ファイアーエムブレム 新・暗黒竜と光の剣


対応機種ニンテンドーDS
発売日2008/08/07
価格4800円
発売元任天堂

(c)2008 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS
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任天堂の人気作品「ファイアーエムブレム」がDSへ進出!
意外にも、DS発売からもう何年も経っているが、DSでこのシリーズは全く発売されていなかった。
よそのメーカーだと、キラーソフトをそろえるために、早々に投入するものだが、沢山のドル箱タイトルを抱えている任天堂らしい余裕である。

新作ではなく、初代ファミリーコンピュータ版のリメイクである。スーパーファミコンでもリメイクされているので、2度目となるが、スーパーファミコン版はシナリオ追加に伴い、元々のファミコン版の部分をいくつか削って収録(キャラクタ、ステージ)していたので、完全な形で入っていたわけではない。

システムベースは、最近の物を基本としているが、飽くまでファミコン版の内容を踏襲したいのか、「スキルシステム」「馬乗ユニットの再移動」「支援効果」といった要素は削除されている。
便利だった仲間を「救出」するコマンドも無い。

このように、シンプルな内容に回帰していながらやっぱり面白いのは、元々のゲーム内容の完成度が高いからだろう。

逆に、好きなキャラクタを好きなクラス(職業)に変えることが出来るシステムが入っている。
全員馬乗ユニットみたいな偏った構成は出来ず、制限は厳しいが、ゲーム本編の攻略法とキャラ育成の自由度が無限に広がったと言えるだろう。
勿論、これを全く使わないでクリアすることも出来る。

インターフェイスは以前発売されていたゲームボーイアドバンス版に近い物があり、ダブルスクリーンによって、さらに快適性が増した。
GBA版と挙動が若干異なる部分があり、慣れるまでは違和感があるが、慣れてしまえばなんてことはない。
ユニットのステータス画面とマップを同時に参照出来る快適性は、ニンテンドーDSならではの強みといえるだろう。

タッチパネル操作にも全面対応しているのだが、ボタン操作でも問題なく遊べる。多くの人はボタン操作で遊ぶだろうところを敢えて、タッチペンにも対応させる力量はさすが!と言わざるを得ない。

グラフィックスは、マップや背景はドット、ユニットがポリゴン表示(戦闘、非戦闘)である。
描画形式が違うので、浮いたような印象を与える。しかし、その分戦闘シーンのアニメーションはなめらかである。
出来ればドットで見たかった…というのは、昔から遊んでいるプレイヤーのわがままでしかない。
マップ上でのシンボルとしてもわかりにくいということもなく、ユニット(キャラクタ)ごとの特徴をしっかり描き分けることが出来ている。

画面の明度調整がオプションに備わっているが、初期設定だと暗すぎる。めいっぱいまで明るくして丁度良いぐらいだ。
グリッドが大きめに書かれているかわりに、DSの画面サイズでは一度に表示出来る部分がその分、減ってしまうので、マップ全体を把握しづらい面もある。
この辺は仕方なかろう。

これまでDSで移植、リメイクされてきた作品の傾向に漏れることなく、この作品も、わかりやすさや万人向けを最も意識して作られ、細かい部分での些細な配慮の数々が好印象を与える。
ストーリーや内容も一作目をベースにしているだけあって、王道で(いい意味で)単純で、非常に遊びやすい。

GBA版以来の復活となる、友達との通信対戦やWi-Fi通信の機能も非常に充実しており、他の人が育てたユニットをレンタル出来たり、それだけでもかなり遊べる内容になっている。

キャラクターデザインに士郎正宗氏を起用しているのだが、これまでとは路線が違う感じだ。一般受けを狙った感じが、逆に行きすぎてずれてしまったように見える。

最初に難易度を選べるが、ノーマルとハードの分け方は良い。ハードを選ぶと、その中でさらに5段階の難易度を選ぶようになっているのは分けすぎだ。最初はノーマルとハード(☆1)だけでも良かったろう。
また、マップ上に魔法陣があり、そこでは魔法陣を消費することで途中経過をセーブすることが出来る(中断と違いデータは消えない)が、これはやりすぎだと感じた。
やりすぎだと感じるのは、以前からこのシリーズを遊んでいるせいだろう。単純にこれまでがエグかったと言えるのかもしれない。
セーブ出来るタイミングは自分で決めれるが(回数に制限が付いている)、ポイントの置き方はかなりうまい。
この辺の絶妙さは、コナミの定位置復活型のシューティングゲームを思い起こさせる。

新しい要素へ色々とチャレンジしつつも、基本をはずすことなく作られているので、しっかり面白い。困った物だ。そこで結論。

安定して面白い。元作を遊んでいてもプレイすべし。





[2008/08/20]
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