対応機種 | スーパーファミコン |
発売日 | 1992/12/06 |
価格 | 9800円 |
発売元 | スクウェア |
偶数のFF、奇数のFFとは良く言ったもので、今回のFFは3のジョブチェンジ路線を強化させた作品となっている。
4がシナリオ重視だったのに対し、5は、3をそのままSFCに持ってきたような作り。
このシリーズにしては、最後まで破綻無くゲームバランスがとれた珍しい作品だ。
極端に強いジョブは無く、どれもがそこそこの強さを持っている(勿論、最適解のようなものは存在するが)。
FF3のように、明らかな下級、上級ジョブといった分け方はなく、初期に手に入るジョブでも十分戦ってゆける。
アビリティーの付け替えという概念(別の育てたジョブの能力値、能力を引き継げる)が、カスタマイズの自由度を無限に広め、戦略性をグッと高めている。
最初その概念にとまどいを感じるが、慣れればなんてことはない、トリッキーなボスキャラクター相手に、どう戦うか?という思考を張り巡らせる楽しさが味わえる。
イベント周りも、非常にゲーム的要素の強いものが多く、「その手があったか!」と感心させられてしまうものがとにかく多い。
SFC「ドラゴンクエスト5 天空の花嫁」がストーリーの比重を強めたものだったのに対し、FFの方向性が逆に向いているのが対比的で面白い。
RPGとしては目新しい仕掛けが多く盛り込まれ、とにかく飽きない。
アクティブタイムバトルの時間制御の不完全さも今作においては解決され、不公平感を味わうことなく遊ぶことが出来る。
ドットキャラのアニメパターンの演出もかなりこなれてきて、キャラクターの表情の描き方がうまい。
多くのRPGだと、ここの部分は文章で伝えることが多いのだが、このゲームでは絵で魅せるところが多く、イベントシーン一つ切り取ってもとにかくにぎやかだ。
イベント演出も、4以上にSFCの性能をさらに発揮した迫力あるものが増加し、なかなかに楽しませてくれる。
メニュー周りの操作性はさらに洗練され、アイテムの所持数が無限になったことや、装備コマンドで自動で最強装備を選んでくれる機能など、使い勝手が非常に良い。
(FFでアイテムの持てる数を制限するのはあまり意味がなかったからなぁ)
これまでのシリーズの不満点を上手に解釈し、いい方向へうまくもっていった、とても練られた作品に見えた。
音楽、シナリオ、バトルシステムと、気持ちよくまとまった傑作といえる。
FF嫌いも、これだけは遊んでおけ!名作。