対応機種 | スーパーファミコン |
発売日 | 1995/02/24 |
価格 | 9980円 |
発売元 | タイトー |
際だった特徴はないものの、手堅い作りでシンプルにまとまった作品が、この「エストポリス伝記2」である。
前作の過去の話が描かれるものの、今作からでも問題なく入り込めるようになっている。
技術的に驚くようなことをしているわけでもなく、特別オリジナリティが高いわけでもないが、位置づけとしては中堅どころといった感じで、気持ちよくまとまっている。
「ファイナルファンタジー」シリーズに影響された箇所がいくつもみられるストーリー重視のスタイルだが、嫌味を感じるところもなく、素直に楽しめる。
少々、淡泊としすぎてる印象はあるが、非常にテンポ良く進み、マップ構成やバランス調整など、ストレスを与えないような配慮がそこかしこに見られ、感心出来る。
ダンジョンが思いっきりゼルダ。石を動かしたり、ツボを持ち上げたり、草を刈ったり等。
かならず鍵が置いてあり、それを持っていないと最深部まで行けないという仕組みも、その印象を助長させる。
もうほとんどの部屋がパズル部屋なわけだが、ダンジョンに限り、シンボル型のエンカウントで、こちらが動かないと相手も動かないという親切さ(さらにアイテムで動きを止めることも出来る)によって、イライラすることなく謎解きに没頭出来る。
こういうゲームの場合、謎かけのネタが尽きてきて、後半になると部屋内の敵を全滅させれば扉が開くという安易なやっつけ仕事になってしまわないか不安だったが、そんなこともなく、
仕掛けの数ややれることが少ない割に、終盤に来てまでも、なかなかに頭をひねらせる解き方が用意されている。
ただ、あまりにも謎解きが本格的すぎるので、そこで詰まってしまってイライラするっちゅうことはある。わかってしまえばなんてことはないネタばかりなのだけども、頑張りすぎ。
非常に丁寧に作られており、ゲームを進めて、序盤の方の町に戻ってみても、ちゃんと町の人間のメッセージが変わっていることがある。
また、横道に逸れたサブイベントも充実していて、本編以上に力が入っていて楽しめる。
何度でも遊んでもらえるよう、2周目の特典として取得経験値&お金が4倍になるモードもついており、開発者の配慮が隅々まで行き届いていると感じる。
戦闘シーンは、ビハインドタイプ(キャラクタの見える対面式)で、魔法エフェクトの演出は、なかなかに豪華で頑張っている。
コマンドのインターフェイスもすっきりしていて、使いやすい。
カプセルモンスターというシステムがあるが、本筋の親切丁寧な解説と比べると、あとから無理矢理付け足した感が否めない。
ようするに、特定の仲間になるモンスターを、戦いに出して経験値を稼いだり、アイテムを与えたりして育てていくのだが、こういったシステムがあるなら、カプセルモンスターだけで戦わせるダンジョンや闘技場みたいなものがあっても良かったはずだ。
ほかと秀でた部分は目立ってないものの、しっかり面白い。だが、残念なことに発売時期がちょっと遅かったのか、あまり話題にならないで終わってしまったようだ。
もし、PCエンジンで出していて、アニメーションの挿入にキャラが喋ったりすれば、もっと話題になっただろう(似たゲームは既にいくつか出ているが)。
そこで結論。
このレベルの作品を作るのは、簡単なようで意外と難しい。秀作。