悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲


対応機種プレイステーション
発売日1997/03/20
価格5800円
発売元コナミ

(c)1997 KONAMI / Konami Computer Entertainment Tokyo
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悪魔城ドラキュラと言えば、コナミのサイドビューアクションの看板タイトルの一つであり、
ストイックな世界観、アクション性が特徴的なシリーズであった。
プレイステーション版では、時代の変化に合わせて、ゲーム性を大幅に再構築されての発売となった。

ストーリーやキャラクター性の強化、ゲームバランスの易化、レベル制度の導入、装備品によるプレイヤー強化など多岐にわたるが、
基本的な操作性や2Dアクションゲームとしての駆け引きのシビアさは、そのままに残されている。
たとえば、主人公の武器が鞭から剣に変わってはいるが、攻撃判定は鞭の頃のままであったり、
レベルアップや装備品、魔導器(特殊アクション)に頼らなければ、相変わらず高い難易度で遊べる等、敷居を下げたまま、従来マニアも満足という懐の広さを見せる。

ポリゴンを活用したゲームが増えてきている中で、敢えてドット絵を重視した作りで、グラフィックに統一感があり見栄えもいいし、ゲーム的にも都合が良い。
ただ、本作でも立体感や奥行きを出すために背景など一部でポリゴンを使っている。使いすぎな気がしないでもないが、元々プレイステーションは2D向けのゲームではないから、性能に見合った表現方法を模索するのは正しい。
敵キャラクタもなめらかに動き、スーパーファミコンでは性能上出来なかった、細やかな動きやスプライト処理を軽々とこなす。
この手の処理はプレイステーションが得意とするものではないので、おそらく3D的な処理をしているのだろうが、なかなかのものである。

ゲームシステムとして大きく変化したのは、RPG要素が強まったことと、面クリア型から探索型のアクションゲームになったことだ。
任天堂「メトロイド」のように、マップを探索して、ボスを倒し、魔導器を集めて新しいアクションを習得し、HP上限が上がるアイテムを取って、キャラクターを強化していく。
敵を倒すと経験値やお金が手に入り、それに応じてレベルアップや、回復アイテムを購入しゲームを有利に進めることが出来る。
このようなシステムになっているので、特にゲーム後半、キャラクタが育ちきってしまい、「何このボスよわっ」な状況が出てきてしまうのが残念。シリーズ毎度泣かされてきた死神も今作では弱い。
ただ、これまでクリア出来なかったユーザーが、これらの救済措置によってエンディングを迎えることが出来る、配慮は非常に良い傾向と思う。

隠し要素も多く用意されており、アクションの腕自体よりも、それらを探す楽しみの比重が強い。

ディスクアクセスも待ち時間はまったく無く、非常に優秀なプログラミングと言える。
相変わらず音楽もかっこいい。

褒め散らかしているが、不満点といえば、ゲーム後半の逆さ城である。
従来のマップを逆さにしただけのもので、ゲームクリアのためには、このマップも攻略しなければならない。
作り手はおそらく、これは発明だ!とでも思ったに違いないが、はっきりいってだるいだけであった。

しかしコアなシリーズファンとしては、PC-Eのマリアがこんなケバくなるなんてっ!と涙をのんだことだろう。血の輪廻の路線はそもそも不評だったそうなので、仕方ないんだろう。そこで結論。

ドラキュラはこんなにも変わった!避けていた人にこそプレイして欲しい。





[2008/07/09]
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