ファイナルファンタジー11 ジラートの幻影


対応機種プレイステーション2(HDD必須)
発売日2003/04/17
価格3980円
発売元スクウェアエニックス

(c)2002-2003 SQUARE ENIX
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鳴り物入りで登場したシリーズ初のオンラインRPG、
ファイナルファンタジー11の拡張データディスクが、運営開始約1年で遂に登場。

追加内容は、新エリア、新ジョブ、ストーリーの追加、と
一通りの物が追加されていて、まさに拡張の名前通り、
これを入れることで、内容が一回り大きくなる。

開発者の話によると、ジラートの幻影までが本来想定していた内容なのだそうだ。
確かに、露骨に先がありそうな場所や地図に描かれているのに
行くことの出来なかった(エリアの表示が無い)場所に
新エリアが用意されており、ようやく全貌が見えてきた気がする。

ただ、そうなるとますます無印版の発売が完成を待たずして前倒しで出した線が
濃厚となってくる。
ここで問題としたいのは、構想があるのに内容を出し惜しみした所ではなく
(そもそも、オンラインRPGでそういう手法を取るのは当たり前である)
主にプログラム面から未完成バリバリの雰囲気を醸し出していたところであって、
もう1年(つまり2003年)練り込んで発売すれば、しっかりした内容でスタート出来たのでは無いかという
ことである。
よーするに、ジラートの幻影発売前の運営はなんだったんだと、言いたくなってくる訳だ。

ゲームバランスやシステム周りの調整がかたまってくるのにも実際1年かかっているわけで、
どうにも急ぎ足で出してしまったように思えてならない。

また、そういうバックボーンがあるせいか、
一応体裁としては、中レベル帯(LV30程度)で楽しめるように作ってあるが
実際は追加内容のその殆どが高レベル者向けであり、
拡張版に合わせて、新規プレイヤーを取り込むべく、
セット販売や、販促活動が積極的に行われたが、
これらに合わせて始めた人が不憫でならない。

特にシナリオ関係は、完全に無印版の続きで、
ラスボス(だった相手)を倒しておかないと全く続きを見ることが出来ない。
これは、あまりにひどすぎると思う。
一口にクリアといっても、通常オフラインのRPGをクリアするのと比較するのが
馬鹿らしくなるぐらいの時間がかかってしまうために、おいそれとクリア出来る物では無い。
ストーリーそのものは、無印版からの話が完結したりととにかくもの凄い盛り上がりを見せ、
こなれてきたのか無印版以上に見応えもボリュームもある出来映えになっている。なんとも勿体ない。

しかし、そういう偏った内容なのが分かっているのか、
発売後のバランス調整で、中レベル以降の拠点であったジュノ周辺の
レベル上げポイントの敵を軒並み強化して、
実質ジラートエリアでのレベル上げを強要し始めた。
はっきりいって、これにはがっかりである。
つまり、「買わないとゲームになりませんよ」というお告げである。

このゲームは、移動に破滅的な時間がかかるわけで、
それまでは、それを分かっているのか近場にレベル上げの場所を配置してくれていたのに
ジラートエリアはほぼ全てが辺境という設定でマップの隅っこばかりである。
一応新たにテレポで移動出来るポイントが設けられたはいいが
それでも(場所によって差はあるが)移動時間に負担を強いられるようになったのは事実。
それに、辺境という設定のせいか、アクセスが不便極まりなく、テレポが出来ないと
とんでもなくそこに到達するのが辛い。
この辺り、エリアを追加したツケがまわってきた感じがする。

レベル上げに於ける狩り場のデザインも今ひとつつまらなくなったようにも思う。
無印時代でも、高レベル帯では殆どがスケルトン族ばかりで不満も多かったが
終盤(LV60)になると、ラストダンジョン(だった場所)で、アーリマンが相手になったり
敵族の拠点の一つ、ダボイの最奥にいる最強のオーク族と戦うなど
なかなかの盛り上がりっぷりを見せた。
このように、最大LVまでに一通りのダンジョン(エリア)を巡るようになっていた。

