ファイナルファンタジー15


対応機種プレイステーション4
発売日2016/11/29
価格8800円
発売元スクウェアエニックス

(c)2016 SQUARE ENIX
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開発が難航していた「ファイナルファンタジーヴェルサス13」を、途中ナンバリングタイトル15作目に切り替えて発売へと至るという、異例とも言える経緯を辿った「ファイナルファンタジー15」。
発表から実に10年、いわゆる“先輩入り”していた作品が、遂に完成!!

ゲーム内容を簡潔に表すならば、オープンワールドがウリのロックスター「グランド・セフト・オート」シリーズのファイナルファンタジー版といった所。
愛車レガリアに乗り、切り替わりのない広大なフィールドを移動して、各地で発生するクエストを攻略していくゲーム。

勿論、このゲームはファイナルファンタジーであるから、RPG要素も欠かせない。
4人パーティで行動し、敵を倒したりクエストをクリアすることで得られる経験値でレベルアップしてキャラクタが成長する。アビリティコール(スキルツリー)から、欲しいアビリティを獲得していく。
戦闘シーンは、アクション要素が非常に強いが、簡単操作で、まるで映画やアニメの派手なバトルシーンを自分で操作しているような快感が得られるド派手な作り。

このゲームを見て、「もはやファイナルファンタジーではない」「RPGのかけらもない」という感想が数多く出たことだろうと思う。
しかし翻って考えてみると、RPGとは一体なんだろうかということになる。

ゲームにおけるジャンルというものは、あくまで表現法(楽しませたいことの手段)の一つであって、それ以上の意味はないというのが持論。
つまり、ジャンル自体に価値や面白さが付いているのではなく、その表現法を活用して作られた中身(コンテンツ)が良いのか悪いのかという話だ。

昔は、コンピュータの性能が低かったため、表現の幅が狭かった。
だから、自然とRPGのゲームルール、表現法が合理的で、それが映画のようなゲーム、中世ファンタジーのような剣と魔法の世界を描くのに最適だった。

もっと言えば、そもそもRPGの定義とは何であろうか。
日本では堀井雄二が「ドラゴンクエスト」によってRPGを爆発的に普及させたことで、ドラクエを基礎としたRPGがRPGであるとされている(この考えは日本だけのものではないが)。

しかし、1980年代1990年代から、海外では「マイトアンドマジック」「ダンジョンマスター」「ルナティックドーン」のように、よりリアルさを追求した、日本とは違う解釈でRPGが作られていた。
これらのゲームは、日本ではあまりにリアルすぎて、ゲームとしては難しすぎるということでほとんど普及しなかった。
が、ハード性能の向上とゲームシステムが洗練されていったことで、日本でも海外製RPGの「オブリビオン」「スカイリム」が話題となり、その面白さが受け入れられるようになった。

ゲームとしてのリアリティを追求していくと、その過程で自然とゲームジャンルという境界線がなくなっていく。
現に、アクションゲームとアドベンチャーゲームは、もう10年以上前から、3Dゲームが主流になってからは、各々の要素が自然に融合している。
勿論、敢えてどちらか一方のジャンルに特化した作品は今もある(横スクロールの2Dアクションとノベルゲーム)。無論、そういうゲームが愚かだというつもりもない。

発表時から細かくこのゲームの情報を追っていたわけではないから、憶測に過ぎないが、おそらく、開発初期から、GTAのFF版をやるという完成形がおぼろげながらあったのではないだろうか?
その根拠としては、2011年のトレイラームービーでは、高速道路の料金所が登場しており、車を使って移動するゲームであろうことが想像できる。
もう一つは、「ファイナルファンタジー13」が、ストーリードリブンという名のもとに、批判も辞さない覚悟の極端な一本道ロールプレイングゲームだったこと。

もしかすると、初期構想では、FF13ではわざと徹底したシナリオ重視のRPGにしておいて、短いスパンで「ヴェルサス13」(当時)を発売して、全く正反対のゲームを提供するつもりだったのではないだろうか?

