エンドオブエタニティ


対応機種プレイステーション3
発売日2010/01/28
価格7980円
発売元セガ

(c)2010 SEGA / tri-Ace
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銃撃多重奏ロールプレイングという独創的な大作RPGを制作したのは、コアユーザーに定評のあるトライエース。
銃撃戦をRPGの戦闘に持ち込んだらどうなるか?をコンセプトに作られているようだ。なお、発売元がスクウェアエニックスからセガへと移っている。

最近は海外市場も視野に入れてゲーム開発をおこなわれているのだが、セガはやることが露骨すぎる。
「戦場のヴァルキュリア」も、中途半端にファースト・パーソンの要素を入れていた。
むりやりミリタリーチックにすれば、海外でも売れると思ってやっているのだろうか。確かにこの内容じゃ、スクウェアエニックスに持って行っても相手にされないだろう。
寧ろセガで発売することになったから、ここまで拳銃にこだわるゲームになってしまったのか。

独特のゲームシステムと、技術力の高さが特徴的なトライエースのゲームだが、逆を言えば、クセが強く、独りよがりなゲームになりがちである。
本作も、もれなくそのような傾向にあり、合わない人にはとことん辛いゲームとなっている。

発売前の体験版では、難解なゲームシステムのくせに、解説不足で、前評判が良くなかった。
製品版でも、一応チュートリアルなど導入部でレクチャーしてもらえるのだが、説明不足な所があり、取っつきが良くない。

ゲーム中のどのタイミングでも、スタートボタンでポーズ画面に入ることで、マニュアルを確認出来る。
一見配慮の行き届いた親切な機能に見えるが、ゲームに慣れるまでは、何度もこのモードのお世話になる。やはり、導入部分の作りが下手くそすぎるのだ。
説明書なんかも、説明不足で、システムに対する解説は丹念に書かれているのだが、このゲームに関しては、どうやって遊べばいいか?というところがわかりづらい。
ゲーム独特の固有名詞が非常に多くわかりにくい。もっと直感的でわかりやすいネーミングにして欲しい。

たとえば、普通のRPGで言う、「戦う」などのコマンド入力を、状況に応じてどのように使っていけば良いのか?という点が、このゲームでは非常にわかりにくい。
つまりは、ゲームを進める際のコツが、なかなかつかみにくいと言える。拠点となる町で、有利に進める方法をぼやくNPCもいるのだが、断片的だしもっと目立つ場所に置くべきだと思う。

戦闘システムは、かなり風変わりで難解なため、文章だけで全てを解説することは難しいのでかいつまんで説明する。戦闘シーンは、バトルフィールド(空間)のなかを縦横無尽に駆けめぐり、物陰にうまく隠れるように動くなど、優位な位置取りをしながら戦っていく。
I.Sゲージというものがあり、これを消費して、インビシブルアクションが出来る。インビシブルアクションは、直線上に一定距離ダッシュすることが出来て、この間は無敵状態かつ攻撃し放題である。但し、終点まで走りきると、その分の時間経過に応じて、敵から集中攻撃を食らってしまう。
I.Sゲージは、細かいことは省くが敵のHPを削っていくと回復する。I.Sゲージが0になると、デンジャー(危険)状態となり、プレイヤーキャラ達が弱体化し、ほぼゲームオーバーと同等の状態となる(勿論状況次第では持ち直すことも出来る)。つまり、I.Sゲージをいかに切らさないように頭を使う必要がある。
I.Sゲージを使わない、直接左スティックで移動して攻撃することも出来るが、インビシブルアクションに比べ不利な面が多く、これはI.Sゲージに余裕がない時の補助的な物と思った方がいい。
この辺りの意図が説明不足で、プレイヤーに頼り切りな点が良くない。一応ゲームバランスの調整で、徐々にやり方を覚えていってもらおうという配慮は見られるが、鈍い人にとってはいつまで経ってもきついままとなる。

これに加えて、ダメージの与え方も独特である。武器にはハンドガン、マシンガン、グレネードの3種類がある。
マシンガンは攻撃力に優れており、攻撃する際に、めいっぱい攻撃ゲージを溜めて攻撃すると、とてつもない威力を発揮する。
が、マシンガンが与えるダメージはスクラッチダメージという間接的なダメージで、これを確定(実際のダメージ)させるには、ハンドガンやグレネードを使って攻撃しなければならない。
ハンドガンやグレネードは、敵に直接的な損害(気絶させたり、HPを分割させてI.Sゲージを溜めやすくする、状態異常を付加させるetc)を与えるが、攻撃力に関してはいつまでも威力が上がらない(但しグレネードは性能の良い物に関してはそれなりのダメージを与える)。
つまり、マシンガンで暫定的なダメージを与えつつ、ハンドガンで倒すという立ち回りを求められるのだ。

