ファイナルファンタジー12


対応機種プレイステーション2
発売日2006/03/16
価格8990円
発売元スクウェアエニックス

(c)2006 SQUARE ENIX
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超大作RPGファイナルファンタジーのナンバリング作品が久々に登場。
原作/原案は、「タクティクスオウガ」「ベイグラントストーリー」など、名作・奇作を送り出してきた松野泰己。
サントリー「ポーション」のタイアップ、アンジェラアキ、葉加瀬太郎の起用と多方面に渡る話題の提供にも事欠かない作品となった。

まず本題の前に、CEROの査定が全年齢なのがどうも納得いかない。剣で人を切ったりしてるんだが…。
どう甘く見積もっても12歳以上推奨だと思うのだけど、ファイナルファンタジーという顔パスで通してしまったような気がしてならない。

前作のFF11の発売から丸4年も間が空いてしまっている。これはいままでシリーズ作品の性質上、考えられなかったことだ。
スクウェアという会社が、ファイナルファンタジーを柱に経営を成り立たせていたものが、エニックスとの合併や、他タイトルの成長によって、FF一辺倒でなくともなんとかなる企業体質へと、事情が変わってきたから出来た芸当だろう。

ただ4年放っておいたわけでもなく、尋常じゃ無い作り込みを見せ、ちょっと触っただけでも並々ならぬ意気込みを感じさせる。
ゲーム分量も相当な巨大さで、FF10の3倍のデータ量はあるといっても言い過ぎでない膨大さである。とにかく凄い。

そして、これは本当にプレイステーション2で動いているのか?と思ってしまうほどの高次元の処理を軽々とこなす。
一見きつそうな処理でも、全く処理落ちするところはないし、他社製品ではいっぱいいっぱいでこなしていることも、このゲームではさも当たり前のように動かしているのだから、驚きである。

システムはFF11をベースにしたもので、戦闘画面への切り替えがないシームレスバトルとなっている。
これは、発表当時は珍しかったものだが、SCE「ローグギャラクシー」やバンダイ「.hack//」辺りに先を越されてしまい、どうにも今更感があり惜しい(その分頑張っているのだが)。

FF11と基本的な部分はほとんど同じだが、スタンドアローンの一人用にあわせて、結構変えられている。
元々は、エバークエストの亜流で、本来のFF11では、多人数いるのが前提なので、もっとタイトなバランスなのだが、こっちでは敷居を下げる意図もあり、フランクな内容である。
目新しい割に、やっていることは古く古典的な作りで、意外と地味なゲーム。
中盤ぐらいから、妙にボスが強いなと思っていたら、どうも、せっかく沢山マップを作ったんだから、もっと見学して時間潰してこいって言いたいようだ。
装備品やレベルにかなり強さが依存されているので、ちょっとやそっとの小手先の工夫だけでは倒せないボスのしぶとさのせいで、根負けしてしまう。

結局、モンスター討伐などのサブイベントをこなしながら、未踏のエリアを探索して、目の前にいるザコモンスターを倒し、ひたすらポイントを稼ぐというだらだらしたプレイになりがちである。
そして、脇道に懲りすぎて、気が付いたら強くなりすぎてしまい、ごり押しでボスを倒していくという、なんともつまらない展開になってしまう。
なんというか、怠い。そして、プレイ時間を無駄に水増ししているような、このバランス調整がどうにも好きになれない。

ライセンスボードは、なんちゅーか出来の悪い「スフィア盤」みたいなもので、よっぽど意識してやらないと個性が出ないし、能力の底上げなど必須のマスを優先してやっていくせいで、さらに似たり寄ったりのキャラクターに。
FFにしては、装備品もアビリティーも少ないし、ユニークさに乏しいのも物足りないところ。

ガンビットというAIの行動ルーチンを自分で設定していくモードがあるが、もうちょっと細かく設定出来ると良かったのだが。
あまり複雑にすると使って貰えない不安からだろうが、○○の状態なら○○というだけでは、結局は重要なところは手動でコマンド入力し、多くの人はオートケアルぐらいしか使い道が無かったのではないだろうか。
この項目を増やすにも、お金や経験点を使う必要があって、これぐらいは最初から好きにやらせてくれよ!とさえ思う。

戦闘では、状態異常の数がやたら多く、万能薬など一つのアイテムで回復出来ないものもあり厄介。
ひとりよがりでわかりにくいものもあるし、パラメータ調整もインフレが激しく素人がやってるのではないかと思ってしまうほどだ。
弱いモンスターを多く倒す方が良いっていう経験値の設定も納得いかない。
飛行モンスターは弓や銃じゃないと攻撃が当たらないとか、NPCが自分で避けるほど頭が良いわけでもないのに、地雷トラップを設置されていたりと、よせばいいのに余計な要素を付ける。
地雷のトラップなんかは、ただレビテトの魔法を出したかっただけな気がする。
必殺技システムはあとから強引に付けた感じだし、なんだか、浅はかでいびつなゲームデザインなんだよなあ。

敵を倒しても、お金は得られない辺りはMMORPGを意識していて、かわりに落とす戦利品を売却することで収入を得る。
結果的には同じことだが、強いモンスターがもれなく沢山のお金を持っているっていうのもおかしな話だし、これはこれで良い。

丁寧な作り込みが目立つのだが、踏み込んでみると各要素すべてにおいて作り込みが甘く、適当なところで切り上げて出してしまったような粗が気になってくる。
カメラ操作が、ノーマル/リバースと切り替えられないのもなんだかねぇ。同社のキングダムハーツ2とかでは切り替え出来たのに。
この項目は、自分に合った操作で出来ないと、もう慣れてもらうしかないので、絶対に好きな方を選べるようにすべきだった。

フィールドはかなり広く、逆にゲームを遊ぶ上で、広すぎず狭すぎずの絶妙の辺りにあり、なかなか良い調整が出来ている。
マップのバリエーションも豊富に用意され、かなり時間がかかるのだがフィールドをぞうきんがけするのも結構楽しい。
洞窟などダンジョンへの出入り口が一つだけでなく複数箇所に繋がっていたり、良い意味でRPGのお決まりを破っての世界観の構築は、本当に画面の中に等身大の世界があるのではないかと錯覚してしまうほどのリアルさを感じさせる。素晴らしい!!
しかし描き込みがすごくて、かなり迷うし目が疲れるっていう弊害はある。あと、マップ切り替えのロードは少々長め。

グラフィックの画質もかなりのクオリティの高さで、イベント時の映像は特に髪の毛の自然さが凄い。フェイシャルモーションも完成系に達したと言える。
リアルタイムとムービーの2種類だが、なるべく違和感を出させない工夫もかいまみえ、嫌な感じはそんなにしない。
ただ、ちょっとスターウォーズっぽすぎないか!?

主人公やヒロインといったキャラには一般の役者に声を当てさせているが、この傾向は好きになれない。
「ゲームはアニメとは違うんだ!」って言うゲーム開発者のエゴとしか思えない。
わざと一般俳優にして、感情移入させようって考えだろうけど、ひたすら演技力不足なところが目立つばかり。何とかして欲しい。

全体を見ると、非常にしっかり出来たゲームではあるが、変に抜けたところも多くあったりして、今ひとつ素直に楽しめなかった。

凄いゲームではあるが、面白いゲームではない。





[2006/03/26]
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