それが思うように行かなかったのは、やはり当時はまだオープンワールドのゲームが少なく下地が出来ていなかったことや、PS3の性能では厳しかった、会社的な事情も当然あったかもしれない。
初期のFF13三部作を断念して、そのかわりシステムエンジンを使いまわした現在のFF13三部作で場を繋いだことから、次世代機の登場を待っていた可能性も考えられないだろうか。

さて、具体的なゲーム内容について触れるが、最初にも書いたように、「グランド・セフト・オート」を「ファイナルファンタジー」風にアレンジしたと言うこと以外、書くことがない。
既に海外ゲームでやられている、完成されたゲームシステムに、ただFFの看板を載せただけともいえるが、技術レベルはかなり高い。
グラフィック、ゲーム内容などにおいても見どころが多く間違いなくトップクラスの水準で出来上がっている。

据え置き機のゲームソフトは、現状、洋ゲーが主力ゲームの1ジャンルとして、すっかり確立、定着してしまった。
国産ゲームが、海外のゲームに劣ってしまっている部分が出てきてしまったためである(リアリティやグラフィック、プログラムなど)。

そんな中、これだけのクオリティの日本製ゲームを作り上げたということは、驚嘆に値する。

凄いところはいくつもあるが、まずFFというだけあって、当たり前のようにグラフィックが綺麗。
レンダリングムービーの水準の映像が、普通にリアルタイム処理されており、まさに“ムービーを操作している”感覚で、ゲームが遊べる。

細かい見所を書くと、プレイヤーキャラクターの衣服や肌に汚れがついていき徐々に汚くなっていく。どこかに宿泊するまでは、ずっと汚れたままの状態になっている。
車も、ずっと乗り続けていると表面に泥の汚れが付いていき、ガソリンスタンドで給油すると綺麗に戻る。
ムービー中でも、主要キャラクターの肌に傷やアザがつく、衣服がほころぶといった、細部の表現をこだわっており、その小さなこだわりがリアルさを感じさせてくれる。

4人で行動するが、このうち主人公はプレイヤーが操作し、残りの3人は主人公に追従する形でついてくる。
が、機械的にただ後ろをついてくるのではなく、それぞれが意思を持っているような動きをする。話しかけてきたり、仲間同士で会話をしたりする。
長時間プレイしていると、反応がやはりどうしても画一的にはなってしまうが、よく仲間の動きを観察していると、なるべく自然に追従しようというふうに作られており、こういった作り込みが好感を持てる。

仲間の一人のプロンプトは、旅の様子を写真に撮ってくれるのだが、これがまたどういう仕組みで撮られているのか、わからないぐらい自然なタイミングで撮影してくれる。
撮影してくれた写真は保存するかどうかを決めることが出来るうえ、SNSに即シェアすることも可能となっている。この写真機能を使った仕掛けも用意されており、なかなかに巧い。

戦闘システムは、好き嫌いが分かれそうだ。
同社「キングダムハーツ」の戦闘アクションをもとに、操作をより単純化した形になっている。

アクションゲームとしてみた場合、大雑把な操作でも勝手に派手にブンブン動いてしまって、繊細に動かせない。カメラワークも悪いし、操作性も直感的でない所が気になる。
逆に、RPGの戦闘シーンとして見た場合、ウェイトモードが用意されているものの、明らかに忙しく、アクション要素の強さが鼻につく。

このように、どっち付かずの作りとなっているので、どちらかを期待すると、イライラが募って仕方ないが、映画やアニメのバトルシーンを自分で操作していると言うふうに考えると、実に納得がいく。
アバウトな操作でも、派手なモーションで攻撃を繰り出してくれて、まるで格闘ゲームでコマンド技を次々に繰り出しているような爽快感がある。
かといって、立ち回りが適当でもいいのかというと、そうでもなく、回避アイコン表示後のパリィを狙った操作や、仲間との連携攻撃が発生する動き、バックアタックのダメージボーナスを狙うなど
それなりの戦略性が用意されている。
一見難しそうに見えるが、攻撃や回避はボタン押しっぱなしで良く、シビアなタイミングを要求される局面は殆ど無い。
また、回復アイテムを大量に持ち込めば、まずゲームオーバーにならないので、難しい戦闘はいくつかあるが、厳しすぎて無理というほどのものはない。
(ただし、サブクエストなどで一部にやりこみ向けに作られたのか、明らかに嫌らしく作られている部分はある)

