ファイナルファンタジーエクスプローラーズ


対応機種ニンテンドー3DS
発売日2014/12/18
価格5800円(カード)/4500円(ダウンロード)
発売元スクウェアエニックス

(c)2014 SQUARE ENIX / RACJIN / YOSHITAKA AMANO
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一言で言えば、FF版「モンスターハンター」と言った作品。

この手のゲームはこれまでモンハンとその亜種といった構図だったが、最近は高い次元でモンハンを真似した作品も増えてきたこともあり、
今では協力マルチプレイアクションというジャンルが確固たる存在となった。

さて、そんな中、スクウェアエニックスのFFが、モンハンライクなゲームに挑戦した。
それがこの「ファイナルファンタジーエクスプローラーズ」である。

素材を集めて装備品を生産しキャラ強化を行う、拠点でクエストを受けるなど、基本的なゲームシステムは「モンスターハンター」を踏襲している。
しかし、FFらしいアレンジを加えている部分も数多くあり、十把一絡げに出来ないゲーム内容になっている。

例えば、RPG色の強いバトルシステムが挙げられる。

HP、AP(スタミナ、MPのようなもの)、ダメージといった数字のやりとりは、全てが数値で表されることや、
ジョブごとにアタッカー、タンカー(盾役)、バッファー(補助役)、ヒーラーといった明確な役割分担が付けられていること。
装備品やアビリティが細かくカスタマイズできて、自分好みの個性を出せるようにしている所。
また、MMORPGではお馴染みのヘイト(敵対心)コントロールの概念が導入されているのが、この手のジャンルのゲームとしては珍しい。

一応ヘイトシステムについて軽く説明すると、与えたダメージや味方を回復した量などの行動によって、パーティメンバーごとにヘイト(敵対心)が蓄積されていき、
このヘイトの一番高い相手が基本的に敵の攻撃対象となる。この攻撃対象をうまく盾役であるタンカーが引き受けることで、役割分担が効率よく機能するため、ヘイトコントロールが重要になってくる。
このゲームでは、狙われているキャラにはサインが表示されるようになっている。

プレイ感覚としては総じて、基本システムこそ「モンハン」ではあるものの、MMORPGの戦闘を「モンハン」の器に落とし込んだゲームというのがコンセプトとしては近い。
もっと言うと、FF14のバトルシーンに(全く同じとまでは行かないが)かなり似ている。

そんなゲームということもあってか、正直アクションゲームとして見た場合は、シビアにならざるを得ない。

まず一番目に付くこととして、操作性とインターフェイスが良くない。
習得したアビリティを同時に8個まで装備できるのだが、L,Rボタンを押しながらA,B,X,Yという操作の割り振りをしている(Lボタンで4つ、Rボタンで4つの合計8つ)。
Yボタンで通常攻撃出来るが、こちらはほとんど使わず、アビリティをメインにめまぐるしく使っていくものなので、L,Rボタンを押しながらという操作が単純に煩わしい。
さらに、クリスタルドライブという条件を満たした際に発動できるアクションが、L,Rボタン同時押ししながら、A,B,X,Yボタンを押すという操作まで入っていてかなり使いにくい。
それぞれのアビリティには、リキャスト(一度使うとつぎ使えるようになるまでの再使用間隔が設定されている)があり、アビリティごとに時間が異なる。
Lボタン、Rボタンを押すと、装備しているアビリティコマンドが表示されて、そこでようやく確認できるが、見づらいことこの上ない。
さらにRボタンには敵のロックオンと解除の操作まで入っている。全体的にL,Rボタンに操作を押しこみすぎじゃないか?と思う。

また、違うアビリティを連続して使用したい場合、アビリティ実行後、入力を受け付けない間があるため、機敏に動けないし、攻撃がつながらないので爽快感がなくもっさりした印象を受ける。
これに限らず、メニュー操作のレスポンスなど、全体的に反応が悪くて、細かい部分ではあるが、非常にストレスが溜まった。

拡張スライドパッドに対応していて、拡張スライドパッドを使ってプレイしたが、スティックが1つ増えたことで視点操作がやりやすくなったものの、
一番頻繁に使うL,Rボタンが押しづらくなって、快適にプレイできるかというと正直微妙な位置。
BボタンのダッシュがZL,ZRにも割り振られているが、L,Rボタンとの使い分けが難しく、使いづらい。
視点操作に関しては、Lボタンでカメラが背面に回りこむ機能があるので(視点操作は十字キーを使う)、下手すると拡張スライドパッドを使わないほうがプレイしやすかったかもしれない。

