キャッスルヴァニア 白夜の協奏曲


対応機種ゲームボーイアドバンス
発売日2002/06/06
価格4800円
発売元コナミ

(c)1986 2002 KONAMI / Konami Computer Entertainment Tokyo
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キャッスルヴァニアとは、「悪魔城ドラキュラ」の北米版タイトルで、今作から海外版のものとタイトルが統一された。
近年のシリーズ展開を見るところ、どうもシリーズのイメージ刷新を狙っているものと思われ、なんとも大胆な行動である。

「悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲」の系譜に乗っかった、探索型アクションロールプレイングゲームとして制作され、
すっかりこの作風が本流になってしまっている。キャラクターデザインもXの小島文美になり、かなり「月下の夜想曲」の色が強い作品である。

ゲームボーイアドバンスとしては「サークルオブザムーン」を受けて2作目となるが、様々な面でグレードアップしている。
プレイヤーキャラクターの操作性が大幅に向上し、簡単な操作できびきび動く。個人的には前作のシビアな感じも悪くはないのだが、とにかく遊びやすさ第一である。
Rボタンで右ダッシュ、Lボタンで左ダッシュを割り振られていて、ジャンプがA、攻撃がB、特殊攻撃が↑+Bと、とにかくシンプルな操作性だ。

ゲームバランスも、間口を広めた感じで、取っつきが良く、あまりこの手のゲームを遊んだことのない人でもすんなりとけ込める感じがいい。

敵クリーチャーも大きめに描かれとにかく迫力があり、特殊処理で面白い動きをする。キャラパターンは、前作の比ではない。
この辺はコナミお得意の多関節プログラムの本領発揮といったところだろう。まだまだ、コナミもゲーム屋としての腕は衰えてない。

前作で違和感バリバリであった、カードの組み合わせで特殊攻撃の効果が変わるシステムは、ゲーム中で手に入るスペルブック(炎の魔道書、雷の魔道書といった物)と特殊武器との組み合わせで様々な必殺技が発動するスペルフュージョンにリニューアルされている。
世界観的にも違和感はないし、このスペル攻撃が非常に強力なので、アクションゲームが苦手な人でも、とりあえずこれを使えば、何とかクリア出来る。数の割りに使えるものが限られている気がしないでもないが、そこはそれ、趣味の範疇だと思う。
とにかく大技をバンバン繰り出せて、気持ちいい。「月下」に続いて、またしてもごり押しの出来てしまうゲームかという懸念はあるが、救済措置としてはこんなモンだろうと思う。

グラフィックもドット絵でとにかく綺麗で、素晴らしいのだが、残念なのが音楽である。
GBAのスペックでは、使い方が悪いと音質が悪くなり、その面に関しては非常に貧弱と言わざるを得ない。
同社「グラディウスジェネレーション」でもひどかったので、コナミ全社が使っているシステムエンジンに問題があるのではないかと思う。

「月下」の系譜を強く受け継ぐ本作であるが(サークルオブザムーン以上に)、「月下」と比べ、システム周りであれこれ手を出しすぎておらず、シンプルにまとまっていて全体的に完成度も高い。
ただ、真エンディングを見る条件がわかりにくすぎると思う。「月下」の時は頑張って真エンディングを探す余裕を持たせる程度のものだったが、今作はちょっと引っ張りすぎるきらいがある。

表と裏のほとんど同じ構造の2つのマップを行き来して、片方のマップで起こした変化がもう片方のマップに影響を及ぼして、先に進めるようになるというギミックは「ゼルダの伝説」を彷彿とさせるが、
このギミックを全面に押し出している割には、そういう仕掛けが少なすぎると思う。
マップも異様に広く入り組んでいて、印象に残りにくく、どうにも作業的になってしまう。
同系統のゲームで任天堂「メトロイドシリーズ」をもっと研究すべきだ。勿論、これはこれでそれなりのクオリティを誇ってはいるが。

相変わらず隠し要素もふんだんに入っているが、おまけの程度を抜けない物で、意外性に乏しい(仕方ないことだが)。
システム的にはだいぶ余計な要素をバッサリ切り捨てて、楽しませどころがはっきりしてきたと思うので、次回作以降にさらなる期待をしておく。そこで結論。

ゲームボーイアドバンス向けのゲームとしては力作です。一見の価値あり。





[2008/07/31]
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