メニューインターフェイスは、ちょっとごちゃついてる印象はあるが、こんなものだろう。
ただ、GTA系のゲームか、FF14タイプのMMORPGを遊んだ人でないと、マップ周りの操作にちょっと戸惑うかもしれない。
オートドライブやファストトラベルなど、便利な機能があるのだが、それらの使い方(設定のやり方)に、微妙に癖があり、慣れるまでが辛いように感じた。
敢えて苦言を呈するなら、車の目的地設定は、多少不便でもマップから選ぶだけで十分だろう。拠点一覧からではどこなのかわかりづらいし、クエストから選択だとファストトラベル出来る場所でもしないで移動する場合がある。

後、マップはもっと見やすいものにしてほしかった。実際行ってみると途中に障害物があって大きく迂回しなければならなかったとか通り抜けれなかった、どこから行けばいいのか等、判断に困ることがあった。

おそらく最もFF15で話題となったのが、メインパーティの4人全員が、美形男キャラクターであるということだろう。その偏りっぷりから「ホストファンタジー」とも揶揄されたほどだ。
しかも初期衣装が全員黒ずくめで統一されており、しばらくの間は誰が誰やら覚えられないとても困った状態。

ただ、これはネットでも話題となったが、「水曜どうでしょう」みたいなゆるい旅番組を見ているような感覚で、長く遊んでいる内に次第に気にならなくなってきた。
というより、下手に男女混合パーティでバランスを取ろうとすれば、変によそよそしくなるし、逆に女キャラのみのパーティにしても、この男だけの空気感というのは出せなかったと思う。
最後まで遊ぶと、不思議なもんでこれはこれで感情移入できた。

クエストには、メインクエストとサブクエストの2種類があり、基本的に制限はなく、好きなものから遊べるようになっている。
序盤は、メインクエストをある程度進めなければ移動制限がかけられてしまっているが、それもゲームに不慣れな序盤に配慮するためにしているもので、基本的にメインシナリオの進行によってプレイヤーの自由を束縛されることはない。
そして中盤以降のメインクエストは、メインクエスト専用のマップへ移動し、TPSのアクションゲームを遊んでいるような怒涛の勢いでイベントが進行する。
ここまでメインクエストを進めてしまうと、強制イベントによって自由度がなくなってしまい、後戻りできなくなってしまう。
その代わりに“過去に戻る”という機能が追加されて、前のマップに戻ってサブクエストの続きをやったりというフォローがあるので、遊びそこねたからやり直しという事態は起きないようになっている。

ゲームとしては、メインクエストというストーリー重視のTPS風アクションゲームと、サブクエストというGTA風のオープンワールドの、2種類のゲームが入っていると解釈できる。事実上の本編は後者のサブクエストの方だ。
しかし、メインクエストもそれなりにボリュームがあり凝っていて、これ分割して販売しても問題ないんじゃね?というぐらい、豪華な内容となっている。

普通こういう構成のゲームだと、ゲームをそれなりにやりこんで欲しいから、メインクエストを進める際に、サブクエストをある程度やらないと先に進めないなどの制限をつけたりするものだが、本作ではメインクエストだけ進めることも出来る。
非常におおらかで押し付けがましくない、太っ腹なやり方に感心してしまう。

メインクエストもそれなりに凝っていて面白かったのだが、やはりこのゲームで面白いのはサブクエスト攻略であろう。
いわゆるこの手のゲームではありがちな、基本的にはお使いばっかりではあるが、レストランで受けられるシガイの強敵討伐は、非常に数が多く、特にキャラが育ってない序盤から中盤あたりに
ちょっと強めのシガイ討伐を受けて、強敵に挑んでいくあたりが、FF15の中では最も面白かった部分だったといっても過言ではない。
サブクエストはお使いだけでなく、各地のダンジョン攻略も絡めていたりして、メインクエストだけやっていては訪れないダンジョンを発見し、中を探索するというリッチなものも一部に用意されている。