プレイした感じ、戦略性よりも、運に左右される印象が強く、シミュレーションゲームのような趣はあるが、ジャンルはRPGなので、結局ごり押し戦術が極端に有利であることは否定出来ない。
また、ゲームオーバーになってリトライするさい、決して安くない金を取られるというのが納得いかない。
何度も同じ場所でプレイされて、パターン化されるのが嫌だから、こういう風にしたのだと思うが、ただただストレスになるだけである。
お金を払うのが嫌で、やり直す場合、結局同じ場所を何度もやるわけで、手間と時間をかけてパターン化されてしまうだけである。
それならば、素直にリトライ機能を積極的に使わせても大差ないはずである。
このゲームを遊ぶと、「ファイナルファンタジー13」が良心的に感じてしまうから困る。

また、戦闘シーンのインターフェイスや操作性が悪いのも気になる。欲しい情報が明確に示されなかったり、わかりづらかったりetc。
武器を持ち替えて攻撃したいのに、うっかり切り替えるのを忘れてしまったり、インビシブルアクション中のターゲット切り替えで狙いたい敵に切り替えしづらく、一度ターゲットを切り替えてしまうと、溜めた攻撃ゲージも元に戻ってしまうこともプレイヤーに不利すぎると感じた。
特定の条件を満たすと発動出来るレゾナンスアタックという連携攻撃の融通の利かない操作性の悪さには閉口するばかりだった。

こちらが動くと敵も動くセミリアルタイムバトルだが、こちらが動かない時でも敵が動いてきたり、ゲームシステムの決まり事が今ひとつ曖昧で理解しづらい。

こういうRPGとして見た場合の不親切さは、おそらくプレイヤースキルを重視したゲームデザインなのだと思う。しかし本作はRPGとして売っている。もう少し、RPGプレーヤーのことを考えたシステム作りをするべきだった。

バランスも急勾配で、難易度が上がるのが早く、レベル上げや武器の改造などを強要されることも好きにはなれなかった。

戦闘シーンの演出は派手で、見ているだけなら面白い感じがするのだが、その実シビアな作りで、実際は頭を使うことが多くサクサク遊べて爽快感を得られるゲームではない。

フィールドはランダムエンカウントだが、ダンジョンは大抵どのフロアにも敵が配置されており、実質連戦を強いられる場である。

プレイステーション3とXbox360のマルチプラットフォームだが、HDマシンで、DVD-ROMを使ってRPGを作るのは、容量の制限が厳しく、本作はなんとかDVD-ROM1枚に収まるような工夫が沢山盛り込まれている。
まず、本編のゲーム自体はムービーの量も少なくリアルタイム処理のイベントムービーにしていたり、マップもさほど多くしないことで、容量不足にならない工夫をしている。
しかし、急に難しくなるので、サブイベントを攻略したり、レベル上げやシステムのコツをつかんだり、武器の改造などを求められるため、プレイ時間としては結構かかるように作っている。

フィールドマップは簡素なもので、綺麗に描き混まれたマップを徘徊するという物ではなく、記号的なフィールドにして、その代わりゲーム性を追求している。

トライエースのゲームは、映像技術のレベルが高いが、本作ではあまりグラフィックの綺麗さが感じられなかった。それどころか、チープさすら感じられるところもある。
戦闘画面の攻撃するカット演出なんかは凄い凝っているのだが。

ストーリーは、独特の世界観の割に描写不足で、シュールな演出が目立つ。カウボーイビバップなんかを意識したんじゃないかと思う。
しかし終盤になるにつれ、物語の核心に迫る段になってくると、妙にきまじめになってしまってつまらない。
シナリオも説明不足で、何度もプレイして補完して欲しいという意図なのだろうが、何十時間と苦労しながらプレイするには、あまりに負担が多すぎる。
これはゲームなのだから、アニメや映画のように、何度も見返して、考察するというスタンスはゲームという媒体では合わない。もっと一回クリアするだけでもそれなりに納得出来るぐらいの情報を与えてもいいのではないかと思う。

パーティキャラクタの名前が英語表記だったり、敵キャラクタにはリーダーが設定されていて、それを倒すと戦闘に勝利したことになるなど、全体的に「ヴァルキリープロファイル2」に似た要素が目立っている。

不親切でつまらないゲームと早計に結論づけるほどひどいゲームではないが、ガチガチのゲームバランスなど、もう少しプレイヤーに優しいゲーム作りを心がければ、間口が広くなって、遊びやすくなるゲームだと思うのだが、そこら辺が実に残念と言わざるを得ない。
章立て構成だが、次の章に進めてしまうと、サブイベントが問答無用で消滅してしまうのも、シナリオ上の矛盾が発生しないためのものだとは思うが、何とかフォローが欲しかった。

この会社は、オリジナリティの強いゲームと、独りよがりなゲームの違いを把握しないまま作品を作り続けている印象がある。そこが最も顕著に表れたのが本作だと思う。
目玉として紹介されている、イベントムービーにも反映されるパーティメンバーの着せ替えシステムなんか楽しむ余裕なんか到底無い辛いゲームであった。そこで結論。

マニア向けのゲーム。





[2010/03/18]
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