対応機種 | Wii(Wii Ware) |
発売日 | 2009/06/30 |
価格 | 1000円 |
発売元 | スクウェアエニックス |
魔王軍の空飛ぶ塔に迫り来る冒険者達をトラップやモンスターを使って排除する、
タワーディフェンス(防衛もの)系シミュレーションゲームである。
「小さな王様と約束の国」同様、キャラクターモデリングなど使い回して制作されている。
しかし見栄えやゲームボリュームは、パッケージタイトルに見劣りしないクオリティで作られている。
また、魔王側の姫を主人公としたゲームとしては珍しいダークヒーローものである。
シチュエーションがPSP「勇者のくせに生意気だ」に酷似している点が指摘されているが、ゲーム性はずっとシンプルであり、別物である。
ネガティブポイントを消費して、塔のフロアーを建設し、モンスターを配置する。
やってくる敵を倒すことで、ネガティブポイントは増えていくので、それを使い、さらに塔を拡張していく。
この流れは、典型的なタワーディフェンスのシステムである。
ただし、本作では一般的なフィールドにユニットを置くタイプとは違い、塔そのものを改造して防衛していくのである。
敵ユニットは、1フロアーに1人しか入れず、滞在時間も種類によってまちまちである。
つまり、この辺が通常のタワーディフェンスで言う、進行速度にあたいするものになっている。
やってくる敵に応じて部屋(トラップ)や敵の配置はとうぜん考えなければならないが、攻撃範囲や地形を考えた配置まで考慮しなくて良い分、間口はかなり広まったと言えるだろう。
難易度もそれほど高くなく、ひとしきりエンディングを見るだけならば、苦労するところも少ない。
使える部屋やモンスターの種類が少ない。少ないどころか少なすぎる。
追加コンテンツに対応しており、それらを買うことで増やすことが出来るのだが、拡張させてやっと遊べるぐらいの数がそろうという感じである。
そして、わざわざお金を取るぐらいだけあって、追加分の項目は、元々入っているものと比べ、性能が良い作りになっている。なんだか露骨すぎて嫌だ。
せめて、カルマ(クリア時に手に入るお金のようなもの)で新しいトラップ部屋やモンスターを入手出来るぐらいのものは欲しかった。
また、主人公の姫であるミラの服装も購入出来るのだが、イメージイラストのかわいらしさが無く、魅力に乏しい3Dグラフィックになってしまっている。
これは、着せ替えでお金を稼ごうと言う魂胆から見れば、かなり損をしていると言える。
拡張コンテンツは、前作で味を占めたのか、かなり用意しているっぽい。後日、追加ステージの配信もあるらしく、現時点では見えているが行けないステージも多数存在する。
スケジュールや内容的には、発売日の段階で追加ステージ以外のものは既にいくつか用意していたり、システムの追加というよりはアイテムの購入といった感じで好感は持てた。
ステージ数が多く、エンディングまで結構遊べるのだが、無駄に多いという気がしなくもない。
一般のタワーディフェンスのようにフィールドで差別化を図れないので、違いといえば、攻めてくる敵の順番ぐらいである。
序盤は、チュートリアル的な展開で退屈しないのだが、後半は出尽くしてしまうこともあり、作業的になってしまう。
前作より明確なゲームデザインや、刺激的な演出など、良くなった点も目立つが、本来このシリーズが持っていた柔らかい雰囲気が崩されてしまった気がする。
どうも、「ファイナルファンタジー10-2」や「ファイナルファンタジー12レヴァナントウィング」を作ったスタッフが関わっていることから来てる感じがする。
個人的に、その人の作風である、独特なエキセントリックなノリは好きになれない。そこで結論。
面白いが、物足りない。そんなゲーム。