もちろん、スペースや敵のキャパシティが足りずに
せせこましい場所で他パーティとの敵の取り合いといった致命的な欠点もあったが、
なにも既存エリアを捨て去る必要性は無いのである。
ジラート以降のレベル上げでは、このような問題はわりと解消されているが、
レベル上げの場所が前に比べるとなんだか固定的で、
訪れる箇所が少なくなってしまったように思う。
特に高レベルになるとほとんどがボヤーダ樹であり、はっきりいって飽きる。

無印版では、ゲームをすすめるにつれ、難易度が段々上がっていくと指摘した。
今回の拡張は主にその続きであるが、その指摘は確固たる物となった。
新シナリオを見るためのイベントは、かなり難しく、高度な操作を要求される。
また、ボス戦では、敵も最大6体で襲いかかってきて
どういう順番で戦うかなど、1体相手でも比較的シビアな方なのに、
これのせいでさらに高い戦術と操作を求められる。

本作発売時に最大LVが60以上(最大75)に引き上げられたが、
同時に60以降の取得経験値が露骨に減らされるといったあまりにあからさまな措置が取られたのだが
これはさすがに多くのプレイヤーから不評を買ったためか、わずか3ヶ月で修正されることとなった。
但し、レベルアップまでの必要経験値の量はさらに膨大に引き上げられており、非常に大変。
もう、この時点で廃人向きと言われ続けたエバークエストを遙かに超える勢いである。

他にも新ジョブを取得するクエストを筆頭に新たに追加されたクエストや
一般プレイヤーでもレアモンスターと戦うことができてレアアイテムを取得出来る
BCNM戦が定着してきたこともあり、
全体的に何をするにもそれなりの人が必要になってくるようになって来た。

そこで当初から用意されていたリンクシェルというグループに所属しているかしていないかで
かなりプレイに差が出ることになった。
所属していれば円滑にゲームをすすめることが出来るが
所属出来ていないプレイヤーは、強い孤独感を味わうという
閉塞的なコミュニティができあがってしまったように思う。
(新規のプレイヤーがなかなか入ってこないのもそれに輪をかけてしまった)

そして、コミュニティ関連でもう一つ大きな動きがあって、
とうとう海外でもサービスが開始され、
言語別にサーバーを分けることもせずに混同させてしまったことにより、
言葉の壁ができあがってしまい、日本人のみで気兼ねなく遊べるという
メリットが失われてしまった。

これは好みによるだろうが、文化や言葉の違いによって敷居が高くなったのは事実である。

追加エリアに関してだが、目新しい風景だと感じられたのは砂漠ぐらいで
それ以外は既存エリアをやや作り替えた程度だったり、
あとはテクスチャーをそのまま使いまわしただけのエリアが大半であり、つまらない。
また、新モンスターの数も少なく、新エリアでもお馴染みのモンスターばかり配置されており
なんとも面白味が無い。

新ジョブも忍者や召喚士など面白そうなものが目立つが、実際は趣味レベルであり
またもきっちり調整しないままに出してしまったという感じで、
きちんと整われるまで、だいぶ待たされるというていたらく。

待ち望まれていた対人戦や裏世界も追加されたが、どうにも空回り。
特に裏世界は、マニア向けプレイヤーに用意された要素で、
高レベルプレイヤーが大人数で攻略する高難度のプライベートダンジョン。
ここでは高性能なレア装備品を手に入れることが出来る。
しかし、これをクリアすることすら大変な上に倒した敵(雑魚敵でも可)がアイテムを落とす確率は低く
大人数(最大64人)で挑むこともあって、手元にまわってくる確率はさらに下がる。
また、PS2のハードウェアでは他プレイヤーの表示人数に厳しい制約がかかり
状況が把握出来ぬままなぶり殺しにされるというような理不尽さも残る。
グラフィックも、既存の物を使いまわしただけで、随分いやらしい作りである。

なんだか、徹底的に叩きつけてしまったが、勿論こまかな改善点もあって、
確実にある程度の高レベル帯までのレベル上げの負担は以前より軽くなってはいる。
しかし、その先にあるものは、これまで以上に難関なものばかりで、
無印版以上にマニアックな作りなのは否定出来ない。

全体的に成熟してきたが、相変わらず大変なゲームです。





[2005/01/20]
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