ファイアーエムブレム 暁の女神


対応機種Wii
発売日2007/02/22
価格6800円
発売元任天堂

(c)2007 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS
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シミュレーションRPG(メーカー的にはロールプレイングで売りたいようだが)の有名シリーズ、ファイアーエムブレムの新作が、なんと早くもWiiで登場である。

Wii固有のリモコンポインティング操作などは一切使わず、Wiiらしくない異彩を放っている。

察しのいい方はお気づきだと思うが、元はゲームキューブで開発していた作品だろう。
ほかにも任天堂は、ゲームキューブ用作品を早々にWii用へと移行させたケースが多くある。
このゲームは、幸いにも(?)表沙汰に発表されなかっただけではないだろうか?

よって、リモコン操作を想定したインターフェイスではなく、従来型のままで、クラシックコントローラとゲームキューブのコントローラにも対応している。
おそらくは、後者でのプレイ環境を暗に推奨しているのだろう。

一応リモコンで、縦横どちらでも操作出来るようにしているが、ボタン数が足りなくて、おせじにも快適に遊べるとは言えない。

これならば、Wiiで発売する意味はないだろう、と言う人も多いだろう。
だがあえて、任天堂がお手本を示す例として、この時期に発売する意義は大きい。

残念なことに、ニッチな作品というか、それほど注目度も存在感もないのが、あまりお手本として効果的に作用していない。

Wiiは画期的なハードだが、そこに縛られすぎてもいけない。

DSが出た時も、意味もなくタッチ操作をさせるゲームが初期には氾濫し、がっかりさせられたものだ。
最近は、さすがにさじ加減がわかってきたメーカーが増えてきてはいるが。

ゲーム内容は、すでに完成の域に達しているシリーズなので、もう今更語ることはない。

携帯機での展開をはさんでからは、据え置き型の2作目であり、見た目も中身も前作(ゲームキューブ版)と特筆するほどの違いもない。

強いて言えば、前作が久しぶりの据え置き機で、ポリゴン化など挑戦的な作品だったものの、今作ではこなれてきていて隙のない出来映えになっている。

ビジネス的な観点から言えば、世界観とストーリーが前作の続き物というのは、非常に惜しい。
ハードも変わって、仕切り直しって時に、前作と密接なつながりを持たせた作品は、間が悪い。

キャラクターも前作の登場人物がかなりの割合を占めている。そういや、キャラデザ変わった?

これが困ったことに、前作を遊んで内容を理解してないと、ついて行けないぐらい濃いというのがイタイ。
正直、経験者でさえ発売日に一周した程度のプレイヤーでは、なにがなにやらわからないなんてこともあるほどだ。

そんなわけで、用語集や人物相関図というメニューが追加されている。
なんて仰々しい!なんて思っていたが、これがないと意外とシナリオを把握するのが難しい。それぐらい濃いのである。

新要素として、高低差を付けたマップの存在がある。
これを発表された時に、巷に多くあふれるタクティクスオウガ系のゲームのように安易にでこぼこしたマップになるのではないかと危惧したが、そういったことはなく上手に新しく面白いゲーム性として違和感なく挿入している。
ただ、3Dならではの立体感溢れたマップというのは今回も味わえない。
基本ルールが定まっている作品なので、あれこれいじれないのだろう。というか、いじっちゃいけないのだろう。

このシリーズでは初めて、複数視点で物語を見ていく構成を取っている。
ひとりの主人公の視点から見ていくのではなく、ストーリーの展開にあわせて、パーティメンバーがころころと入れ替わる。
場合によっては、仲間同士で戦いになることも!(ちゃんと回避は出来る)

少々、流れが全体的に強制的な気がしないでもない。
沢山のキャラクターを使うことが出来る(逆を言えば使わされる)反面、感情移入や思い入れを持ちづらいものになっている。

音楽は、前作と比べ、抑揚があり繊細でバリエーション豊富な音色で、全体的にレベルアップしていると思う。
少なくとも、長時間きくことになるゲーム音楽としても、聞き飽きる、耳障りに感じることはなかった。

目に見えた改善点としては、ステータスの詳細がより明確になったことと、支援効果の発動の有無がエフェクトで明示されるようになった点。
また、敵味方の表示区別がリングで色分けされていたのが、HPバーによる色分けも選択出来るようになった。
これは、スクウェア「フロントミッション」シリーズが、10年も前から採用していたスタイルと一緒である。
気になった点は、まれにメッセージ送りが自動でおこなわれる部分があり、設定で表示を最速にしていると、読む暇もなく一瞬でとばされてしまうところ。

ゲームボリュームもものすごく膨大で、クリアするだけでも80時間を越してしまった。
これは、70時間の「天外魔境3」、69時間の「ファイナルファンタジー12」を軽く上回るプレイ時間だ。
シミュレーションRPGは、長時間のプレイになりやすいジャンルではあるが、それにしても、かなりの分量を誇る。
各キャラクターをまんべんなく、意識して均等に育ててきても、終盤はほとんどのキャラのレベルが成長限界に達してしまうほどの長さである。

今回も難易度選択があるが、シリーズ経験者向けというハードモードの難易度は前作と比べて、かなり上げているようだ。
序盤から手加減なしで、随分とゲームクリアするだけでも難儀してしまった。
これは名称どおり、ハードモードなのだろう。初回プレイはノーマルが無難だったかもしれない。

前作もそうだったが、終盤のボスが極端に強く、特定のキャラクターを使わないとクリア出来ないというのはどうにかして欲しい。
どうも、難しくしすぎな気がしないでもない。
せっかく苦労して育ててきたキャラクターでも全然歯が立たないというのはどうかと。
その領域にたどり着く前までは、使えるキャラだったのに、とたんにまったく使い物にならなくなるというのは行きすぎに思う。

シナリオパートについても、ゲームパートについても、十分満腹になるほどの分量、水準で、相変わらず良くできたゲームである。
逆に、そういった意外性のなさが欠点でもあるのだが、露骨なマンネリさを感じさせず、やり始めればなんだかんだで夢中になってしまうのも事実。
そこで結論。

目新しさはないが、安定株。期待は裏切らない作品。





[2007/03/08]
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