ファイナルファンタジー4


対応機種ニンテンドーDS
発売日2007/12/20
価格5980円
発売元スクウェアエニックス

(c)1991 2007 SQUARE ENIX / Matrix
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DS版「ファイナルファンタジー3」(以下FF3)の好評さを受け制作に至ったのが「ファイナルファンタジー4」(以下FF4)である。
DS版FF3同様、全編フルリメイクがなされており、既存プレイヤーでも楽しめる配慮が見られる。
制作発表時、「愛のテーマ」という主題歌を歌う歌い手を一般公募するなどユニークな試みが取られた。

DS版FF3では、タッチペンの操作もできるようにと意固地に下画面を重視した作りであったが、本作ではボタン操作を主軸に置いて、2画面をフルに使った画面構成となっている。
フィールドでは、上画面にプレイ画面、下画面に全景のミニマップが表示され(最初は白地図)、戦闘シーンでは、同じく上画面にプレイ画面、下画面に各キャラクタのヒットポイントや状態、アクティブタイムゲージの表示や、選択中のコマンドに対するステータス(敵のヒットポイントや命中率など)が表示される。

このように2画面をフル活用したゲームレイアウトが取られているのは素晴らしいと絶賛したいものの、2つの画面を頻繁に見なければならないことが、逆に遊びづらさに直結している気がする。
もうちょっと、目線を動かさないでも済むような工夫が欲しかったのは欲張り過ぎか。

画面は全てポリゴンで描かれており、特にマップ上での臨場感が増したのと裏腹に、キャラクターをうつしたいのか、カメラが寄りすぎており、下画面のレーダーマップを見てないとほとんど把握出来ないのは難点。
また、物陰に完全にキャラクターが隠れないようにする配慮からか、見かけより明らかに狭い通路(手前に物陰になる壁がある場合)が多く存在し、歩ける場所歩けない場所の区別がわかりにくい。細かいところを言えば、町や城の中でも、曖昧な壁が多く存在する。この辺はしっかり区別して欲しい。
ぶっちゃけ、レーダーマップが優秀なので、ほとんど上画面を見られない始末。本末転倒たあこのことだ。マップのテクスチャは凄く綺麗なのに。

前作で指摘された戦闘シーンにおけるロード時間、敵パーティの少なさは解消され、オリジナル版から違和感なく再現されている。
ちなみに、ROMなのにロード時間が存在するのは、簡単に言えば扱うデータ量が多く、プログラムの読み込みにCPUが着いてこれてないから発生する(実はスーパーファミコンでも近い現象は起きている)。DSでは、あまりポリゴンを多用することを想定してなかったんだと思う。勿論工夫次第でロード時間は短縮出来る。

戦闘画面は、SFC版と同じくサイドビューだが、ボス戦などイベント戦闘では立体的な視点に変更される。これに伴い、カーソル操作の全体化の操作が通常時と変わっていたりする。十字キーだけでなく、Rボタンで味方全体、Lボタンで敵全体の操作も入れておけば納得出来たんだが。

DSの性能で、果たしてアクティブタイムバトルを再現出来るのか心配だったが、しっかり形になっている。これには感動した。
ただ、これは戦闘シーンに限らずだが、全体的に高負荷な処理をおこなっているせいで、ボタン入力のレスポンスが悪い。
はっきりいって戦闘ではバトルスピードを初期値の3より上、アクティブバトルに設定すると、処理の重さのせいで極端に損をすると思う。

バトルバランスは全体的にタイトなところにあり、結構エグイゲームになっている。
特にボスバトルでは、しっかりパターンを覚えて戦わないとあっさりと全滅するストイックさを誇る。防御コマンドがこれほどまで重要な位置を占める作りは珍しい。
本来イベント的な意味合い程度でしかなかったボス戦でも、殺しに掛かってくる作りにある。オリジナルを知っていれば優位に立てるだろうボス戦も軒並み変更が施されており、一筋縄には行かない。
個人的には、カウンターを多用してくるボス(ザコでも多い)が好きになれなかった。前述の防御が重要なこともあわせて、攻めよりも守りを求められる戦闘は非常に楽しくない。攻めようとするとやられる、だから守りを重視せざるを得ない。単純に気持ちよくない。戦術的にも。

