ファイアーエムブレムEchoes もうひとりの英雄王


対応機種ニンテンドー3DS
発売日2017/04/20
価格4980円
発売元任天堂

(c)2017 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS
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「ファイアーエムブレム外伝」を、3DS向けに今の技術でフルリメイクしたもの。

同じハードで出した「ファイアーエムブレム 覚醒」「ファイアーエムブレム if」のシステムエンジンを使っているようで、UIや演出周りなどほとんど踏襲している。
(せっかくなので、もう一本ぐらい、軽くリメイク作品にでも手を出して、作ろうと思ったのだろう)

フルリメイクと言っても、ゲームシステムやゲーム内容まで大幅にチューンナップすることはなく、基本は原作に忠実に作られている。
「ファイアーエムブレム外伝」は、シリーズの中でも、特殊なルールを採用しているゲームなので、最初は戸惑ってしまうかもしれない。
(アーチャーの攻撃範囲、HPを消費して魔法を唱える、回数制ではない武器等)

ただ、何から何まで同じというわけではなく、例えば僧侶系キャラは、回復魔法を唱えると経験値がもらえる(FC版はもらえなかったハズ)、
すっかりおなじみとなった支援効果(支援会話)の追加、装備品を使い込むことで覚えられるスキル、錬成による武器強化、といった追加要素などで、遊びやすく改良を加えられている。

また、貧弱だったストーリーに至っては、相当なテコ入れが行われており、ここだけは別物と言って良いぐらい作り込まれている。
イベントシーンの会話はフルボイスとなり、集められた声優も有名所が多く、非常に豪華な代物となっている。

逆に、「ファイアーエムブレム」の新作として期待して買うと、肩透かしを食らってしまう可能性がある。

個人的にも、「ファイアーエムブレム外伝」をリメイクすると聞いたとき、今風のキャンペーン型シミュレーションRPGになると想像していたため、
ここまで原作準拠な内容になるとは思っておらず、拍子抜けしてしまった。

それと同時に、「この内容は今のファンに受け入れられるのか?」と、少々心配になってしまった。

近いゲームだと、GBA「ファイアーエムブレム 聖魔の光石」が、外伝に近いシステムを採用していたが、基本はキャンペーン型の構成だった。
(予想としては「聖魔の光石」に近い内容になるのではないかと思っていた)

それに比べると今回は、武器の三すくみが無く、キャンペーン型と比べると、マップや敵配置もイマイチで、合間にダンジョンの探索要素や、ワールドマップのコマ移動が入っている。

まず、ワールドマップのコマ移動は、ターンを消費して自軍を移動させるのだが、一定ターン経過ごとに敵が出現しこちらに進軍してきたりするので、無駄な戦いを避ける場合は、考えて移動しなければならない。

また、ダンジョン探索は、フルポリゴンのフィールドをRPGのように自由に移動して探索できる、今作オリジナルのリッチな仕様。
エンカウントはシンボルエンカウントで、上手くやれば敵を避けて探索できる(FC版では固定エンカウントだった)。
だが、FE形式の戦闘をエンカウント形式でやられると、正直うっとうしい。クラシック設定で遊んでいる場合は、味方を死なせてしまうと帰ってこないので、ザコ戦でも気が抜けないし、少々頭を使うため疲れる。
それに加えて、ある程度取得経験値をコントロールしたかったのか、同じキャラが戦い続けると疲労状態になり、食べ物を食べないと回復しないという要素まである(ダンジョンを一度出ると全回復する)
疲労システムは、思い切って無くても良かったろう。

ところどころ遊びやすく改善を施しているものの、基本的にはファミコン版に準じた内容なので、バランスや作りに荒さを感じる部分はあるかもしれない。
が、それは意図的なものだろうと思われる。

それから最後になるが、「ミラの歯車」という戦闘中に時間を巻き戻して、好きなところからやり直すことが出来る機能が新要素として追加されている。
個人的には邪道だと思っていたのだが、味方がやられてしまった時などに即リセットしてやり直しではなく、時間を戻してやり直せるという選択肢が追加されているのは、優しい配慮だと感じる。
自分も邪道だと思いつつも、何度か使ってしまった。これは、発明だ!!(勿論、回数制限はある)

ファンの間では、このシステムの導入に賛否両論が巻き起こりそうだが、個人的には今後、標準搭載してもいいと思っているぐらい、良いシステムだと思う。
確かにこれによって、一手の緊張感は激減してしまう。が、もうシビアなシステムをすべてのプレイヤーに強要させる時代でもないだろう。難しい話だが、あって困るシステムではない。

そこで結論。

「ファイアーエムブレム外伝」のとても良いリメイク(新作を期待して買うと期待はずれに終わってしまうかもしれない忠告は入れておく)。





[2017/04/28]
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