キャッスルヴァニア ロードオブシャドウ


対応機種プレイステーション3
発売日2010/12/16
価格7980円
発売元KONAMI

(c)2010 KONAMI / mercurysteam
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「キャッスルヴァニア」は海外でのタイトル名で、日本では「悪魔城ドラキュラ」で売られているコナミの看板アクションシリーズの一つ。
一時期日本でもこっちの題名で売り出していたことがあったので、ピンと来た方もいるだろう。

今作は、最近流行りである海外スタジオに制作を依頼して作らせているため、洋ゲー色が非常に強い。つーか手触り感は完全に洋ゲーだ。タイトルをドラキュラにしなかったのは、ロゴを作り替えたりするのが面倒だったからだろう。

制作方針や品質管理など、これまでのIGAチーム(月下の夜想曲を開発し、以降2Dドラキュラシリーズを定着させた。その前はときメモのシナリオを書いたりしていた(笑))ではなく、小島秀夫率いる小島プロダクションの一線級のスタッフが手がけている。
小島監督は嫌いじゃないのだが、ここ最近は自己顕示欲が非常に強く、日本語吹き替えの声優を身内で固めてしまったり、自身もチョイ役として参加したり、メタルギアが当たったからってやたらプッシュしたりする辺りがどうにも好きになれない。

このゲームも購入したときに、メタルギアソリッドライジングの絵柄が入ったクリアファイルが特典に入っていた。もう見た瞬間にウンザリ。メタルギアはメタルギアで面白いのはわかったから、それを別作品にまで持ち込まないでくれっちゅう話だ。
こういう売り方をするのが目に見えてわかっていたから、小島プロダクションが関わっていると情報が出回ったときに嫌な感触を覚えたものだった(彼も昔はおとなしかったのだが...)。

と同時に、コナミ内部で3Dのアクションゲームをまともに作れるのはもう小島プロダクションしか存在しない。
この会社はプレイステーション2になって開発費が高騰しだしたころから、真っ当なゲーム作りは早々に諦め、スポーツゲームと版権ゲームに傾倒していき、小島監督のメタルギアと、コナミ東京本社の(恐らく)1,2ラインぐらいしかまともに3Dゲームを作っていない(サイレントヒル、ドラキュラ、魂斗羅とかあの辺り)。
その時代にも、据え置き機に内製で悪魔城ドラキュラを出したりしていたが、3Dポリゴンアクションゲームのノウハウが乏しいこともあって惨憺たる有様であった。古株のゲーム会社としては一時的に赤字になったとしてもコーエーのように先行投資しておくべきだったと今では思う。
ビジネスとして見た場合、経営多角化を目指していたコナミのやり方は実に手堅くまともなのだが。強力なブランドとなったスポーツゲームと手をかけなくても一定数売れることが保証されている版権作品を押さえれば労せずお金が入ってくるのだからそっちに力が入るのは当然だ。

そんなわけで、小島プロダクションが手がけるのはある種最善の策だったと言える。ここでは小島監督のことをあまり良く書いていないが、彼自体がもう会社のブランドになってしまったので、自己主張が強いとかではなく、そういう方向性で売るように言われているのだろう。

で、ゲーム自体の話だが、実はそんなに書くことがない。
固定視点、武器が鎖、その他諸々、ゲームシステムのあらゆる部分が「ゴッドオブウォー」に酷似しているからだ。
かろうじて世界観とストーリーに接点がある程度で、ゲーム内容は全くの別物。良く出来た3Dアクションゲームに「キャッスルヴァニア」というタイトルをかぶせただけ。
グラフィックは綺麗だし、ゲーム・ボリュームも膨大でゲームとしては、良作というか大作という言葉が当てはまる完成度を持っている。パクリとかオリジナリティという面では残念だが、ゲーム全体のクオリティは割と高い。

しかし、大味な操作性やゲームバランスが、従来のシリーズ作品と比べると相反するもので、シビアでストイックなジャンプアクション、独特な影のあるグラフィック(雰囲気)を期待すると肩透かしを食らう。これは、シリーズファンからは“無かった事”にされそうな可能性大。

ゲーム展開が独特で、誘導が下手なところが多々あり次に何をすればよいか良くわからなくなることがある。それが原因でやられてしまうことがある。カメラワークが悪くて戦いづらい場所が目立つ。不満点はこれぐらい。

それにしても、ドラキュラを3Dにしようとするとどうしてこうも難産になってしまうのはなぜだろう?同社「がんばれゴエモン」は上手にポリゴン化に成功していたのだが…。そこで結論。

「悪魔城ドラキュラ」を期待しては駄目。「ゴッドオブウォー」ライクなアクションゲームとしては割と優秀。





[2010/12/19]
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