デカントアビリティという新要素が面白い。パーティの入れ替わりが多く、二度と入らないキャラが多い作品だが、いなくなったキャラのアビリティをアイテムとして受け取ることが出来る。そのアイテムを覚えさせたいキャラに使うことで習得する。一度使うと戻すことは出来ない。
使えないアビリティが多かったSFC版だが、DS版では見直され、ほとんどのアビリティが有用なものになっている。ただ、キャラの友好度が高くないと(おそらく戦闘回数だと思う)手に入らないという条件はどうかと思う。ふたりがけがとれなかったー!
カウンターと引きつけるの組み合わせが強すぎるきらいがあり、2つそろった中盤以降はかなり作業的になる。
こういったアビリティ同士の掛け合わせについては、それほど数が無いため自由度に関してはメインを張る面白さとはお世辞にも言えないのが残念。かといって増やしすぎると別ゲームになってしまうジレンマ。

先にも述べたが、快適性を犠牲にしてまで、たとえばメニュー画面で、わざわざキャラクターのモデリングを読み込みに行くなど、とにかくキャラクター性を重要視している。なにせ、DS起動時のアイコンが大人リディアだし。それは別として。

今作では一部イベントシーンがボイス仕様である。この配役がまた渋い渋い。納谷悟朗、永井一郎に銀河万丈である。いぶし銀勢揃い!
FF4は、沢山の機種に移植されたことで遊ぶ機会が多かったこともあると思うが、イベントシーンが印象に残りやすいこともゲーム内容を覚えていることの理由にあると思う。
そうやって見飽きたと思っていたイベントも、ボイス付にプラスして3Dポリゴンでリニューアルされると、思わずホロッと来てしまう。ボイス付のイベントはあまり多くないが、その分見せ場に限定して力が入っている。
各キャラのモデリングやテクスチャのレベルもDSということを考えると非常に頑張っており、逆に据え置き機でやられると細部までの過剰な描き込みやグラフィックデザインの方向性によって、好き嫌いが出たと思うので、DSで作ったのは正解だと思う。確かに容量や制約など気にしなくていい据え置き機で見たいという気持ちもあるが。

相変わらずアドバタイズではハイポリのレンダリングムービーが収録されているが、本編での挿入は全くない。「入れる必要ない」と前作でも指摘したはずだが、もはや社内のムービーチームに仕事を与えるためにやっているとしか思えない。テイルズシリーズなどのように伝統化するか。

また、ストーリー関連では、説明不足だった終盤のシナリオに関して追加が施されている。これによって文章のみで説明されていた部分が視覚的に演出されることで、内容を把握しやすくなった。

前作のモグネットとは違ったアプローチで、召喚獣ポーチカという携帯機向け要素が追加されている。
タッチペンを使ったミニゲームを繰り返しプレーすることで強化され、育てたポーチカ同士で対戦させることが出来る。ちなみに本作はWi-Fi未対応。

マップ上でカメラ視点が寄っているせいや、造形に一部無理矢理感があるせいか、今作の3Dマップには違和感を覚える。前作はそんなことなかったのに。
あと、ドットマップ時代の隠し通路や隠れた宝なんかがほとんどノーヒントに近い状態でオリジナル準拠で入れられているのも、原盤を知らない人にはきつすぎると思う。前作のようなヒントが無いのも拍車をかけている。
過剰とも言えるメニュー画面のごてごてな処理と、戦闘シーンのスペックオーバー気味の処理によってもたらされる、レスポンスの悪さが、ゲーム全体の印象を落としているのは厳しい。操作性というのは、ゲームの印象を決定づける要素なので、ここを優先的に頑張って欲しかった。
それから戦闘バランスのマニアックさ。これはやりすぎでは?と思える箇所がいくつも感じられた。SFC版同様特に中盤までがひどい。絶望的な難易度を誇る。DS版FF3のようなバランスの付け方なら適度に緊張出来て面白かったものだが。

とはいえ、今作も商業的には前作ほどとは行かない物の好評のようである。次は5か!?という予想の中で敢えて自分は2が来るんじゃ!?と予想する。だって4同様ドラマ性重視で作りやすいし、ボリュームもそれほどないし、2もリメイクされてはいるが、本気でリメイクしている作品はまだ無い。
逆に5は、5単体で完成されているという向きが強く、下手にいじれないし(いじりにくい)、ボリューム的にも厳しいんじゃないかと思う。しかし頑張れば7までは行けるか?
そこで結論。

インパクト重視の作品。経験者もその違いに腰を抜かしてください(個人的にFF12の魔法が出てくる辺り時代を感じた)。





[2008/01/03]
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