不満点を書く。

ロード時間が破滅的に長い。
オープンワールドで、巨大なデータのやり取りをしている以上、このロード時間を軽減することは非常に困難なのはわかるのだが、これがかなり辛かった。
特にゲーム起動時の最初のデータロードのときが一番長く、ファストトラベルでマップをワープしたときにも、無視できないほど長いロード時間が発生する。
これも慣れれば、ある程度我慢できるようになるのではあるが、ゲームをやりはじめて最初の数回は、「えっ毎回こんなに待たされるの?」とさえ思ったほどだ。

マップが思ったほど広くない。
勿論、オープンワールドの1本のゲームとしてみた場合、広大すぎるほど広大なのだが、見た目には行けそうに見えて実は壁になっていてこの先に行けないという箇所が結構多くて、見た目と比べると、思ったほど自由に動ける空間が無いという意味である。
これだけマップがでかいと、そもそも用事のないところには中々行こうとしないから、こういうごまかし方は賢いとも言えるのだが、道に迷ってそういう壁にぶつかってジャンプなどいろいろ試してみて完全な壁とわかったとき、こういうゲームだとものすごくがっかりする。
とはいえ、これだけ凝った造形のマップで、ダンジョンにもシームレスに移動するし、フィールドで凝ったバトルが展開すること、グラフィックのクオリティの高さを考えると、高望みし過ぎかもしれない。

サブクエストの中でも、レストランで受注する討伐依頼の仕様が面倒くさい。
数がたくさんあるのに、1つずつしか受けられず、倒した後、受注場所に報告に戻らなければならない。
1個ずつしか受けられないのは、同じ場所に討伐モンスターが複数出現するからだと思われる。
ファストトラベルやチョコボなど、移動手段が充実しているから不便さはないのだが、ここで足を引っ張るのはファストトラベルの長いロード時間である。
また、討伐依頼の受注には条件にハンターランクが要求されることがあり、討伐依頼を沢山こなしてハンターランクを上げなければ受けられないものもある。
さらに、メインクエストを進めるなど特定の条件を満たすと追加で出現する依頼もあり、各地のレストランで追加された討伐依頼を確認するのが非常に面倒。
出来れば、マップ画面から一覧を確認できるような便利機能がほしかったところだ。

また、これは個人的に不満ではないのだが、FFシリーズで、濃密なストーリーを期待している客層にとっては、この作品は肩透かしを食らって終わってしまうかもしれない。
何度も書いているが、このゲームはサブクエストが本編であり、骨太なストーリーが展開するメインクエストは、はっきりいっておまけレベルである。
勿論、おまけレベルで片付けられない豪華さで、とても作り込まれているのだが、そういうストーリーを追いたいとか、期待している人にとっては、ストーリーの掘り下げやボリュームのあまりの物足りなさ、あっけなさにがっかりしてしまうだろう。
これは、サブイベントや世界を冒険、探索することに比重を強く置いたFF12でも同様の問題が発生していた。勿論FF12はストーリー自体があからさまに消化不良だった一面もあるのだが。

実質的に2本分のゲームが入っているといっても言い過ぎでない本作にとって、酷な話かもしれないが、メインクエストももっと頑張ってほしかったというのは個人的にも本音として一理ある。
例えば、サブクエストでメインクエストのシナリオの一端を描くなど、そういうやり方もあったはずだ。

色々書いてしまったが...。
ゲームの方向性についての好き嫌いは当然ながら出るだろう。
しかしながら、技術レベルの高さ、壮大なゲームの企画、構想をここまで気持ち良く綺麗にまとめあげたことなどは、間違いなく素晴らしいと言う他無い。
簡単操作で派手に動き回ってくれるバトルシーンや、オープンワールドで描かれた広大な世界、グラフィックの水準の高さ、など。
また、最後に初めて話題に出すが、RPGのミニゲームとしては使い古された「釣り」も、最初はナンセンスだと思って手を付けなかったが、やってみるとしっかりと面白くきちんと中身が作り込まれている。

何度も書くが、ゲームとして好き嫌いは当然出る内容ではあるだろうが、メイドインジャパンがここまで世界的に注目されるほど高い技術力を示したということは、それだけでも評価されて然るべき内容といえるだろう。そこで結論。

これは間違いなく超大作だ!とりあえず遊べ!





[2016/12/10]
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