クリスタルドライブ、トランスといった必殺技関係のシステムが過剰でややこしく複雑すぎる気がする。

クリスタルドライブは、アビリティの攻撃をヒットさせることでレゾナンスという数値が上昇していき一定値を超えると発動できるようになる。
ただし、使えるクリスタルドライブは、状況に応じて最大4つリストアップされるようになっていて、何を使うかを基本的に自分で選ぶことが出来ない。
このへんの出現条件の仕組みは曖昧でプレイヤーには教えられないため、半ば運任せのようになってしまっている(それが駄目だという意味ではない)。

クリスタルドライブは、どれも強力な補助効果がかかるもので、この状態の時に特定のアビリティを使うと、通常のアビリティに特殊効果(状態異常、攻撃力ダウンが付加される等)が付く。
特殊効果の付いたアビリティは、オリジナルアビリティと言って、拠点に戻った時に、強化されたアビリティを新しく修得することが出来るようになる。
これを繰り返すことで、通常のアビリティに色々な特殊効果が付いていくため、何もついてないアビリティより性能が良くなる。
ただ、クリスタルドライブが自分で選んで発動できないので、アビリティを強化しようと思っても、中々思い通りの特殊効果を付けることが難しい。
また、単純に、この一連の手順(クリスタルドライブでアビリティ強化、拠点で覚えて装備し直す)が煩雑でちと面倒くさいというのもある。
1回の強化で劇的に強くなるということはなく、積み重ねることで強くなっていくので、強化している実感とかが薄いのが厳しい。

一方、トランスは、トランスゲージをいっぱいまで溜めると使えるようになる。いつ使うかは自分で決めることが出来る。
発動時に、HP/APが全回復する。いわゆる起死回生の必殺技のようなものだ。
装備した魔石の力を借りて、固有の大技を繰り出せるのだが、FFシリーズキャラの魔石を装備している場合は、そのキャラに変身する。
キャラボイスも変わり、BGMも、そのシリーズのものに変化する。ファンサービスのつもりで大盤振る舞いしたのだろうが、さすがに露骨過ぎてちょっと引いてしまった。
過去シリーズをモチーフにした衣装程度ならここまで嫌悪感は抱かなかったのだが、豪華な割には「やり方がちょっと違うだろう」という印象を持った。

とりあえず、過去のFFシリーズのジョブ、アビリティの名称、敵キャラクターのネタを放り込めば、FFファンなら喜ぶのでは?という安直さが目について、どうしても好意的に見ることが出来なかった。
上辺だけはFFという体裁を見繕っているが、FFらしさとはそういうことではないと思う。ゲームの出来が不安で、保険をかけてるようなところが透けて見えてしまう。

シングルプレイでスタッフロールが流れるところまではプレイしたが、仲間にしたモンスターを最大3体連れていけるサポートが入っているものの、この環境だと満足に楽しめないと思う。
モンスターを連れていけるといってもほとんど1人で戦っているのと変わらなくて、すぐ敵に狙われてしまう。
幸い、ローカル通信だけでなく、インターネットを使った通信プレイが標準で搭載されているため、手軽に協力プレイが楽しめる。

とはいえ、レスポンスの悪さや操作&システムの複雑さ、頭でっかちさが目立ち、これといった光る部分が無く欠点が気になってしまうイマイチさ。
変なところで「モンスターハンター」の要素を無批判に採用しているために、オリジナリティのなさが漂っていて、「これならモンハンをやればいい」という作り。
ゲームとしてのボリュームも、物足りなくて、大型ボス(召喚獣)の数が少なく、強化バージョンで水増ししてごまかしているが、1本のゲームとして考えると、バリエーションの乏しさは否めない。

かなり辛辣な内容になってしまったが、FFにはFFの持ち味があるのだから、それを無理矢理押し殺してしまって、他社の人気作品に迎合してしまうのはやはり良くない。
年末商戦に当て込んで発売したということは、会社的には大作ソフトのつもりなのだろうが、この会社は下手にアクションに手を出すより、しっかりしたRPGを作るほうが向いていることを痛感した一本だった(アクションで成功してる作品も無くはないが)。
そこで結論。

無理にモンハン路線に走らなくても良かったのでは?





[2014/12/22]
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