーズである。ゲーム自体は出すたびに着実に良くなっている。そこで結論。

見た目も中身も渋いドラキュラが帰ってきた。遊べ!!





[2009/10/20]
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